親愛なる最高に面白いマンガを求めているアナタへ
本日、第一巻が発売となった『悪魔を憐れむ歌』。
これだけは、絶対に買って下さい。
読んで下さい。
言いたいことは、ただそれだけです。
こんにちは、マンガサロン『トリガー』店長の兎来です。
昨年頭、上下巻が同時発売された『コオリオニ』を初めて読んだ時、あまりの重厚な面白さとテーマ性に大いなる衝撃を受けました。
BLというジャンルにカテゴライズされる作品ですが、BLという枠に全く収まっていない! 人間にとってあまりに普遍的な命題が、燃え盛るような熱量と凍えるほどの鋭利さで描かれている! これは年間トップ10には確実に入る! と感じました。マンガサロン『トリガー』でも、今も一年以上ずっと中央のお薦め棚に並べたままです。
実際、その後Twitter上で毎年マンガ好きによって行われている「#俺マン2016」においても、『コオリオニ』は見事に1位に輝きました。内容は非常にハードですが、特に普段BLなど全く読まないという人にはぜひ読んでみて欲しい作品です。
しかし、その筆者である梶本レイカ先生が、この『コオリオニ』を以って断筆というショッキング過ぎる事実。
そんな! ご無体な!!
これだけの素晴らしすぎる作品を描ける方が、筆を置いてしまわれるなんて……!!
漫画史上における甚大な損失と言っても全く過言ではないと思うと同時に、確かにこれだけの作品を描いてしまった後ではそうなってしまうのも無理はないことかもしれない……
そんな風に考えながら、自分の中の悔しさを紛らわせていました。
それにしても惜しい…………惜しすぎる……………
ところが、ある日。
「梶本レイカ新連載」
滅びに瀕した民の下に現れた神の啓示のような文字列を、脳が認識したではありませんか。
ええ、走りましたとも。
2016年10月9日。
『ゴーゴーバンチ vol.13』を買いに書店へ。
この時掲載されたのは、ほんの数ページのプロローグだけでした。しかし、その僅かな断片だけでも、圧倒的な「ヤバさ」が伝わってきました。これは、途轍もない作品がやって来る……。
そして、2016年12月9日。
再び『ゴーゴーバンチ vol.14』を書店で買い、逸る気持ちを抑え切れずに表紙をめくった瞬間に現れた美麗なるカラーページ。
もう、芳醇過ぎて、特濃過ぎて、嬉しい目眩に見舞われました。ある程度マンガを読んで来た人間であれば最初の数ページを読んだだけで感じることがありますよね。「ああこれは名作だ……!」という馥郁たる香りを。その至上の香りを一枚絵が鮮烈に放っていました。
梶本レイカ先生の最新作という時点で約束された傑作でしたが、その約束は一瞬で果たされたと即座に理解しました。一話から面白いとかそういうレベルでなく「これも間違いなく2017年を代表する作品となるであろう」という強固な確信。一話の最終ページから立ち上る美しさと迫力は、誌面を越えて現実に顕現しそうでした。
マンガをこよなく愛する者の至福が、そこにありました。
内容には敢えて触れません。ただ、読んで、感じて下さい。
あれから数ヶ月、ようやく今日その第一巻が発売です。
今、デスノートに名前を書かれて40秒以内に遺言を言うとしたら、こう言います。
「『悪魔を憐れむ歌』を買って下さい。読んで下さい」
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