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今回は「肝臓の働き」のご案内です。
肝臓は体内の臓器のなかで、いちばん大きく重量は成人男性で1000~1500g、成人女性では900~1300gで、体重の約2%にもなります。
その位置は、中央より右のおなかの上の、横隔膜のすぐ下にあり、ほとんどの部分が右助骨の下に隠れています。
肝臓は右葉と左葉の二葉にわかれ、その中央部には、門脈といわれる腸で吸収された栄養分(脂肪以外)を肝臓へ運ぶ管や胆汁が通る総胆管、また、肝動脈などが集まっています。
肝臓の働き
肝臓の働きは次のとおりです。
①タンパク質、炭水化物、脂肪などの成分を代謝するうえで、重要な働きをしています。
腸管で吸収された栄養分は、門脈という管を通って、肝臓に入りここで処理されます。
たとえば、脂肪の成分である脂肪酸、タンパク質やブドウ糖の成分であるアミノ酸、などをグリコーゲンとして蓄え、必要に応じて血液中に送り出しています。
②各種ビタミンの宝庫
ビタミンA、B1・B2・B6・B12、Dや、パントテン酸、ビタミンニコチン酸、などを蓄えています。
③ホルモンとの関係
脳下垂体の前部にある、前葉と呼ばれる部分では尿量を増やすホルモン、後葉部では尿量を減らすホルモンが出ています。
肝臓では、この後葉から出る、尿量を減らすホルモンを破壊する働きもあります。
肝臓の働きが悪くなると、この尿量を減らす作用のあるホルモンが増加して、尿の量が減少します。
④解毒作用
アルコールや薬、老廃物などの体に有害な物質を分解処理し、体に影響を与えないように働きます。
アンモニアを尿素に変えるのも肝臓の役目ですが、肝不全になると解毒能が著しく低下し、血中のアンモニアが増えて、肝性昏睡を起こす場合もあります。
⑤血液との関係
出血したとき、血液が固まって血が止まるのは、血液中の線維素原(フィブリノーゲン)が線維素(フィブリン)に変えられるからで、これに必要なのは、トロンビンといわれるものです。
このトロンビンは、肝臓でビタミンKの作用によってつくられる、一種のタンパク質です。
そのため肝臓の働きがが悪くなると、トロンビンがつくられず、止血しにくくなったり、出血しやすくなります。
⑥胆汁の生成・分泌
胆汁は、肝臓でつくられた老廃物を流す役割や、脂肪の消化吸収を促す消化液でもあります。
肝臓でつくられる胆汁は、胆管によって肝臓の外へ出て、胆嚢に一旦ためられて濃縮され、必要時に胆汁を出すようになっています。
以上が「肝臓の働き」についてでした。
少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。