見た目は美女でも心は男――。「カリスマ男の娘」として人気を博し、過去には男性なのに女優としてAVデビューを果たした大島薫。女性の格好をしたまま暮らす“彼”だからこそ覗ける、世の中のヘンテコな部分とは?

著者のAV女優時代
長らく続くAV強要問題について、政府が動きだそうとしている。
そもそもこの件の発端は、アダルトビデオ出演を拒否した女性に対して、所属プロダクションが違約金として2460万円の支払いを求めた裁判だ。結果的にそれが、アダルトビデオ業界に存在していた”慣例”を明らかにする形になった。
内閣府の最近の調査結果も注目を集めている。当初の勧誘や募集に沿って契約まで至った197人のなかで、契約の有無にかかわらず望まない性的撮影をされた女性は73人にものぼるという。
これに対して当のAV業界関係者の間では「撮影中そんな素振りも見せなかった子ばかりなのに、何を言ってるんだろう?」という反応が多い。
業界自体の混乱が進む中、とうとう政府は3月21日、首相官邸で関係府省の対策会議を初めて開いたことが、NHKニュースで明らかになった。
これついて、AV関係者や現役のAV女優などがコメントをすると、たいていが
「強要なんて特殊な例。ほとんどの女優が望んでやっている」
という話に終始する。
さて、ボクはこの件についてなんと書こうか。ボクは元AV女優であることを公言している身であり、AV関係の知り合いもいまだに多い。では、AV業界側を擁護してみようか。
いや、実際のところ、ボクは他と違った視点でこの件を見ている。