「広島・長崎訪れた日本人として軍縮に取り組む」

「広島・長崎訪れた日本人として軍縮に取り組む」
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日本人女性として初めて国連の軍縮部門のトップに就任した中満泉氏が、9日、NHKのインタビューに応じ、「小学生のときに広島と長崎を訪れた日本人の私は、ほかの国連職員よりもさらに大きなモチベーションを持って軍縮に取り組めると思う」と決意を述べました。
今月1日に国連の軍縮部門のトップ「軍縮担当上級代表」に就任した中満氏は、9日、NPT=核拡散防止条約の5年に一度の再検討に向けた準備委員会の会合が開かれているオーストリアのウィーンでNHKのインタビューに応じました。

中満氏は「世界の安全保障の環境は非常に厳しくなっている。しかし緊張関係が高まっているときこそ核軍縮に取り組むべきだ」と述べました。そして、「小学生のときに広島と長崎を訪れた日本人の私は、ほかの国連職員よりもさらに大きなモチベーションを持って軍縮に取り組めると思う。核兵器を無くすという人類共通の課題に向けて現実を見失うことなく国連としての役割をしっかり果たしていきたい」と決意を述べました。

一方、中満氏は核兵器の非保有国が中心となって核兵器を法的に禁止する新たな条約の制定に向けて交渉が進められていることについて、「条約はNPTと整合性が取れる形で作るべきだ。世界のほとんどの国が参加しているNPTは、核軍縮を進めていくためのすべての体制の基礎だ」と述べ、保有国とともにNPTのもとで話し合うことが核軍縮の実現に向けた現実的な道筋だと強調しました。