金属資源リサイクルのスズトクホールディングス(HD、東京・千代田)など東日本のリサイクル企業4社は8日、共同出資会社を設立すると発表した。鉄スクラップを共同で仕入れて溶かし、鉄鋼原料として販売するなどの事業を手掛ける。鉄の原料価格が低下するなか、海外展開をにらんで資源の仕入れや販売で協力し、競争力を高める狙いだ。
北海道から関東を地盤とする4社で共同出資会社「アール・ユー・エヌ(RUN)」(東京・千代田)を7月に設立する。
4社は計57カ所の工場を持ち、東日本の金属資源リサイクルで5割のシェアを持つ。鉄・非鉄などの取扱高は年間200万トンで売上高は計700億円規模という。
このうち数割の事業をRUNに移管する。大型船を使った海外への輸出のほか、国内大手企業からの廃自動車の収集などを東日本全域でワンストップで請け負うという。
共同出資会社の設立は、リーマン・ショック以降の鉄スクラップ価格の低下や国内での鉄資源の需要減が背景にある。東南アジアなどへの輸出がカギとなるが、海外では、すでに売り上げ規模が1000億円以上の欧米企業が数十社あるという。
記者会見したスズトクHDの鈴木孝雄会長は「日本のリサイクル企業単体では新興国で勝負できない。将来的に日本の静脈産業でリサイクルメジャーをつくるための礎としていきたい」と話した。
共同出資会社をつくるのは、スズトクのほかマテック(北海道帯広市、杉山博康社長)、青南商事(青森県弘前市、安東元吉社長)、やまたけ(東京・足立、山口章社長)の4社。
(大平祐嗣)
