外来植物「ナガミヒナゲシ」注意
オレンジ色の花を咲かせる「ナガミヒナゲシ」と呼ばれる外来植物が全国各地に生息の範囲を広げ、専門家は繁殖力が強く、在来種の成長に影響を及ぼす可能性があるため、必要に応じて取り除く必要があると指摘しています。
ナガミヒナゲシはケシ科の一種で、オレンジ色の花を咲かせる地中海沿岸が原産の外来植物です。
一つの実に1600粒ほどの種が入っていて、多い時には1つの個体から15万粒ほどの種を放出し、繁殖力が強いことで知られています。
東京農工大学大学院の藤井義晴教授によりますと、ナガミヒナゲシは国内では1961年、昭和36年に東京・世田谷区ではじめて発見されました。
その後、1980年代には西日本や九州に広がり、この10年で生息の範囲が全国各地に広がったのが確認されています。
背景には種子の直径が0.6ミリほどとほかの植物に比べて小さく、車のタイヤや靴底にくっついて運ばれやすく、道路沿いなどで繁殖しやすいことがあります。
ナガミヒナゲシは国の「特定外来生物」や「要注意外来生物」には指定されていませんが、ほかの植物の成長を抑える「アレロパシー活性」と呼ばれる作用があるため在来種などに影響を及ぼす可能性があります。
藤井教授は「栽培が許され花として楽しむこともできるが、農地や庭などに生育しているのを見つけたら必要に応じて取り除く必要がある」と話しています。