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症例のーと

医学部5年生になりました。ポリクリ実習中です。病気に関する本、実習で勉強したことを書いています。現在コツコツ書き直し中です。

フラジャイルに出てくる【病理医】って、実際どんなことをしているの?  術中迅速診断とは?

 

 

今週は、病理部(病理医がたくさんいるところ!)を実習でまわっています。

 

最近、ニュースで芦田愛菜ちゃんが、将来の夢は【病理医!】って言っているのを見たのですが、かなり驚きました。私が中学生のときは絶対知らなかったですもん笑

 

フラジャイル、でちょっぴり知名度が上がったのでしょうか?

でも、具体的には何をしている人なのか、こたえられる人は少ないのでは?と思います。

 

というわけで、今回は、まだまだ知られていない、

・病理医について

・病理医の先生がしている、手術に欠かせない術中迅速診断!

について、

今日は書いていこうかな、と思います。

 

 

【病理医って何してるの?】

最後の診断 (新潮文庫 ヘ 4-3)

最後の診断 (新潮文庫 ヘ 4-3)

 

 

主な仕事は、病気の診断をすることです!

顕微鏡で細胞を実際に見て、診断をしていきます。

 

 ※↑の本は病理医の先生が主人公の物語です。かなーり古い本ですが、興味ある方は読んでみると面白いと思います。

 

細かいことを書くと、

標本作り(手術中にとってきた検体(という名前の肉の塊‥がん組織など)をひたすら切って整理し、腫瘍の大きさなどを記録、染色などを行い、顕微鏡で見るためのスライドを作る)

診断(他の科の先生から「手術で摘出した組織なのだけど、これって悪性?癌なのかな?どこまで浸潤してるの?悪性度高いかな?手術でどこまで切った方がよい?判定よろしくね!」※実際はこんなにフランクではないです 

と書かれた文書を読みつつ、それに沿うように様々な染色を試したりガイドラインや本と顕微鏡とにらめっこしながら、報告書を作成していきます))

・カンファレンスでは、病理の立場から意見を述べる

研究して論文を書く(他の科より時間がとれるようで、研究されている先生が多い感じがします)

 

といった、お仕事をされています。

(標本を作るなどまだ単純な作業は、まだ経験の浅く若い先生が、診断や研究などは長年修行を積んだ先生がやっている感じがします)

 

 

病理医の良いところとして、先生方が口をそろえておっしゃるのが、『時間の融通が利くところ』です。なので、女性の先生方もかなり多いです。

 

病理の診断は早く診断しないといけない緊急のもの以外は、明日にまわす、といったこともできるそうです。他の科は患者さんに呼ばれたり、緊急事態があったら自分の時間がどうの…とか言ってられないですもんね。

 

ただ、結構作業が地味な感じなので、どちらかというと研究者向けの性格の人じゃないと厳しいのかなーって思います。

 

私も、一時期、病理医は考えていたのですが、やっぱり患者さんの顔を見て接することのできる科に進みたいかも、って考えているので笑(基礎研究の時に、病理ではないのですが、ひたすらこもって切片作ったり染色したり…という作業をする研究室にいて‥結構しんどかったので)

 

好みがわかれる職業かな。と思います!でも、病理医はそもそもかなり少ないし、癌などをきちんと診断するにあたり必ず必要でもあるし、これから求められる人材になるのは確か!なので、私は…芦田愛菜ちゃん応援します!!!

 

☆病理医不足は、田舎はホントに深刻です‥

www.huffingtonpost.jp

 

☆アメリカでは、病理医の地位はかなり高いそうです。 

参照:医学書院/週刊医学界新聞 【〔寄稿〕アメリカの病理学レジデントとは?(笹田寛子)】 (第2465号 2001年12月10日)

 

【術中迅速診断って?】

 

術中迅速診断とは、手術中に行う病理診断のことです。

術式(どういう手術にするか。どこまで摘出するか)の決定に必要です。

 

たとえば、

・とってきた切片の端っこにがん細胞などが見えた

・良性でなく悪性が疑われた

・リンパ節、血管などに転移が疑われた

などの場合、

部分摘出だった手術を変更して全摘出に切り替えたりします。

 

ここでは組織学的に、扁平上皮癌だ…とか、悪性度はどれくらいなのか評価…など時間をかけないとできない診断はすっ飛ばして、手術中に必要なことのみを評価して報告します。

 

術中迅速病理診断 - 術中迅速病理診断の概要 - Weblio辞書

この術中診断のためのスライドをつくる工程に、組織切片を凍らせるというのがあるのですが…、これ研究室いた時に私もやったことあるんですが、丁寧にやると気泡を入れないためにまず10分冷蔵庫において…液体窒素も早くやりすぎると気泡が入るのでゆっくり漬けて凍らせて…とかその後も、超!!!ちまちました工程がいるんですけど、全部すっ飛ばしてサッサッサ!とやっていました笑

 

丁寧にやると半日かかる工程が、ほんの5分くらいで 終わりました。

 

迅速診断で使用するスライドに質のよさとかは求められていないようです。顕微鏡で見ましたが、気泡入りまくりでしたもん笑 

 

 

‥ こうして素早く作られたスライドを、病理医の先生が見て、素早く的確にオペ室にいる先生に報告します。実際、先生のスライドを読んで診断する速さには驚嘆しました‥!

 

 

 

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フラジャイル DVD-BOX

フラジャイル DVD-BOX

 

 フラジャイルの先生も、最後の診断の先生も‥変わっていて我がかなり強い!て感じですが、実際は優しい先生が多いと思います。病理医の絶対数がまず少ないので、かわいがってもらえますしね。まあ数名はワオ!強い!!!という先生もいらっしゃらないことは…ないですけど。何科にいっても、その辺は同じなのかなとは思います。

 

今回は、病理医と迅速診断についてまとめてみましたが、あらためて勉強できてよかったです!

 

では(^^)/

 

 

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