法律家の枠を超越した経営センスで、企業の将来までサポート / 菰田 泰隆 弁護士


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「法律事務所はサービス業。弁護士は法律に詳しいだけで、特に誇れる立場でもない」と言い切り、弁護士登録をして以来、1日も休んでおらず「仕事が趣味なのかもしれません」と笑う。
今回は、博多駅から徒歩圏内に事務所を構え、弁護士という枠にとらわれずに、地元の企業や人々のために活躍する、菰田泰隆先生(弁護士法人菰田総合法律事務所)にお話を伺った。

まずは、弁護士の空白地帯で開業

– 最初は那珂川町で開業なさったわけですか。

そうです。私がひとりで開業をしました。弁護士登録をして、そのまま独立したんです。

– 最初から独立なさったのですか。那珂川町がご出身なのでしょうか。

いえ、那珂川町には弁護士がおらず、法律事務所がないという課題があったのです。福岡市に隣接している自治体で、人口もそれなりに多いので、弁護士に対するニーズが埋もれているのではないかと考えました。

また、その法律事務所が入居したビルが、司法書士・税理士・行政書士など、隣接士業の事務所が集まっている建物だったもので、もともと弁護士の入居が待望されていたという側面もありました。

– 実際、目論見どおりにニーズは存在したということでしょうか。

そうですね。ただ、ご相談に来られる方は、ほとんど福岡市内にお住まいで、那珂川町内の方は1~2割ぐらいでした。

– それもあって、こうして福岡市内にも事務所を構えようと考えたのですか。

そうですね。那珂川町に開業したことで、むしろ福岡市内でのニーズの大きさを感じましたので、ここに開業する必要性を身を持って知ったわけです。

– 仕事を確保するのに苦労なさった面はありますか。

売上げはおかげさまで順調に上がったのですが、弁護士になってから1日も休んでいない状態でして、忙しくさせていただいているのが苦労といえば苦労かもしれません。

– 相談や依頼があった案件に、ひとつひとつ応えていくということになりますか。

最初の頃はそうでした。仕事を選べるような立場ではなかったからですね。
今はおかげさまで、依頼を頂くすべての仕事を受任するのは経営的に難しい面もありますし、顧問先との利益相反との関係で、お断りしなければならない案件も出てきています。

新規開拓に積極的、だけど本当は人見知り

戸田 哲 弁護士

– 注力分野としては、どのようなジャンルになるのでしょうか。

個人向けでは、離婚や相続に関しまして、福岡県内でも屈指の件数を扱っています。
そのほかは、企業向けの案件の取り扱いが全体の半数ほどを占めます。

– 事務所のサイトによりますと、医療法人向けの法的サービスも提供なさっているのですね。

そうですね。医療法人のお客様からの引き合いが多いので、設立の手続きですとか、M&Aや事業承継などに関するご相談が多く寄せられています。

– また、プロフィールには「株式会社日本歯科総合コンサルティング 代表取締役」ともお書きですね。

これは、私が別会社を作りまして、その代表ということなんです。

– 歯科向けで医療コンサルティングをしていらっしゃるんですか。

そうです。弁護士業務とは全く別で、歯科医師に向けたコンサルティング業務を行う会社を立ち上げました。日本中に歯科医院を展開しているグループの理事長や医療法人の案件に精通した税理士と組みまして、歯科医院のM&Aをどうするのか、といったご相談を受けてアドバイスしています。

その中で弁護士にしかできない、たとえば歯科医院の経営をめぐる契約交渉などは、この弁護士法人で私が担当していて、そのような感じで両者を使い分けています。

– 多くの人脈をお持ちなのですね。ご自身は若手の頃、人脈づくりには困らなかったのですか。

いえ、困りましたね。しかし、時間をかけて作っていくものだと思います。

– 昔から人脈といいますか、人間関係を早く構築して友達をつくるのがお得意だったのでしょうか。

そんなことはありません。素の自分は完全な人見知りなので、仕事以外で知らない人に会うのは、ストレスでしかないです。