Google、会話AIキットを雑誌付録で配布。Raspberry Piで何でも喋らせる「AIユアセルフ」キット
人工知能ユアセルフ 😨
連載
注目記事
アップルが「ヤクを育てる」理由。地球環境保全の4動画、アースデイに向け公開
指紋、虹彩、顔認証... どれが安全? スマホ生体認証の「限界」を探る:モバイル決済最前線
Google、素人の絵を「こう描きたいんでしょ」とリライトするツール『AutoDraw』公開
人気記事
Google、会話AIキットを雑誌付録で配布。Raspberry Piで何でも喋らせる「AIユアセルフ」キット
幻の「任天堂プレイステーション」がCD-ROMゲームの起動に成功。著名ハッカーが解析&リペア
格安スマホより安い? ドコモ 月980円「シンプルプラン」の威力:週刊モバイル通信 石野純也
Google が手作りハードウェアと人工知能の橋渡しをするプロジェクト「AIY」を開始しました。
第一弾として、Raspberry Pi 3にマイクとスピーカーをつけて、Googleアシスタントの会話ユーザーインターフェース機能を持たせる Voice Kit を提供します。
必要なパーツリストやドキュメントはプロジェクトページで無償公開されるほか、公式Raspberry Piマガジン MagPi 5月4日号の付録としても配布します。(定価5.99ポンド、約880円)。
プロジェクト名の AIY は「AI for DIY」あるいは AI Yourself から。「AIにとって自己意識とは何か」といったややこしい話ではなく、また AIソフトウェアそのものをDIYするのでもなく、いわゆるMakerコミュニティ向けに、自作ハードウェアとクラウド上のAIサービスを結ぶ手軽な手段を提供することが目的です。
第一弾は、Google アシスタントの自然言語会話インターフェース や Google Cloud Speech API をRaspberry Pi 3から使えるようにする Voice Kit。
中身は Raspberry Pi 向けの音声インターフェースボード (Voice HAT) 2種 、スピーカー、ボタンやスイッチ、インジケータLED、ケーブル類、お約束のボール紙ケースなど。
そのまま組み立てれば、キューブ型のダンボールケースに入った Google アシスタント単機能デバイスができあがります。
このままではあまり役に経ちませんが、カスタムの音声コマンドや応答を作り込むことで、これまでボタンやタッチ画面やスマホアプリで操作していたデバイスを手軽に声だけで使えるようにしたり、声で状況を報告してくる会話型スマートぬか床なりを手軽に作れるようにすることが趣旨。
開発者向けBlogではGoogleみずから、物理ボタンとディスプレイを「いかにも90年代」、スマホアプリを介した操作を「いかにも2000年代」と冗談交じりに呼ぶように、AIが可能にした自然言語の会話インターフェースは各社が熾烈な競争を繰り広げる最先端の戦場になりつつあります。
国内では手に持ったスマホに話しかけるインターフェースとして、日本語が使える iPhoneの Siri や Android の「OK, Google」が使われるようになってきました。さまざまなサービスやデバイスを結ぶ汎用の会話インターフェースとしては、スピーカー型デバイス Echo をヒットさせたアマゾン Alexa がサードパーティーの取り込みを積極的に進め、対応サービスや組込みハードウェア製品で先行しています。
Amazon Lexが一般公開。会話型アプリの作成をAlexaの深層学習技術で支援
最新の alexa 関連記事一覧
他社の取り組みを並べれば、「オーケー」も「ヘイ」も口に出しづらい日本人向けに「さん付けで呼びかけるとコマンドとして認識する」という大発明を成し遂げたマイクロソフトは、Windows 10 にコルタナさんを標準搭載して一気にインストール数を増やし、ほぼあらゆる命令を無言でBing検索させる一方、開発者向け・法人向けにはAzure Cognitive Services の名で会話認識や画像認識といった知能サービスAPIを展開中です。また商用化されたコグニティブサービスとしては、AIの代名詞として一番に名前が挙がるIBMワトソンも着々と実世界での導入実績を積んでいます。
Google AIY プロジェクトはこうしたAI サービスをできるだけ安価に手軽に、スマホ以外にもさまざまなデバイスに組み込んで試せるようにすることで、自社クラウドサービスの開発者への普及を狙う取り組みです。
Google によれば Voice Kit は AIYプロジェクトの第一弾。今後もさらに別の分野で、AIと自作ハードをつなぐオープンソースのハードウェアソリューションを提供します。冗談のつもりで「バルス」を実装されたデバイスがうっかり成功して産業用に普及したりしないことを祈るばかりです。