【ソウル＝山田健一】韓国の第19代大統領に最大野党「共に民主党」の文在寅（ムン・ジェイン、64）氏が10日就任した。中央選挙管理委員会が同日、９日に投票が行われた大統領選での文氏の当選を認定した。２代続いた保守政権から９年ぶりに革新政権が誕生した。任期は５年。
選管によると、文氏の得票率は41.08％。保守系の旧与党「自由韓国党」の洪準杓（ホン・ジュンピョ）氏が２位で24.03％、中道系野党「国民の党」の安哲秀（アン・チョルス）氏が21.41％で３位だった。投票率（暫定値）は77.2％で、前回（2012年）の75.8％を上回った。
文氏は弁護士出身で、盧武鉉（ノ・ムヒョン）政権で秘書室長などを務めた。かねて北朝鮮には融和的な姿勢を示している。核実験や弾道ミサイル発射など軍事挑発を繰り返す北朝鮮の封じ込めへ圧力路線をとる米国や日本とは温度差がある。中国を含めた関係国とどう連携するかが外交面での当面の課題となる。