今日は昼過ぎに起きると、昨日書いた三鳳でのコンビ打ち騒動の検証が各所で行われた結果、さらに事態が進展していた。

たぶん天鳳のコアなユーザーでは無い人にとっては、どうでもいいような内容になってしまうと思うけど、僕としてはものすごい衝撃だったので、そのことについて書きます。 





まず前回書いた通り、事の発端は、「三麻亭新緑」という十段に、どうやらおかしいぞ、と疑いが向けられたことが始まりだった。

というのも、「力ダル」「井伊」「m稲m」「WMC」その他いろいろな、5年も6年もずっと打っていなかったアカウントが突如同じ日に三鳳に現れて、三麻亭新緑と同卓し、そのうちほとんどで三麻亭新緑がトップを取り、牌譜の内容も決定的差し込みは無かったにせよ、同一人物と疑うに足るものだった。



そして各アカウント間での直接対決の結果が調べ上げられ、三麻亭新緑から見て1位と3位の割合が、56:8という、まずあり得ない結果が出て、ほぼ不正だろうという結論が出たようだし、僕もそう思った。

サイコロを振って5回連続1が出ても、まぁそういうこともあるかもな、程度だと思うけど、それが10回連続、15回連続となってくると疑惑が沸いてくるし、100回連続1が出たら、理論上起こり得るとは言ってもほとんど間違いなくイカサマですよね。


ここでの話は、そういう類の話。


僕も含めその資料を見た人で天鳳をやっている人なら、誰もが不正だろうと思うし、実際そうなんだろうけど、確実ではない。





ここまでが、昨日までの状況だった。

これだけでも古参の僕としては、井伊とかm稲mがまさかなぁ・・・と、結構衝撃だったことも昨日書いたけど、これだけでは終わらなかった。






今日になって、三麻亭新緑にポイント供給している10個以上のアカウントと、天鳳三麻でダントツの成績を誇る天鳳位「くうた」という人物の直接対決の結果が、ちょっと異常に偏っているんじゃないかという意見が出た。


このくうたという人物は、2000戦以上の安定段位が11段以上あり、ぶっちぎりのトップ(2位が9.07段、3位が9.06段、4位8.84段という僅差なのに対し、頭一つ抜けている)で、天鳳位よりも上があれば余裕で到達しているという、伝説的存在だった。




結構押すわりに放銃が少なく、他の強者に比べてよく鳴き、謎のツモ切りリーチや、リーチすべき場面でダマにしていたりと、かなり個性的な打ち筋だった。

それでも圧倒的な数字をたたき出しているものだから、凡人には理解できないだけで、くうたの打牌意図を理解することこそが三麻の答えだという説も多く、「くうたの牌譜を研究する」ということが、当時の三麻強者の間で流行っていた。



僕もくうたが現役で打っていた頃から天鳳をやっているので、自分にはどういう視点が欠けているのだろうか、あれだけの成績を残されたら、さすがに自分とくうたとの差は歴然で、何か学び取れることがあるはずだと思い、よく研究していた。



セオリーから外れているからこそ圧倒的成績を残せるわけで、ある程度一般化されたセオリーというのは、システマティックに選択をしやすくするための「妥協」を含んでいることが多くて、それに従うだけで充分強者にはなれるんだけど、くうたはもっと綿密な理論に基づいたプレイをしているからこそ、セオリーから外れているんだろうな、と考えていた。


そのくうたにしか見えていない世界を、どうにか解明して理解しようと、当時は多くの人が研究していたんですよね。





伝わるかどうか分からないけど、とにかくそれほどの、レジェンドクラスの人物なんです。 








で、今日の騒動に話を戻すけど、くうたとの直接対決結果が異常だという話に始まり、では実際に牌譜を検証してみようじゃないかという動きが起こった。

鳳凰卓での牌譜は全て公開されているので誰でも閲覧できるんだけど、そこで井伊やm稲mと同卓した時のゲームを検証してみても、直接的な差し込みやアシスト、見逃しなどという行為は、行われていなかった。




けれどもある人がさらに検証を続けた結果、観戦欄には表示されない上卓での牌譜に、あからさまに中抜きをして一発で差し込んでトップを取らせている牌譜がいくつも見つかり、さらに上卓200回中50回ほど同卓していた事実と、そのうちほとんどでくうたがトップを取っていたということも含め、完全にアウトだという結論が出た。








当然それほどの人物なので、「くうたの三鳳での牌譜は全部見ました」とかいう熱心なファンも多く、観戦者も多いため、鳳凰卓では目立ったことはやっていないけど、(上卓でのことがあるので)同一人物だという前提に立ってみると、非常に巧妙に、くうたに有利になるような立ち回りをしていることがわかる。


コイントスを10回やったとして、不正をすれば9回か10回表にできるところを、あえて6回にとどめているような感じですかね。例えるなら。

鳳凰卓なんてみんな上手い中で少しのバリューを奪い合っている状態なので、他人より1回多く表を出すことができれば、他を寄せ付けない圧倒的な成績となって現れる。







まぁでも、二人分の手牌が見えていたからこその独特な打ち筋だったということで、長年の謎が解けた気分でもあります。


くうたを除くと、3000戦以上の安定段トップが9段を少し超える程度なので、くうただけが本当に異常値だったんですよね。






今日までの流れとしてはそんな感じ。



前回も書いたとおり、昔から本気でやってる身としては、本当に切ない気持ちなります。


昔の三鳳で、井伊・くうた・僕、とかいう卓が立つと、「こいつら強いからやり辛いんだよな~」と思っていたんだけど、それどころでは無いほどのハンデを背負っていたことになる。

でも自分が不利益を受けたなんてことは正直どうでもよくて、ただ強いプレイヤーとして尊敬していた人が、公正に戦っていたわけではないことがわかって、悲しい気持ちという感じですね。







今日は起きてからはその件で天鳳界隈が騒然としていたので、流れを追ったり自分でも調べたりしていただけで、時間が過ぎていった。