感情が起こるメカニズム
近年の科学の飛躍的な進化のおかげで、私達の感情はどのようにして起こるのかが少しづつ解明されてきました。
時代が進むにつれて新しいことがわかっていくのは本当に楽しいですね。
感情がどのようにして生まれ、どのようにして消えていくのかが分かれば、新たな観点から感情と向き合えるようになります。
仕事をしていると、やる気が満ちて高い生産性を生み出す瞬間もあれば、無気力に襲われ、何をするにも億劫になるときもあると思います。
だからといってこっそりとサボることを許す会社は少ないでしょう。
社長に取り入る悪い秘書でもない限りはですが。
感情が作られる基本的なメカニズムを理解するには「ブリーフシステム」について理解する必要があります。
ブリーフシステム
私たちの世界観は側頭葉にある記憶と前頭前野にあるブリーフシステム(認識パターン)の組合せにより生まれています。
ブリーフシステムとは、「自分はこういう人間だ」「世界はこうなっている」など、個々が信じて疑わない固定的な思考、すなわち信念のことで、あらゆる事象の判断基準となります。
「世界平和を実現したい」」「弱いものは守らねばならない」という社会的に良しとされる思考だけでなく「あいつは肌の色が自分達と違うから差別されるべきだ」「この世は金が全てだ」といった差別的、自己中心的な思想も信念です。
こういった信念は自我を作る際のパーツとなり、自分の世界を形作る内部表現とも言えます。
感情を生む脳の情報処理プロセス
多くの場合感情がには脳の古い部分(大脳辺縁系)の扁桃体と、それにくっついている海馬が深く関わっています。
海馬は数時間から数日の短期記憶の一時的な保存を行うと同時に、側頭葉から入っている長期記憶の出し入れをする扉の役割を果たしています。
外から入ってきた情報と記憶を照らし合わせるときも海馬が関わってきます。
扁桃体には、海馬に働きかけ、出し入れする記憶を増幅させたり弱めたりする機能があり、脳内のあらゆる部位とやりとりし、情報処理の中心的な役割をを担っています。
目や耳などを通して入ってきた情報は、海馬の働きで側頭葉の記憶と照らし合わされます。
この時の情報は現実世界の刺激である必要はありません。
なぜなら映画や小説などのストーリーを頭の中で想像したときに現実におこったことのように臨場感を感じれば脳にとっては同じことだからです。
催眠術師が存在しないはずの痛みや悲しみを生み出すことができるのはこの仕組みのためです。
側頭葉の記憶と照らしあわされた情報は、プラスもしくはマイナスのものとして処理されます。(ポジティブやネガティブなど)
さらにここから、視床、腹側被蓋野、島皮質、側坐核、ブリーフシステムが入っている前頭前野と連携して情報が評価され、様々な感情が作られます。(喜怒哀楽など)
情報と自身のブリーフシステムのギャップが大きいほど、感情も大きくなり、扁桃体がその感情を増幅させます。
いわゆるゲインロス効果(ギャップ効果)が起こるのはこの働きが関係しています。
こういったプロセスの中で、脳内物質が放出されています。
悲しいときはノルアドレナリン系、幸せならドーパミンやセロトニンなど、パターンは基本的に同じです。
そして、視床下部を通して感情の情報が流れ、身体に影響を及ぼします。
例えば、ノルアドレナリンは脳内で神経伝達物質と同じ役割をしますが、身体内では恐怖で顔が引きつったり心臓の鼓動を早めるといった、身体反応を起こします。
おわりに
どんな脳内物質が出ても、最後には必ずセロトニンが出てきます。
ですから、恐怖で頭が狂おうと、悲しみの波におぼれようと、痛みにのたうち回っても、最後には落ち着き、安らぎが訪れるように出来ているのです。
感情のメカニズムを理解することで感情に振り回されて支配されることのない、精神的な自由を手に入れましょう。
そうすると全ての感情を娯楽として楽しむことができます。
あなたのしたいことや叶えたい夢に向かうためにこの記事を役立てていただけたら幸いです。
またお会いしましょう、それでは~