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 ふるさと納税などによる減税(控除)の影響で、私立高校生がいる世帯を対象にした国や大阪府の補助金を本来より高額に支給しているケースが多いとみて、大阪府が対策の検討を始めた。府の試算によると、控除で見かけ上の世帯年収が最大200万円減り、国と府の補助額が本来より最大計38万円増える。ネット上には補助額を増やす指南サイトもあり、府は同様の問題を抱える国にも見直しを働きかけている。

 国は高校生がいる年収910万円未満(目安)の世帯を対象に「就学支援金制度」を設けている。大阪府は「授業料無償化」を掲げ、この国の制度に上乗せする形で私立高校生1人あたり年58万~約11万円を支給。今年度は全国最大規模の約195億円を投じている。府内在住で府内の私立高校に通う約7割(約6万人、2015年10月時点)が受給している。

 国や府の制度では、年収が多いほど補助額が減る仕組み。国や府は年収を直接把握できないため、市町村の課税証明書に記された、前年の所得に応じた住民税の課税額「所得割額」をもとに世帯年収を推定。その推定年収を目安に補助額を決めている。所得割額は、ふるさと納税や住宅ローン減税による控除額を差し引いた後の金額で、控除額が増えれば所得割額が減り、見かけ上の年収が減る。

 府の試算によると、年収980万円の世帯の場合、本来は補助の対象外だが、約15万円のふるさと納税をすると、見かけ上の年収が減り、38万円の補助が受けられるという。府幹部は「制度の本質がゆがめられ、問題だ」と話す。

 府は、多くの世帯で所得把握の…

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