うわー、足の親指の爪が真っ黒に変色している。
汚れているとかそういう類では無くて、もう爪自体が真っ黒に変色しているのだ。左足の親指の爪。こないだより酷くなっている。このままでは、この爪はどうなってしまうのだろうか?という疑問が頭の隅をよぎった様な気もするが、私は見て見ぬふりを決め込む事にした。
見て見ぬふりを決め込んだ事で、強制的にその情報は頭の中から消去された。実際には消去されていないのかもしれないから、この表現は間違っているのかもしれない。情報の上から布のようなものでも被せたのだろうか。穴でも掘って埋めてしまったのだろうか。表現方法はハッキリ言ってどうでもいい。ただ見て見ぬふりを決め込んだという事実だけが伝われば良いのに、こんな所でウダウダ考えて立ち止まる私が私はあまり好きじゃない。
見て見ぬふりを決め込んだとて、実際は見てしまったのだから、ふと頭にその事がよぎる。だが、頭の中で穴の中に埋めて忘れようとした情報よりも、埋めて忘れようとしたという事実が私を支配する。
あーあ。また見て見ぬふりをしてしまったな。また私に嘘を付いてしまったな。知らんぷりしてしまったな。私は何も変わらないな。昔も今も、ずっと同じ事を繰り返しているな。
そんな所でふと我に返る。どこまでが夢でどこからが現実かが定かではない感覚に陥る。
ただ、今左足が視界に入った時に、爪が黒くない事を思い出し、爪が黒く変色してしまった事は夢であったと理解した。
最近、夢をよく見るなぁ。
嬉しい夢でも悲しい夢でも意味の分からない夢でも、夢を見たという事実が眠りから覚めた後の私には嬉しい事だ。
でも大体の夢ってどうしてすぐ忘れてしまうのだろうか。
(2017/05/11 12:33:54)
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