村上潤治
2017年5月10日08時05分
堺市の大衆食堂「銀シャリ屋ゲコ亭」で半世紀ご飯を炊き続け、請われて中国に渡った村嶋孟(つとむ)さん(86)が、堺へ帰ってきた。「中国での経験で飯炊きの眼(め)がさらに開いた。天の恵みと農家の苦労をおわんに詰めた銀シャリを炊き続けたい」となおも意気盛んだ。
村嶋さんは、海外製品を研究する中国商務省の機関に招かれて、飯炊きの技術を伝える3年契約を結び、昨年5月に家族3人で北京に移住。今後は、要請があるたびに訪中する。
堺でゲコ亭を開いたのは東京五輪前年の1963年。かまどで炊きたての米にこだわった。容姿から「飯炊き仙人」の愛称で親しまれ、全国からファンが訪れた。2013年に店を飲食チェーンに引き継いだ後も厨房(ちゅうぼう)に立ち続けた。
転機は昨年2月。爆買いで大阪…
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朝日新聞社会部