メキシコの殺人 シリアに次ぐ2位 内戦状態と同じ水準

イギリスにあるシンクタンクが、去年1年間に内戦や武力抗争で犠牲になった人の数を世界の地域別にまとめたところ、激しい内戦が続くシリアに次いで、メキシコが2番目に多くなり、シンクタンクは「内戦状態などにある地域と、同じ水準で殺人が起こっているメキシコの状況は異常だ」と警鐘を鳴らしています。
イギリスのシンクタンク、国際戦略研究所のまとめによりますと、内戦や武力抗争によって犠牲になった市民や兵士の数は、去年1年間に世界で合わせて15万7000人に達し、激しい内戦が続くシリアが最も多い5万人と、全体のおよそ3分の1を占めました。

これに次いで、犠牲者が多かったのはメキシコで、その数は2万3000人に上り、治安が不安定なイラクやアフガニスタン、それにイエメンを上回りました。

これはメキシコで、麻薬戦争と呼ばれる政府と麻薬組織の対立や組織どうしの激しい抗争が続いているためで、国際戦略研究所は、こうした武力抗争に、一般市民や自治体の職員、それにジャーナリストなど、麻薬とは関係のない多くの人たちが巻き込まれていると分析しています。

そのうえで、「内戦状態などにある地域と同じ水準で殺人が起こっているメキシコの状況は異常だ。それにもかかわらず、国際社会からはほとんど注目されていない」と警鐘を鳴らしています。