映画を見たりテレビを見たりするときに、どんなイヤホンやヘッドホンをお使いでしょうか。
どれでも同じだろ──なんて言われることもありますが、そんなことありません。
むしろ、まったく違います!(マニア特有の力の入れ具合)
高域が得意なものもあれば、低域が得意なものもあります。
声を美しく聞かせてくれるものもあれば、声が硬く乾いてしまっているものもあります。
この記事では、より多くの人のニーズに答えられるよう、色々な種類のヘッドホンを紹介できればと考えました。
以下──、
・ワイヤレス&サラウンド機能付きのヘッドホン
・装着感&音質重視のヘッドホン、イヤホン(タイプ別)
という順で紹介していきたいと思っています。
■ おすすめのワイヤレス&サラウンドヘッドホン
5.1ch、7.1ch、9.1chなどのサラウンド再生は、それに適したヘッドホンや再生機器が必要です。しかし、サラウンドが再生できるからといって、そもそもの音質や快適性が悪いのはよくありません。
オススメできるものは絞られます。
◎ パナソニック 密閉型ワイヤレスヘッドホン ブラック RP-WF7
◎ SONY 9.1chデジタルサラウンドヘッドホンシステム MDR-HW700DS
これら二機種はどのサイトでも評価平均が高く、実際定番機種とされています。
(サラウンドやワイヤレスなどの、少々込み入ったヘッドホンでは、定番であることはものすごく大事です。トラブルが起きた時、その対処法が検索をかければ見つかるのですから!)
RP-WF7は2012年12月の発売。価格的にもこなれてきています。一万円を少し超える価格で、7.1chのサラウンドがワイヤレスで楽しめます。
MDR-HW7000DSは、ソニーの高級機。まだ少々お高い感じですが、9.1chに対応し、しかも自動的に他機器からの干渉を回避するなど性能が高いです。
購入の前には、カスタマーレビューなどを見て、良点でなく、弱点なども理解しておく方がいいかもですね。
■ 装着感&音質の良いヘッドホン、イヤホン(タイプ別)
□ おすすめのヘッドホン(密閉型)
密閉型ヘッドホンとは、耳を覆うハウジングに穴がなく、音漏れのない機種です。
その為、装着時に視聴している内容が漏れることはありませんが、音抜けが悪くなったり、こもっているように感じたり、反響がひどかったり、低音過多になったりする場合があります。ここで紹介している機種は上質なものばかりなので心配は無用ですが、低価格帯のものを買うときはご注意ください。
◆ 【高域の美しさに秀でる名品】 AKG K550 mk2 : 高域の美しさと自然な音に定評があるAKGの密閉型。装着感は最高級で、ふわふわしたパッドが優しく耳を包み込む。中高域寄りの高解像度。女性ボーカル向けの機種と言われているだけあり、中域から高域にかけて綺麗に聞こえる。ただし、低音は薄めで、アクション映画などを見るときに迫力に欠ける可能性も。密閉型なのに篭り感はあまり感じられない。クラシックの視聴にも合う。特にピアノ。
AKG K550MKII 密閉型ヘッドホン 新世代50mm径ダイナミックドライバー採用 リファレンス(高解像度・高音質)クラス ブラック K550MKIIBLK【国内正規品】
- 出版社/メーカー: AKG
- 発売日: 2015/12/10
- メディア: エレクトロニクス
◆ 【低域の迫力とふわふわパッド】 Sony MDR-1A : 国内有数の音響巨大企業SONY。そのミドルクラスの主力として発売されたのがこちらSony MDR-1A。音質だけでなく装着感にこだわったようで、柔らかふわふわパッドがつけられている。音質は中低域寄り。バランスが良く、その上で迫力がある。特にこだわりがなければ、ふわふわパッド目当てで買うのもあり。装着感は重要。
ソニー SONY ヘッドホン ハイレゾ対応 密閉型 折りたたみ式 ケーブル着脱式/バランス接続対応 リモコン・マイク付き/ハンズフリー通話可能 ブラック MDR-1A B
- 出版社/メーカー: ソニー
- 発売日: 2014/10/24
- メディア: エレクトロニクス
◆ 【刺激的な高域と迫力ある低域】 Denon AH-D600 : 老舗DENONの名機。耳を完全に覆うオーバーヘッド型で、音場の広さと音自体の立体感が素晴らしい。刺激的な高域に迫力ある低域。高解像度。ものすごく美音。ただし声の再生には癖がある。元は五万円で販売されていたのに、今や二万円台で買える。BGMや効果音にこだわった字幕映画にオススメ。他にも、EDMやゲームのBGMを鳴らすのが得意。クラシックやジャズなど、声のついたものがあまりないジャンル専用機としては格別のコストパフォーマンス。オススメだけど、特徴が有りすぎる機種なので、カスタマーレビュー(DENON AH-D600)などで他のユーザーのレビューを見ておくのが良いかも。
DENON デノン ヘッドホン 密閉型オーバーヘッドハイレゾ対応 リケーブル対応 ブラック AH-D600EM
- 出版社/メーカー: デノン
- 発売日: 2012/08/06
- メディア: エレクトロニクス
□ おすすめのヘッドホン(開放型)
開放型ヘッドホンとは、ハウジングに音抜けのための穴が空いている機種です。
名前の通り開放的な音になることが多く、音場も広く感じられるものが多いです。
響きは自然で、こもり感もないものが多いのですが、音が漏れるため、隣の部屋には聞かせられないものを見る場合には使わないほうが良いです。
とはいえ、そこまで大きな音でもれることもないので、大抵は大丈夫……と言いたいのですが、盛大に漏れる機種もありますし、壁が薄いと漏れが小さくても聞こえる場合があるので、気になる場合は密閉型をおすすめします。
◆ 【自然なつけ心地と開放感】 Sony MDRMA900 : ソニーが「マルチメディア向けヘッドホン」として作った機種。つけ心地と開放感は最高級。フルオープン型を名乗るだけ有り、ものすごく音漏れする。が、それは同時に電話やチャイムの音にも気付けるということ。音はナチュラル系。刺激や迫力は無いが、ヘッドホンを付けていることを忘れるほど。というか軽い。トータルの装着感は素晴らしく良い。音質評価よりも使いやすさでヘッドホンを選ぶ、という意見がわかってしまう機種。
◆ 【自然さと迫力が同居する名機】 Philips Fidelio X2 : 高域の綺麗さと低域の迫力を兼ね備えた名機。人の声も近く、ボーカル機としても有名。開放型の中では普通くらいの音漏れがあるが、同時に電話の音やチャイムも聞こえる。ヘッドホンとしては重い方だが、つけてみると重さは感じない。高級感溢れるデザイン。ベロアなイヤーパッドが心地よい。非ワイアレスタイプでは、この記事一番のオススメ。
PHILIPS ヘッドホン Fidelioシリーズ オープン型/オーバーイヤー/ハイレゾ音源対応 ブラック X2【国内正規品】
- 出版社/メーカー: Philips
- 発売日: 2014/12/19
- メディア: エレクトロニクス
□ おすすめのヘッドホン(セミオープン型)
セミオープン型とは、密閉型と開放型のいいとこ取りを目指した機種で、音抜けの良さと音漏れの少なさを両立させるために、小さな穴が空いている機種です。
爆音で聴かない限りは大丈夫ですので、密閉型とあまり変わらない感覚で選んで頂いても大丈夫です。
◆ 【瑞々しい音を鳴らす木製ハウジング】 Kinden WE-BK8 : 一万円前後で買える木製ハウジングのヘッドホン。その外見からは想像もつかない瑞々しい音を鳴らす。中高域に迫力があり、勢いのあるボーカルものが大の得意。ただし、静かな曲や落ち着いた曲も力強く聞こえてしまうので、せつないシーンや悲しいシーンに合わない場合も。音質だけで述べるならものすごいコストパフォーマンス。普通、一万円前後でこの音は手に入らない。密閉型として販売されているが、こっそり上部に穴がある。といっても、音漏れはほとんど無い。
◆ 【全能力が高いスーパー優等生】 FOSTEX T50RP mk3n : 平面駆動型という特殊なドライバを使っているセミオープン型のヘッドホン。高域から低域まで余裕のある鳴らし方をする。音はナチュラル系。高域は伸び、低域には強さがある。音場が広いのに声が近いという、声をメインに聴く人にとっては夢のような機種。弱点はインピーダンスの高さ。若干音量が取りにくい。また標準パットが薄めで、装着感が良いとは言えない。ケーブルの接触の悪さもマイナス。だが、それらの欠点を考慮しても、音質を含めた基礎能力の高さはこの価格帯では突き抜けている。一万円台のヘッドホンの中ではコスパ最強クラス。力強くオススメ。
□ おすすめの耳掛け型ヘッドホン
耳掛け型ヘッドホンとは、耳にかけるタイプのものを言います。
密閉型であっても音が漏れるため、人に聴かれたくない内容のものを見るには注意が必要です。
◆ 【最高級の耳掛けヘッドホン】 Audio Technica ATH-EW9 : 耳掛けヘッドホンの最高級。耳掛け型の中では装着感が抜群によく、耳が痛くなることもないし、重さも感じない。高音質。同価格帯の普通のヘッドホンと比較しても、ぬくもりのあるいい音を鳴らす。ハウジングの中で鳴っている感のあるヘッドホンや、頭の中で鳴っている感じがするイヤホンとは違い、このATH-EW9は本当に近くで人が話している感じがする。耳掛けヘッドホン好きなら是非入手して欲しい名機。カスタマーレビュー(Audio Technica ATH-EW9)の書き込みが熱いです。
audio-technica W Series 密閉型オンイヤーヘッドホン 耳掛け式 ATH-EW9
- 出版社/メーカー: オーディオテクニカ
- 発売日: 2003/11/21
- メディア: エレクトロニクス
□ おすすめのイヤホン(カナル型)
カナル型は音漏れの少ないイヤホンです。
イヤーチップの部分を耳の中に入れるように装着します。
ヘッドホンと同じく、音漏れがない代わりに、こもり感があるものが多いです。(今回紹介している機種の音抜けは良いです)
通勤通学用としても兼用される方は、こちらのカテゴリからお選びください。
◆ 【自然な声を聞かせてくれる人気機種】 Onkyo E700M : 自然な音を鳴らす人気機種。2016年初め頃、価格ドットコムにて売上、注目度、満足度の三冠を維持。セミオープン型だが、音漏れはほぼない。声の再生が得意で、ナチュラルな音が耳に届く。アニメや声付きのゲームをメインにする人は特にオススメ。
ONKYO カナル型イヤホン セミオープン/ハイレゾ音源対応/コントロールマイク付 ブラック E700MB
- 出版社/メーカー: オンキヨー
- 発売日: 2015/11/30
- メディア: エレクトロニクス
◆ 【BA型の定番】 Final Heaven IV : 中高域が得意なバランスド・アーマチュア型(BA型)のイヤホン。まろやかな音も刺激的な音も得意。凄くバランスの良い機種。ボーカル系が得意と言われ、シングルタイプのBA型を探しているときのベストチョイスの一つ。デザインも良い。
□ おすすめのイヤホン(インナーイヤー型)
インナーイヤー型イヤホンはオープン型(開放型)イヤホンと呼ばれることも多いです。
耳に引っ掛ける感じで装着します。(時々、耳の中に入らないので★一つです、的なこちらが赤面しちゃうようなレビューを見かけます……)
音抜けがよく、自然な音になるため、音自体は凄く良いのですが、耳掛け型ヘッドホンと同じく、少しだけ音漏れがします。とは言え、インナーイヤー型イヤホンの漏れ具合は少なめで、爆音でなければ隣の部屋に聞こえるようなものではありません。
とは言え、絶対に聴かれたくない内容の場合や、通勤通学の電車内で使う場合は、カナル型をおすすめします。(流石に近くに立っていると内容を聞かれる可能性が高いですので)
◆ 【インナーイヤー型の超定番】 Creative Aurvana Air : インナーイヤー型の超定番機種。解像度の高い自然な音。クリア系でさらさら音質。なのに低域の迫力もきちんとある。声も近く、聞きやすい。カナル型イヤホン特有の圧迫感もなく、ヘッドホンらしい重さもないインナーイヤー型は、ハッキリ言って楽。もっと多くの人に広まってほしい。もし、イヤーフックが邪魔ならペンチか何かでぱちりとやってしまうのも有り。
■ 最後に
いやー……いいヘッドホン、イヤホンで聴く&見るテレビと映画は最高なんですよ!
甘い声に響く歌声。
迫力ある音響に、性能が高いゆえに表現できる静謐──。
色々なヘッドホン、イヤホンをとっかえひっかえし、それぞれの個性を引き出しながら、堪能しまくっちゃってます!
みなさんそれぞれの理想に出会えると最高ですね!
では、素敵なテレビ&映画ライフを──!