とあるサイトを閲覧していたのですが
「幼馴染との恋愛を成就させる7つのコツ」
「男が放っておけない、愛され女子の特徴5選」
「モテる男はやっている、女性を虜にする3つの仕草」
なんてタイトルがずらりと並んでいました。
中には読みたくなるようなタイトルの記事もあるのですが、いざ読んでみると、どこかで読んだような内容のものが多い気がしました。
それぞれの記事に書いてある内容はごもっともなんですが、どうも心に響かなくて。
もう少し心に響くものはないかと考えて、ことわざ辞典を手に取ってみました。
ことわざの中には、恋愛テクニックや教訓が凝縮されているものがたくさんある気がします。
今回は、恋愛や男女関係に関することわざをチョイスしてみます。
- 愛想尽かしも金から起こる
- 悪女の深情け
- 東男(あずまおとこ)に京女(きょうおんな)
- 姉女房は身代の薬
- 一押し二金三男
- 芋の煮えたもご存知ない
- 色の白いは七難かくす
- 縁は異なもの味なもの
- 男は度胸、女は愛嬌
- 恋は思案の外
- 策士策に溺れる
- 7人の子はなすとも女に心許すな
- 死にたいと麦飯食いたいほど大きな嘘はない
- 死に別れより生き別れ
- 将を射んと欲すれば、まず馬を射よ
- 女子と小人は養い難し
- 糟糠の妻は堂より下さず
- 蓼食う虫も好き好き
- 遠くて近きは男女の仲
- 女房は換えるほど悪くなる
- 人の女房と枯れ木の枝振り
- 惚れた腫れたは当座のうち
- 惚れた病に薬なし
- 目病み女に風邪ひき男
- 夜目遠目笠の内
愛想尽かしも金から起こる
愛想尽かしとは、女性が男性を見限ることです。
男性が見限られるのは、昔も今も大抵はお金が原因になることが多いようです。
妻のいる男性が、娘ほど歳の離れた女性を愛人にすることは過去にもよくありました。
男性は愛人に湯水のごとくお金をつぎ込みます。
でも、男性の仕事がうまくいかなくなり、愛人に好きなものを買い与えられなくなると、愛人はすぐに男性を捨て、他の金持ちの男の元に去っていくものです。
愛想尽かしも金から起こるというのは、金の切れ目が縁の切れ目という事だと思います。
悪女の深情け
生まれつき美人もいれば、不美人もいます。
美人であれば、男性に媚を売らなくても男性から寄ってきます。
でも、不美人であれば、容姿のマイナス面をどこかでカバーしなければいけません。
お金をかけずにカバーするには、深い情けが一番です。
いつも笑顔でいたり、優しくおだやかな気持ちでいる女性は、男性にとって癒しの存在です。
深い情けは、容姿や年齢に関わらず男性を虜にする武器なのかもしれません。
気を付けなければならないのは、情け深い女性は同時に嫉妬深い場合もあります。
深い情けが嫉妬に変化した時は、男性はそれなりの覚悟が必要かもしれません。
東男(あずまおとこ)に京女(きょうおんな)
男性を選ぶのであれば、小粋できっぷの良い江戸っ子が良い、女性を選ぶのであれば、やさしくて美しく、言葉も上品な京女が良い、という意味です。
東男と京女は、カップルとして相性が良いと言われてきました。
同じような組み合わせは、他にもあります。
「京女に奈良男」
「京男に伊勢女」
「竜野女に姫路男」
「南部男に津軽女」
「越後女に上州男」
「越前男に加賀女」
「筑前女に筑後男」
ほとんどが、隣接する地域同士の組み合わせです。
いつの時代でも、気質の違う男女は惹かれあうのかもしれません。
姉女房は身代の薬
「身代(しんだい)」とは、一身に属する財産という意味です。
年上の奥さんをもらうと、家計のやりくりが上手なので、財産が増えて蔵が建つと言われています。
また、男性をうまくコントロールする方法も知っているので、家庭が円満になるとされています。
恋愛関係においても、年上の女性と付き合う男性は、無理に背伸びせず自分をさらけ出すことができ、関係を築ける場合があります。
いつの時代も、男性は年上女性に対して憧れるものだと思います。
一押し二金三男
好きな女性を手に入れるために、男性に必要なもの3つのことです。
一番必要なのは、押しの強さ。
次に必要なのが、お金。
3番目に必要なのが、男っぷりの良さだとされています。
ちなみにその次は、辛抱強さと芸術性と続きます。
女性を口説き落とすには、いつの時代も押しの強さが大切なのかもしれません。
ぐいぐい引っ張ってくれる男性は、女性の目には頼りがいがあるように映るんだと思います。
芋の煮えたもご存知ない
育ちがよく、世間のことを何も知らない人のことをあざける言葉です。
カレーや肉じゃがなど、芋を煮る料理では、火が通ったかどうかを判断するには経験が必要です。
付き合いが長くなると、男性は女性の手料理が食べたくなることだってあると思います。
普段の食事が外食やコンビニばかりだと、男性もガッカリしてしまうかもしれません。
時には、女性の家庭的な一面を見せることができれば、新たな魅力を感じてもらえるかもしれません。
色の白いは七難かくす
素肌の白い女性は、欠点があっても目立たないという意味です。
色が白い以外にも、可愛げがあるというのも欠点を補ってくれます。
少しくらいミスしても、可愛げがあれば腹も立たないものです。
縁は異なもの味なもの
男と女の縁はとても不思議なもので、どこでどう繋がるか分からない、と言う意味です。
男は度胸、女は愛嬌
男性に必要なのは、勇気や決断力、女性に必要なのは、笑顔や愛嬌という意味です。
高価な持ち物・学歴・キャリアよりも、もっと大切な男女の本質を伝えている気がします。
なお、「男は度胸、女は愛嬌、坊主はお経」と続ける場合もあります。
恋は思案の外
恋とは、常識では推し量れないもので、理性を失わせるものだという意味です。
恋は危険極まりないものだけど、それが面白いんです。
駆け落ちしたり心中したり不倫したり、全ては、恋は思案の外なのかもしれません。
策士策に溺れる
策士とは、策略に長けた人のことです。
策士は戦略を立てるのは上手ですが、策を弄しすぎるとかえって失敗してしまいがちです。
恋愛でも、駆け引きばかりに気を遣いすぎると、相手を失ってしまうこともあります。
時には直球勝負も大切なのかもしれません。
7人の子はなすとも女に心許すな
7人もの子どもをもうけた夫婦であっても、最後まで気を許してはいけないという意味です。
結婚前のカップルでも、関係にあぐらをかいてしまうのはいけないかもしれません。
ある日突然、目の前に魅力的な男性が現れてしまったら、付き合っていた男性をあっさり捨ててしまえる女性もいることを、忘れてはいけないのかもしれません。
死にたいと麦飯食いたいほど大きな嘘はない
死にたい死にたいと口癖のように言う人が、死んだためしはありません。
白米より麦飯の方が美味しいというのは、死にたいと言うのと同じような嘘かもしれません。
恋愛においては、別れたい別れたいと友人に愚痴をこぼす人ほど、本当に別れたら死ぬほど悲しむものなのかもしれません。
心にもない嘘はついてはいけないという意味です。
死に別れより生き別れ
愛する人と死別するよりも、生き別れになる方が辛いという意味です。
死んだと思えば、どこか諦めもつきます。
でも、愛する人がどこかにいて、いつの日にか会えるかもしれないと思いながら生き続ける方が、切なく悲しいものなのかもしれません。
将を射んと欲すれば、まず馬を射よ
敵の大将を射ようとするなら、まずは大将が乗っている馬を射てから、大将を射る方が確実です。
好きな人ができたら、まずは相手の母親に気に入られることが先決かもしれません。
母親の「あら、なかなか素敵な人じゃない」なんていう一言は、家族を納得させるのに十分な一言です。
相手を攻めようとする前に、まずは相手が一番頼りにしている者を攻め落とすのが良いという例えです。
女子と小人は養い難し
この世で扱いにくい相手は、女性と小人物である、という意味です。
優しくすると増長し、厳しくすれば恨まれます。
それだけ、昔から女性は強い存在で、喧嘩になると男性は敵わなかったという事かもしれません。
糟糠の妻は堂より下さず
貧しい頃から苦労を共にしてきた妻のことは、夫が出世してからも追い出されることはないという意味です。
糟糠とは、酒かすと糠のことです。
堂とは、表座敷のことです。
一緒に苦労を共にしてきた男女は、自然と深い絆で結ばれるのものだと思います。
蓼食う虫も好き好き
蓼(たで)の葉は、とても辛く苦いものです。
そんな葉を好んで食べる虫がいるように、男女の好みも様々だという意味です。
美女と野獣という言葉がふさわしいくらい、才色兼備な女性が不細工な男性をパートナーにすることもあります。
見た目だけでは分からない、相手の良いところを見つけられたら、お互い最高のパートナーになるのかもしれません。
遠くて近きは男女の仲
『枕草子』の中で、清少納言が語った言葉です。
男女の仲は、一見すると離れているように見えるけれど、案外簡単に結ばれやすいものである、という意味です。
気が付けば付き合い始めてた、なんて場合は、まさに遠くて近き男女の仲なのかもしれません。
女房は換えるほど悪くなる
今よりももっと良い相手がどこかにいるはずだ、と、次々と付き合う相手を乗り換えるほど、悪い相手を選んでしまうという意味です。
また、迷っているうちに相手は逃げてしまう、というえり好みを戒める意味もあります。
人の女房と枯れ木の枝振り
他人の奥さんと枯れ木の枝振りは、あれこれ気に病んでも仕方がないという意味です。
友人が付き合っている相手のことは、とやかく批評すべきではないということかもしれません。
惚れた腫れたは当座のうち
惚れたとか惚れられたとか、相手に夢中になるのは付き合い始めのうちだけです。
しばらくするとマンネリ化して、恋愛感情が薄れてしまうものです。
このことわざに使われている「腫れた」は、語呂合わせのために使われているだけで、特に深い意味はないようです。
惚れた病に薬なし
恋煩いに効く薬はない、という意味です。
恋で死ぬ人はめったにいないと思いますので、自然治癒を待つのが一番なのかもしれません。
目病み女に風邪ひき男
女性の目は、病気で潤んでいるくらいが色っぽくてよい、男性の声は、風邪で鼻にかかるくらいが粋でよい、という意味です。
昔から近視の女性は、瞳孔が大きくて目が美しいと言われてきました。
男性も、声のトーンや大きさで男らしさや艶っぽさを演出することができると言われてきました。
夜目遠目笠の内
女性がより美しく見える場面のことです。
夜見る、遠くから見る、傘に隠れた素顔をチラリと見るという3つは、どんな女性も実際以上に美しく見えるものとされていました。
特に夜の仕事をしている女性は、この3つを意識している人が多い気がします。
参考文献