「ポータブック」でOSアップデートの死闘、2万円のPCに文句は言えないが...:週刊モバイル通信 石野純也
残容量2GBからのクリエイターズアップデート
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Engagdet編集部のIttousai氏にWindows Updateがなかなか終わらない場面を目撃され、イジられたりはしたものの、費用対効果を考えると、満足度はそこそこ高いマシンでした(過去形)。そう、アップデートを試すまでは。
関連:変形キーボードPC「PORTABOOK」──2週間使った筆者の、偽らざる印象取材先で紙のメモやスマホを使う記者たちを横目に、驚くほどコンパクトなモバイルノートPortaBookを颯爽と取り出し、永遠に終わらないWindowsアップデートを眺める超一流ジャーナリスト石野氏 @june_ya
— Ittousai🎮EngadgetJP (@Ittousai_ej) 2017年4月20日
ゴールデンウィークにまとめて休暇を取れたので、日々仕事で使う道具をメンテナンスしようと思ったのが、そもそものきっかけ。4月にリリースされたWindows 10のCreators Updateをインストールしてみようと思い立ち、まずはWindows Updateを試してみました。が、当然のように、自動配信はされていません。そこで、まずは「更新アシスタント」をダウンロード。そのまま、アップデートをかけてみました。
更新アシスタントからアップデートを実行
ところがというか、案の定というか、やはりアップデートは一筋縄ではいきませんでした。理由は、言わずもがなの容量不足。Googleドライブで進行中の原稿や画像を丸ごと同期していたり、Office 2016をインストールしていることもあって、残量はわずか2GB強。アップデートに必要な容量は8GB以上のため、さすがにこれでは無理かと思い、まずは「ディスククリーンアップ」を実行しました。
容量不足でアップデートできず、ディスククリーンアップを実行
ただ、元々容量不足で悩まされていたこともあり、ディスククリーンアップはすでに何度も実行済み。結果、容量が増えるどころか、なぜか減る羽目になってしまいました。アプリのインストールし直しは面倒だなぁと思い、トライしてみたのがドライブの圧縮。
この機能、歴代Windowsに搭載されていましたが、実は使ったのは初めてです。完了まで4時間強と表示されたのでしばし放置。その後、残量を見てみましたが、5.8GBと、アップデートに必要な8GBにはまだまだ足りません。
ドライブを圧縮しても8GBには届かず
ちょっと詰みつつある......と思いつつ、ここから泥沼にはまっていきました。まずは足りないぶんを補おうと、Office 2016を削除。これで、容量は必要最低限の8GBに達しました。更新アシスタントを起動してみたところ、要件のチェックはパスするため、そのままアップデートをかけてみます。
サイズの大きいOffice 2016を削除したところ、アップデートが可能に
あとは、アップデートに必要なファイルをダウンロードして、自動的にPORTABOOKに適用されていくを見ているだけです。本来は。更新中が終わりかけたころ、「問題が発生しました」とのメッセージが表示されます。何のエラーだろうと思い、エラーコードを検索してみたところ、「0x80070070」は容量が足りないことを示しているとことが発覚。
「さっき、OKって言ってたじゃん」と目の前のPORTABOOKにツッコミを入れつつ、再度同じ手順を繰り返します。
突然、アップデートに問題が発生
その後、10回ぐらい同じ操作を繰り返したでしょうか。細かくファイルを削除したり、もういいやとあきらめGoogleドライブとの同期を切ったりと、その間PORTABOOKの中身はどんどん空っぽになっていきますが、一向にアップデートに成功する気配がありません。背面に挿しているUSBメモリを仮想ドライブにしてデータを移すなど、一通りのことは試してみました。
USBメモリをVHDにしてデータを移すなどしてみた
結果として、何度かアップデート直前まで進むことができました。「更新プログラムの準備ができました〜再起動する必要があります」というメッセージが表示された際には、「これで終わりか」とホッとしたものです。ただ、これでアップデートが正常に終了することは1回もありませんでした。
ある程度までアップデートがかかった段階で、いきなりWindowsが起動し、ログインしてみると前の状態のまま。そもそも更新の準備ができるまでに何度かのトライが必要で、うまくいっても、更新中に毎回別の場所でつまずくという心が折れそうなループに突入してしまいます。
やっと更新の準備ができたものの
以降、何度試してもアップデートは成功しませんでした。あれだけこだわっていたデータの引き継ぎもあきらめ、いったんWindowsを初期化しても、上書きアップデートだと結果は同じ。さすがに、これは無理だと思い、メインのPCでWindows 10用の「メディア作成ツール」を実行し、USBメモリからクリーンインストールを試みることにしました。
まだ延々とインストールを続けている最中で、一晩で終わるのかどうか怪しい感じではありますが、さすがに、これで失敗はしないだろう......と思って本稿を執筆し終えた矢先に、Creators Updateが利用可能になりました。
メディア作成ツールでクリーンインストール
結論として挙げておきたいのは、スペックがギリギリのPCでは、無理にアップデートするのはやめておいた方が快適度が高いということ。Anniversary Updateの状態でも用途限定PCとしては大きな不満はなかったため、焦ってCreators Updateにする必要はなかったかもしれません。
また、マイクロソフトの更新アシスタントも、もう少し改善が必要だと感じました。特に容量不足が後から発覚するというユーザーインターフェイスは、お世辞にもユーザーフレンドリーとは言えません。最低要件ギリギリのPCで、きちんとテストしたんでしょうか......。
以前の連載でも指摘したとおり、PORTABOOKはストレージの少なさがネックで、これによって一気にハードルが高いマシンになっています。せめて、これが64GBあれば、もう少しトラブルも減り、実用的なマシンになったのにと思います。2万円で買ったPCにあまり文句を言いたくはありませんが、失ったほぼ丸2日の時間はプライスレス。PORTABOOKに限らず、低スペックなPCにCreators Updateをインストールする際は、注意した方がよさそう