“世界で「食生活のインフラ」になることを目指す!”

クックパッド株式会社
代表執行役兼取締役
穐田誉輝

インタビュー: 2014/04/11

1993年に株式会社ジャフコへ入社、ベンチャー企業への投資・育成業務を担当。 株式会社ジャックを経て、1999年独立系ベンチャーキャピタルである株式会社アイシーピーを設立、代表取締役に就任。2001年株式会社カカクコムを買収し,代表取締役社長に就任。2007年7月よりクックパッド社外取締役就任、2012年5月より現職。経済産業省 新事業創出支援者会議 委員。

生年月日:
1969年
出身:
千葉県
出身校:
慶應義塾大学大学院

- クックパッドの社長就任のお話があったときのお気持ちは?

もともとクックパッドに投資をし、2007年からは社外取締役にもなっていましたが、社長就任の依頼については正直困ったことになったなぁと思いましたね。

- 実際に、就任していかがですか?

クックパッドの事業については、まだまだやりたいことの1%もできてないです。潜在ニーズがたくさんあるはずなので、現在のユーザー数約4,000万人には全く満足していません。 もっと便利に、もっと様々なニーズに応えられるサービスになり、一人でも多くの人に使ってもらいたいと思っています。クックパッドは、「食に関する生活のインフラ」 になることを目指しています。電気・ガス・水道のように、世界中の人が毎日ふつうにクックパッドを使っている状態に早くしたいと考えています。

- さらに事業を拡大するために必要なこととは?

サービス開発の面では、とにかくユーザー目線で物事を考えることが必要だと思います。社員は会社のキッチンで料理をする機会があり、私も時間を見つけて出来るだけ料理をするようにしています。その時にクックパッドも利用しながら料理をし、ユーザーとしての体験をします。そうすると、料理にはまだまだ不便なことがたくさんあることに気付きます、材料はどこで買う?何を買う?どう調理する?おいしく調理するには?どうしたら失敗しない?など、ユーザーとしての色々な気持ちが見えてきます。それを解決できるようなサービスを開発することに今後も注力します。加えて、当社の成長に欠かせないのは新規事業の立ち上げと世界展開です。写真に登場している社員たちは新規事業の担当者で、「特売情報」「ゲーム」「データサービス」「料理教室」「英語版」といった新規事業に取り組んでいます。世界展開については、2013年10月に進出済みのインドネシアに加え、今年1月にはアメリカとスペインのレシピサイトを取得しました。日本の人口は1.2億人ですが、インドネシア語圏・英語圏・スペイン語圏を対象にできることになり、その人口は10億人にのぼります。

- 社内で大切にしている文化はありますか?

文化としてはまだ根付いていないかもしれませんが、私が実現したいと思っているのは「自立した個」に各人がなることです。一人一人が誰かから指示されたり引っ張ってもらうのではなく、自分で考えて計画を練り、それを実践し進んでいく。これができる個が集まり、一つの集団となればスピード感のある成長が可能だと思います。また、Web系エンジニアの仕事はどうしても夜型になりがちですが、当社では朝方の生活を推奨しています。その方が身体にも精神的にも良いので、結果的に長期でパフォーマンスが上がることになると思います。

- 今後の目標について

「2017年4月期までに経常利益100億円」と公言しています。これは願望ではなく、ひとつの目標としてしっかり見据えています。70億人が住む地球という規模で考えれば、ユーザー数の拡大も経常利益の拡大もクリアしていけると考えています。

- 個人的な目標は?

個人的には、「100歳まで現役」が目標です。100歳までただ生きるのではなく、現役で働き続けるつもりです。そのために、新鮮な食材で自ら調理したものを食べるということは身体にも脳にも良いはずなので、意識的に行っています。なんとなく食べるということはせず、自分が食べているものに常に理由があるようにしています。

- オン・オフの切り替えはどうしていますか?

24時間、365日、仕事のことを考えてしまいますね。サービスが24時間動いているわけですから。一方でスポーツも好きなので、平日の夜や週末に草野球チームで練習をしたり、試合に出たり、出勤前にジムに行ったりと体を動かしています。オンとオフを区別するというよりも、切り離せないものだと思いますのでどちらも充実させていきたいと思っています。

- 起業を目指している方にメッセージをお願いします

人生は一度きりなので、やりたいことがあるならやった方がいいと私は思います。サラリーマンとして働くことを批判しているわけではなく、やらないで後悔するよりもやって後悔した方が良いということです。私の経験で言うと、大きな額の損を出したこともありますし、数々の失敗をしてきていますが、それでも無駄なことは一つもなかったなと思います。起業したい方はドンドン挑戦してほしいです。

- 好きな本を教えてください

好きな本は、「星の王子様」ですね。昔、読んで感心して時々読み返したくなる本です。「大切なことは目に見えない」あのメッセージは、歳を取るほど重く感じます。

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