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「ムーニーCM炎上騒動」についての分析・考察と男の育児参加

こんにちは、しおうめパパです。

どうやらムーニーのCMについて、今いろんな意見が交わされていますね。
今日はもう寝ようと思っていたのですが、これだけは書かなければと思い、PCの前にいます。明日は朝一で会議です。

「ムーニーCM炎上騒動」についての分析と考察をした上で、男の育児参加について考えます。

ムーニーのCMとは?

いま、話題となっているムービーです。
ご覧になっていない方はご覧下さい。


ムーニーから、はじめて子育てするママヘ贈る歌。 「moms don’t cry」(song by 植村花菜)

何がどう話題なの?

僕はこの記事が話題だということは、Yahoo!ニュースで知りました。
Yahoo!ニュースの記事はこちらから。

headlines.yahoo.co.jp

上記のURLから一部引用しますと

「吐きそうになった」
「ワンオペ育児賛美にしか見えない」
「このCMみたいなお母さんはいっぱいいる」
「『その時間がいつか宝物になる』からこの状況のままがんばれって言われても」
「つらかった時を思い出して吐きそうになった」
共感する声の一方で、大変だった頃を思い出してフラッシュバックしてしまう、といった声もあった。ワンオペ育児が美化されているように感じる、との意見もある。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170510-00010002-bfj-sociより引用

といった上記のような意見出ているとした上で、一方で育児の実態を表していると評しています。

記事の結びとしては、様々な意見があるのを把握した上で、メーカーとして動画を削除する予定はないとしています。

実際の声はどうなのかを簡易分析

分析してみた

本当に批判が多いのかを客観的に知るために、まずは簡易的にテキストマイニングで分析してみました。

分析結果はこちらから(PCのみ)

分析の対象は、ツイッターの投稿200件。
時間は22時40分頃に「ムーニー」という文字列を含むツイートから、200件を遡って分析対象としています。 使用したツールはユーザーローカル社のテキストマイニングツール。
本当はもっとn値を増やしたいのですが、一度に分析できる文字数の限度があるので、これで簡易的に傾向値を見ます。

分析結果

頻出単語とスコア分析

ムーニーCMに関するTwitterの頻出単語分析

結果は上記のようになっています。
これだけ見てもよくわからないとは思うのですが。

一点注目すべきは名詞の「パンパース」と、形容詞の「辛い」という単語のスコアが突出して高いことです。

パンパースとの関連性

具体的にパンパースに言及しているツイートを見ると、「パンパースのCMに比べて・・・」と、パンパースCMアゲがなされている傾向にありました。

ちなみに、パンパースのCMはこちら。


パンパース│キミにいちばんのこと│#キミにいちばん

「辛い」の共起語

共起語とは、簡単に言うと「一緒に書かれていることば」のことです。

「辛い」と一緒に書かれている言葉は

「ムーニー」
「ワンオペ」
「育児」
「CM」
「見る」
「いい」

となっています。
予想ですが、ムーニーの動画を見て、ワンオペ育児が「辛い」と思っている人が多い傾向にあることが読み取れます。

考察

実際に動画を見てワンオペ育児が「辛い」と感じている人は多い傾向にありそうだということが分析からわかりました。

また、分析を通じて、多くの人のツイートも目視で確認していました。

特に、ひとりで育児を経験した母親の嘆きのツイートが多かったように感じます。

そして、パンパース動画との比較の根底にこんな意見がいいねを集めていました。

ユニ・チャームとP&Gの女性管理職構成比率を根拠として、「女性役員の多い会社=女性の気持ちがわかっている」ということなのでしょうか。

このことから僕はこんなことを考えました。

本件に関するしおうめパパ的見解

女性サイドからの視点

この、ムーニーCMの炎上に関しての原動力は、

ひとりで育児をせざるを得ない状況を作り出している、男性や社会に対する女性のやり場のない怒りなのではないでしょうか。

ツイッターを見ていると、怒っているというよりかは、「辛い」「苦しい」といった全国ママたちの悲しみに近い怒りのような感情が見えます。

それが、「辛い・悲しい」という感情に止まらず、男性や社会に対しての怒りのようなものに形を変えて炎上しているのだと思います。

女性役員率の高いP&Gを女性の意見、低いユニ・チャームを男性の意見と見立て、「だから男は女の気持ちがわからない」というニュアンスが感じ取れます。

思い出すだけで吐き気のする、辛かったワンオペ育児。
夫は仕事平日はほとんど手伝ってくれない。地域に頼れるひとはいない。保育園は見つからない。自治体は他人事のような対応。会社は退職の瀬戸際でも助けてくれない。

でも、誰に何を言っていいかわからない。

「『男性』や『社会』という確かに存在するが概念的なもの」

「ムーニーのCM」

という具体化された対象に変わったことによって、怒りの矛先となったのではないかと思います。

メーカーサイドからの視点

一方で、ユニ・チャームの広報は以下のように見解を述べています。

「さまざまなご意見をいただいていますが、動画を削除する予定はありません。父親の育児参加や周りの人のサポートが進むよう、多くの方に動画を見ていただきたいです」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170510-00010002-bfj-sociより引用

メーカーとしては、明確に「父親の育児参加や周りの人のサポートが進むよう」という願いを込めているのがわかります。

メーカーからしてみれば、現実に近い景色を敢えてリアルに表現することによって、「ママの辛さ」に共感した男性や周りの人々を動かすことが目的なのかのように思えます。

ユニ・チャームのマーケティングチームは、「女性のリアルなワンオペ育児の辛さ」を表現することにより

「男性の育児参加」
「地域や周囲のサポート拡充」

の気運を醸成し、少しでも母親の手助けになればと思っていたのではないでしょうか。

そういう意味では、今回の件は決してユニ・チャームに悪意があったように思えません。

その時間が、いつか宝物になる日

僕個人的にはこの動画が悪いとは思えないです。

「その時間が、いつか宝物になる。」

と言う言葉にさえ痛烈な批判が浴びせられている今の状況は、現代日本の閉塞感の表れだと思います。
その閉塞感の中で、全国のママたちは息ができないくらいの辛さを味わっているのだと想像します。

そして僕も、「ワンオペ育児の辛い日々」というネガティブな側面だけを切り取った場合、それが宝物になるとは到底思えません。

でも、「我が子の成長を一番近くで見守ってきた日々」というのは必ず宝物になると思います。少なくとも、僕は宝物の時間です。

この動画がただの炎上動画で終わってしまうのは悲しいです。

僕はひとりでも多くの男性や周りの人間がこの動画を見て「女性のワンオペ育児の辛さ」に共感して欲しいです。
そして、共感するにとどまらず、実行に移して欲しい。そう思います。

夫が育休をとるのが難しければ、まずはミルクあげるだけでもいい。
夫だけでなく、地域の人なら小さい子供づれに声をかけてあげるとかでもいい。

この動画を見て、小さいことでもいいから自分にできる行動して欲しいと思うのです。

そしていつか、夫婦二人で子育てするのがスタンダードになった世界でもう一度、ムーニーのCMを作り直して欲しい。
そのときは、もちろん男も女も育児しているCMです。

そうなったとき「その時間が、いつか宝物になる。」と心から思えるのではないでしょうか。

その時間が、いつか宝物になる。