遺品整理や形見分けを行うタイミングと形見分けのやり方
| 相続対策・終活
Contents
形見分けとは
お葬式が終わり、少し落ち着いた頃に故人の遺品整理を行います。
この時に故人の大切にしていた品や思い出の品を誰かに使ってもらいたい、思い出を共有したい、といった想いから行われるのが「形見分け」です。
この形見分けは親族や仲の良かった友人などで故人を偲んで行われる事が多いです。
しかし形見分けをめぐってトラブルになるケースもあるため、形見分けを行う際はタイミングや方法に気を付けましょう。
遺品整理を行うタイミングは?
故人の遺品整理をするタイミングには日にちなどの特別な決まりはなく、各家庭によってそれぞれ異なります。
一般的に、亡くなられた直後は葬儀や告別式を行うための準備などで慌しくなるため、タイミングとしてはこれらの法要が全て終わって気持ちが落ち着いてからが望ましいです。
この時に故人の住まいが分譲住宅であれば問題はありませんが、賃貸物件に住んでいた場合は家賃等の支払いの関係上、可能な限り早めに行う方が得策といえます。
形見分けを行うタイミングは?
一方で形見分けを行うタイミングですが、こちらは故人の私物を親族で分ける必要があります。
親族が遠方に住んでいて頻繁に集まることが難しい状況であれば、(故人が信仰していた宗教が仏教であった場合には)四十九日の法要(法事)のタイミング、(故人が信仰していた宗教が神式であれば)五十日祭、三十日祭の法要(法事)のタイミングがおすすめです。
キリスト教を信仰していた場合は形見分けというしきたりはないものの、日本では1ヵ月命日である追悼ミサに行われる事が多いようです。
親族が集まる日までに遺品整理を済ませておく事で、当日スムーズに形見分けを行う事ができます。
しかしこれはあくまで一例で、時間をかけてゆっくりと遺品の整理を行いたいと考えているのであれば急ぐ必要はありません。
遺品整理のやり方は?
次に遺品整理のやり方についてですが、主な方法としては形見分けやリサイクルショップの利用、不用品としての処分などがあげられます。
形見分けについては、以前は目上の人の物を親族で分け合う事は失礼な行為として避けていた方もいましたが、現在では故人の生きた証を形見分けによってそれぞれの親族の手元に置いておくのが良いという風潮になってきています。
しかし、故人の遺品をどうするかはその家庭により様々で意見が分かれるところです。
遺品を形見分けしても、どうしても引き取り手のなかった電化製品や家具などが出てくる可能性があります。
そういった日常生活で使用していた食器や家具といった物はリサイクルショップに持ち込むと買取をしてくれます。
冷蔵庫などの電化製品はリサイクルが義務付けられているので、一般のゴミとして出す事はできません。
そのため家電量販店にリサイクル費用を支払って処分を依頼するよりもこういったお店を利用されるのもお勧めです。
価値のわからない絵画や骨董品はどうすればいい?
遺品の中には故人が趣味で集めた骨董品など、一般の人には価値のわからないものが含まれているケースも少なくありません。
こういった価値のわからないものはむやみに処分するのではなく、古美術品を専門に扱っている店に鑑定を依頼するといいでしょう。
形見分けの時に注意した方がいい事は?
最後に形見分けをする際の注意点です。
①贈与税がかかる場合もある
形見分けをした遺品もに、贈与税が課税される場合があります。
贈与税は贈与を受けた金額が年間に110万円までは非課税として扱われますが、それを超えると税金を支払う事になります。
親族や仲の良かった人に良かれと思って故人の遺品を渡す事で、渡された方は税金の支払いをしなければならなくなり、逆に迷惑をかけてしまうケースもあります。
形見分けをする際は遺品が高価なものでないかを最初に把握しましょう。
②遺品を無理に押し付けない
遺品は故人の大切にしていた品や思い出の品が多く、これらを故人とゆかりのある親しい人に持っていて欲しいと思うのは自然な事だと言えます。
しかし、もらう方は遺品を欲しいとは思っていない人も中にはいるかもしれません。
使い古した品であったり、型落ちした電化製品であったり、大きすぎる家具であったり、そういった物は誰もが欲しがる物とは言いがたい品です。
それを「故人が大切にしていた物だから取っておいて!」と無理に押し付けるのはやめましょう。
③形見分けの品に包装はしない
形見分けの品には包装(ラッピング)は必要ありません。
形見分けは贈り物ではないため、水引きはかけず、そのまま手渡しが望ましいでしょう。
中身を包みたい場合は半紙などの白い紙で包み、「遺品」「偲び草」などと表書きして直接渡しましょう。
形見分けで遺品を渡す相手が遠方にいる場合は郵送でも失礼ではありません。
郵送するのに必要最低限の包装をして、それとは別に挨拶状を出すようにして下さい。
形見分けでトラブルにならないために
一般的には故人の身に付けていた服や趣味で集めた愛用品などを親族間で分けますが、誰がどの形見を貰うかについて揉めるといった事は珍しい話ではありません。
故人が遺言書を残していて、そこに分配についての記載がされていれば問題はありませんが、遺言書がない場合は故人と血縁関係が濃い順番に貴重品を分けていくといった方法を取ることで、無用なトラブルを避ける事ができます。
その他にも、遺品整理や形見分けの際に参加する人数が多くなるほど分配についてのトラブルも起こりやすくなるため、あまり大々的に公表せずにひっそりと済ませる事も重要と言えます。