東芝のロゴ(ロイター)

写真拡大

 経営再建中の東芝の社員が「泥舟から逃げ出せ!!」とばかりに、ゴールデンウイーク期間中に転職活動に精を出していたという。慣れない面接に四苦八苦する社員が続出したとか。もっと深刻なのは、“元一流企業”勤めの旦那に愛想をつかして離婚を決めた妻まで現れたというショッキングな話も聞こえてきた。

 東芝は3月期決算開示の事実上の期限である今月22日に、独自試算の事業概要を公表する検討に入ったことが8日、わかった。PwCあらた監査法人から決算は「適正」との意見をもらうめどが立たないため、通常の決算発表を見送る方向だ。

 監査法人の交代で適正意見を得たい東芝だが、後任探しは難航中。交代となれば、決算の大幅な遅れは不可避で、適正意見の付かない決算開示は上場維持に悪影響を及ぼす。7月には事業の分社化も控える。ニッチもサッチもいかない中で、大型連休を利用して多くの社員が転職活動に励んでいた。

 30代の社員Aさんは「4月下旬からGWの間まで5〜6社ほどの面接を受けた」と明かす。

「同僚と顔を合わせると『分社化で給料が下がる。下がらなくても、事業売却されたら未来はない』という暗い話ばかり。収入も期待できず、やりたい仕事ができる保証もないとなれば退職するしかない。私と同じ世代の社員の多くが転職活動を進めています」と語るのだ。

 GW中に回った企業で、同じく面接にやってきた東芝社員の姿を見つけたり、元同僚が働いていたり、笑えない状況を目の当たりにしたという。

 業績不振で「給料は約20%カットされた」というが、面接官から「あなたの収入は同業社より高水準」と指摘されたという。Aさんは「僕らの給料も会社を圧迫してたのか…」と複雑な気持ちになりながら、かろうじて内定をもらえた企業の条件に頭を悩ませている。

 別の社員Bさんも転職活動に挑戦中だが難航している。

「卒業した大学院の研究室から推薦枠で入社したので、まともな就職活動は未経験。面接らしい面接を連休で初めて受けたけど、うまくいかずに落ちてしまって…」。初めての挫折を体験している社員は多いそうだ。

 出て行く社員がいる一方、東芝に入ってくる若者も様変わりした。

「インターンシップで来る学生の質が低下していると話題です。とりあえず、名前だけは有名だから来たという感じで。新卒採用も少ないし、20〜30代の層が転職で抜けて、それ以上の世代の高給取りばかり残る。これからどうなるのか」(社員Cさん)

 連休明けの職場では「オマエも受けたのか?」という会話がそこここで交わされていたという。

 一流企業勤めの旦那さまを狙って結婚した妻たちの反応も敏感だ。

「まだ子供もいないし、離婚しようと考えてる。子供もいて家も買った家庭は悲惨ですよ」(東芝社員の妻)という声も聞こえてきた。

「こんなハズじゃなかった」(Aさん)というのは全社員の本音だろうか。