GWに実家に帰ったときに地元の友達に話したら面白がってくれたのでちょっと書いてみようと思う。
今作っているアプリは、売れていない。
二年前に開発が始まって、リリースして一年半ほどになるが、一円も稼いでいない。
エンタメ系snsのはずなんだが、アクティブユーザーが増えるはずの大型連休で、起動したユーザーがたったの三人だった日があるほど、売れていない。
売れてないが故に常駐しているエンジニアは僕一人だ。外部のエンジニアにスポットでたまにタスクベースでお願いする程度。
ディレクターっぽい人が二人(マーケティング兼任)と、デザイナーが一人いて、
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ディ「〇〇な機能が欲しいんだけど」(延々ぐらぐらのビジョンを演説する。)
僕「ビジョンはだいたいわかったんですけど、どういう仕様にするつもりですか?」
ディ「ここはこう、Facebookみたいな感じで、Instagramのこういうのも入れたくて、twitterもやってるからこれも組み合わせたい。」(ふわっとした仕様で細かくは決まってない。)
僕「(俺一人でやるってことわかってる???)納期はいつですか?」
ディ「一ヶ月後くらいにリリースしたいんだけど」
ディ「今週には決めるよ。」
僕「わかりました。待ってますね。」
~~~~数日後~~~~
ディ「できた、もう一人のディレクターと話し合ってすごいいいものができたよ、これは本当に売れるよ。大逆転できる。」(毎回言う。最初はなるほど、と思っていたが一年半言い続けられる神経が理解できない。)
ディ「そうなんだよ、ここはこうでここはこうで」(新しいぐらぐらのビジョンの演説)
僕「(まあいいか・・・)こことここは難しそうで時間かかると思うんですけど、納期は一ヶ月後のままですか?」
僕「わかりました、これだけならなんとかやってみます。デザインはもうあるんですよね?」
ディ「まだない、すごく重要な機能で本当に今後を左右するからこだわりたい。」
僕「(こだわり・・・)わかりました。じゃあ一旦機能側から作りますね。」
~~~~数日後~~~~
ディ「デザインできたよ、本当にこだわって作ったからね。デザイナーから受け取って」
デザ「どうぞ」(PDF渡される)
僕「・・・・・」(PDFだとダメって二億回くらい言うてるけど、耳がついてないんだな・・・sketchの存在知ってるはずなんだけどな。)
~~~~数日後~~~~
僕「ここ、スマホだとデバイスによって幅変わるんで、こう直しておきましたよ。割合的にずれてないので、問題ないと思います。他のサービスもだいたいこうやってますんで。」
デザ「え、なんでですか?」
僕「スマホだとデバイスによって幅変わるんで。iphone5とiphone6だと幅違うじゃないですか、解像度も違うじゃないですか。」
デザ「え?なんでですか?」
僕「え?なんでですか?」
~~~~数日後~~~~
デザ「レスポンシブデザインにしたいんですけど。」
僕「いいですよ。」
デザ「こんな感じで」
僕「レスポンシブデザインだと、html変えられないので、こういう全く違うのは難しいと思いますよ。」
デザ「え、なんでですか?やってるところありますよ。」
僕「え、だから、html自体をいじれないので、PCもSPもどちらもデザイン段階から考慮して作らないとダメなんですよ。それに言ってるサービスはレスポンシブじゃないですよ。」
デザ「え、なんでですか?」
僕「え、なんでですか?」
~~~~数日後~~~~
ディ「どう?」
ディ「どれどれ?」
ディ「え?なんでこここうなってないの?これは?ここは?これ何?これこうなってないのなんで?」(本当にくだらないボタンの位置とか、fontの微妙な大きさとか)
僕「え?仕様に書いてます?それに俺それ確認してあなた納得してましたよね?それにPDFだとこれが限界です。」
ディ「うーん、大問題だぞこれは・・・」(一円も売り上げてないサービスで大問題とか起こりえないでしょ?)
~~~~数日後~~~~
ディ「昨日考えたんだけど、やっぱりこの機能、こうなるべきだと思うんだよね。」(根本から覆す意見を振りかざす。)
僕「え、明日リリースですよね?もうそのつもりなんですけど。その修正、リリース後じゃダメなんですか?」
ディ「大丈夫だよ、本当に簡単な修正で終わるだけだから。二時間だよね?このくらい」(簡単な修正なんて、中身知らないお前がどうして言える。)
僕「いや、このレベルだと、作り直しですね。」
ディ「え?なんで?だってここチョロっと直すだけだよ?」
僕「ご存知ないかもしれませんが、あなたが途中で細かく仕様変更されたのに対応した際、説明したはずです。こことここは相関関係があるので、影響的には全部ですよ。」
ディ「なんでそんな実装になってんだよ!!!」(なんでそんな仕様にしたんですか?)
~~~~数日後~~~~
ディ「ここのこの仕様なんだけど、どうなってる?」
僕「そこはこうなってますね、どうしたんですか?」
ディ「そこ、やっぱりユーザーフレンドリーじゃないと思うんだよね、こう変更して」(中身が複雑で聞いた端から忘れるレベル。ユーザーフレンドリーとは。)
~~~~数日後~~~~
ディ「あの、前にユーザーフレンドリーにしようって変更したところだけど。」
ディ「ここの仕様ってこうだったっけ?」
僕「いや、そこはこうで、こことこことここと関係しているのでこうなっていて、コードレベルだとこんな感じですね。別のところにも影響あるのでそこもこう直してあります。」
ディ「え?そんな仕様だったっけ?」(ユーザーフレンドリーとは。シンプルイズベストとは。)
~~~~リリース後~~~~
ディ「お疲れ様ー。」
僕「お疲れ様でした。」
ディ「だいぶ遅れちゃったけど、なんとかリリースできたね。やりたいことの10%くらいしか実現できなかったけど。」(何作ろうと思ってるんだ。国か。)
僕「そうですね^^」
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もちろん売れているサービスも売れてないサービスも、同じような現場なのだとは思う。
ただレベルが違うだけで。