ゴールデンウィークも終わり、ようやく2017年も本番。ここからしばらく連休はないし、残念だが仕事をするしかない。仕事といえば会議。じつは会議さえ上手く乗り切れば仕事の評価は上がる。
その点で、Googleの元マネージャー、サラ・クーパー氏が書いた『会議でスマートに見せる100の方法』は恐ろしいまでに実践的な指南書だ。ここから本当にいますぐ使えるアイデアをいくつか紹介する。
1. ベン図を描く
席を立ちあがり、ベン図を描くのは賢く見せるすぐれた方法だ。ベン図がデタラメでも構わない。むしろ、デタラメなほうがいい。あなたがマジックを置く間もなく、同僚たちは領域の名称や円の大きさについてああでもないこうでもないと議論しだすだろう。そうなればしめたもの。あなたはこっそり席に戻り、スマホゲームを再開できる。
2. パーセンテージを分数に言い換える
誰かが「約25%のユーザーがこのボタンをクリックしています」と言ったら、わりこんで「つまり4分の1ね」と言いメモをとろう。全員が同意してうなずき、密かにあなたの暗算能力に感心し、うらやむだろう。
3. 「一旦冷静になりましょう」とみんなに提案する
ほとんどの会議で、あなた以外の全員が議論を白熱させる瞬間がある。それを狙って「みんな、みんな、一旦冷静にならない?」と言う。みんなはあなたを見て、ヒートアップした空気を冷ます能力に驚くだろう。すぐに重ねてこう言おう。「私たちが本当に解決したい問題はなに?」。ビシッと決めたら、その後1時間はなにもしなくても賢く見える。
4. それが何であれ「スケールアップできる?」と聞く
なにについて議論しているかに関係なく、それをスケールアップできるかを訊ねるのは効果がある。この質問の本当の意味が誰にもわからないとしても、どんな状況でも使え、エンジニアをどぎまぎさせることができる。
5. プレゼンで1つ前のスライドに戻すよう頼む
「ごめん、1つ前のスライドに戻って」。これはプレゼンターが一番聞きたくない言葉だ。それがプレゼンテーションのどの段階であっても。そして、あなたがそう言うとたちまち、ほかの誰よりも熱心に聴いていたように見える。プレゼンターがなにかを忘れ、それを賢いあなたが指摘しようとしているのだから。なにも指摘することがなかったら? 戻されたスライドを数秒だまって見つめ「よし、次に進んで」と言う。
6. 大きな数字が出たら、都市や国で言い換える
誰かが大きな数字を言ったら、都市や国、地域などで言い換える。ちょうどいいものがなければ、適当にでっちあげる。世界の統計数値を把握する知識量にみんな脱帽するだろう。
7. リーダーの隣に座る
会議のリーダーの隣に座る。彼といっしょに議題を検討し、ふさわしいときにサポートしているかのように振る舞う。そうすればほかのみんなは、あなたも会議を主導しているとカン違いする。出席者が報告するときは、まるであなたに対しても報告しているかのように見える。
8. 描くだけで賢く見える無意味な図形
会議中に立ち上がってホワイトボードになにか描くのは本当に緊張する。だから誰もが恐れおののいて、席から立ち上がろうとしない。しかしそれこそが、賢く見せるためにできるもっとも簡単なことなのだ。
9. ひとの報告をさえぎり、その後、再開させる
誰かがプロジェクトについて報告をはじめたら、それをさえぎって、この報告がどれほど大事かみんなに知らせる。そして、報告者に続けるよう言う。一瞬にしてあなたは会議の支配者となる。
10. 会議の終わりに、数人に声をかけて、別の問題を話し合うため残るように言う
ひとりかふたりに声をかけ、数分残るように頼むと、声をかけられなかった人は、あなたがなにを話し合うつもりなのか、なぜ自分は呼ばれなかったのか、あなたがどんな極秘プロジェクトを隠し持っているのか、気になる。きっとなにかとてつもない重要事項に違いないと思い込むだろう。実際には、次回の会議にはドーナツを用意するべきか相談するだけだとしても効果的だ。
11. シンプルだが深遠そうなたとえを言う
問題を明らかにしようとするとき、ケーキ作りなど、まったく関係のないことでたとえる。あなたのたとえが議題とどう関係するのか理解できなくても、みんなうなずいてみせるだろう。みんなが理解できない話をすることで、あなたは近寄りがたいほど超越的にクリエイティブに見える。実際は、ただ単にケーキが食べたいだけだとしても。
12. 「CEOはどう思うか」と言ってみる
提案されたアイデアにCEOがどう反応するかと言うことで、あなたがCEOととても親しいとみんなに思わせる。その際に、CEOを下の名前で呼ぶ。「次に会ったときにこのことについて話してみる」と言う。CEOが気に入りそうなアイデアを思いついたみんなをたたえる。CEOと親しいとアピールすることで、みんなはあなたを将来のCEO候補だとみなすようになる。
13. 誰かが良いアイデアを思いついたら、自分は何年も前から同じアイデアを温めていたと言う
誰かが良いアイデアを思いつき、みんながそれを気に入ったようなら、「自分も同じアイデアを以前から温めていた」と言う。そうすれば、良いアイデアを自分に関連づけ、間接的に自分の手柄にできる。
14. みんなの意見がひとつにまとまったら「いざ出陣!」と言う
ひとつのアイデアや方向性にみんなが熱狂するような瞬間がある。誰よりも先に「いざ出陣!」と掛け声をかける。そうすれば、その会議を終結させるのと最終的な決定を下すという二つの権限があなたの手中に転がり込む。実際にはどちらの権限もないとしても。
15. 提案されたアイデアの写真を撮る
会議の終了後、後ろに下がって、ホワイトボードやコルクボード、黒板など、みんなのアイデアが書かれたものの写真を撮る。その写真を出席者に送り、実りのある議論をしてくれたことに感謝する。そしてその画像を速攻で削除する。そんなものが将来必要となることは絶対にないから。
ところで、本の著者はこう語っている。
「先人は『やみくもに働くのではなく、賢く働け』とよくいうが、私のモットーは『働く時間があったら昼寝しろ』だ。この本で紹介するワザを学び、身につけ、実行すれば、あなたはいつのまにか企業のトッププレイヤーへと駆け上がっているだろう。たとえ企業のトッププレイヤーがどんなものか分かっていなくても」
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この記事は絶対にシェアしてはいけない。こっそり本を買って試すのが正解だ。僕はそうしています。