降下訓練で地元町議会が抗議決議

10日夜、沖縄のアメリカ軍嘉手納基地で、軍用機から兵士がパラシュートで降下する訓練が行われたことを受け、地元の嘉手納町議会は、11日の臨時議会で「住民生活をないがしろにする暴挙だ」として、降下訓練の全面禁止などを求める抗議決議と意見書を全会一致で可決しました。
アメリカ軍は先月24日、嘉手納基地で軍用機から兵士がパラシュートで降下する訓練を6年ぶりに行い、沖縄防衛局や周辺の自治体が訓練の中止を申し入れる中、10日夜、再び嘉手納基地で降下訓練を実施しました。
基地周辺の自治体によりますと、これまでパラシュートの降下訓練が、夜間に行われた記録はないということです。
これを受け、地元の嘉手納町議会は、11日の臨時議会で、相次ぐ降下訓練に抗議する決議と意見書を全会一致で可決しました。
この中では、「地元の抗議を全く無視し、再び降下訓練を強行したことは住民生活をないがしろにする暴挙で、極めて憂慮すべき事態だ。訓練の常態化は基地負担の増大にほかならず、到底容認できない」と強く批判しています。
そのうえで、嘉手納基地での降下訓練の全面禁止や、降下訓練を伊江島補助飛行場に集約するとした日米両政府の合意を守ることを求めています。
また臨時議会では、10日までに、アメリカ本国の基地に所属するF16戦闘機12機の嘉手納基地への暫定的な配備が始まったことについても、抗議する決議と意見書を全会一致で可決しました。
嘉手納町議会は近く、それぞれの決議と意見書を日米両政府に郵送することにしています。