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 安倍晋三首相は9日夜に発表したコメントで「北朝鮮問題への対応をはじめ、日韓両国は共通の課題に直面しており、両国が協力することで地域の平和と繁栄に一層貢献できる」と強調した。だが二国間の課題は山積しており、関係改善の行方は不透明だ。

■「慰安婦合意」再交渉も

 「対日政策でどういう姿勢を示すか、まだ何とも言えない」。外務省幹部は文在寅(ムンジェイン)氏の政権運営について、こう漏らす。

 日本政府は1月、釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する少女像が設置されたことへの対抗措置として、長嶺安政・駐韓大使を一時帰国させた。日本の求める少女像の撤去が実現しない中、4月に長嶺氏は帰任。慰安婦問題の解決をうたう日韓合意の履行を韓国側に働きかけるためにも、「本命」文氏とのパイプ作りが急務だった。

 文氏は合意について、元慰安婦の考えが反映されていないなどと一貫して批判してきた。外交ブレーンの金基正(キムギジョン)・延世大教授は4月中旬、合意に至った経緯を検証する意向を表明。「再交渉するか、再交渉という言葉を使わず後続措置で問題を解決していくのかを決定することになる」と述べ、日本側に新たな対応を求める可能性を示唆した。韓国世論も多数が合意に否定的で、文氏が再交渉を求めなければ批判を浴びかねない情勢だ。

 一方の安倍政権にとって、慰安…

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