[PR]

 韓国大統領選で9日夜、最大野党「共に民主党」の進歩(革新)系候補、文在寅(ムンジェイン)・前代表(64)の当選が確実になった。韓国KBSテレビが伝えた。中央選挙管理委員会は10日午前、正式に第19代大統領の誕生を宣言し、文氏は大統領に就任する。

 KBSによれば、文氏の最終的な予想得票数は9日午後10時30分現在、1174万~1382万票で、得票率は35・8~42・1%になる見通し。与党「自由韓国党」の保守系、洪準杓(ホンジュンピョ)・前慶尚南道(キョンサンナムド)知事(62)、野党第2党「国民の党」の中道系、安哲秀(アンチョルス)・元常任共同代表(55)を引き離し、文氏の当選が確実になったとした。

 聯合ニュースも午後10時44分、文氏の当選が確実になったと伝えた。文氏はKBSなどテレビ3社の合同出口調査でも41・4%の得票率を占め、当選の可能性が高まっていた。

 韓国中央選挙管理委員会は開票率が70~80%に達する10日午前2~3時ごろに大勢が判明するとしている。暫定投票率は77・2%で、前回2012年12月の75・8%を上回った。

 韓国の進歩政権の誕生は9年ぶり。文氏は「積弊(旧来の積み重なった弊害)の清算」を主張。朴槿恵(パククネ)前大統領を巡る不祥事に怒る国民の支持を得た。不況が深刻化するなか、難しい国政運営を任されることになる。

 北朝鮮は核開発を放棄せず、文氏が訴える南北対話の見通しも立っていない。日韓関係では、日韓慰安婦合意の見直しを明言。歴史認識問題を切り離して対話したい考えだが、日韓関係の急速な改善は難しいとみられる。(ソウル=牧野愛博)

こんなニュースも