おすすめマーケティング記事 おすすめ 2017.05.02

【 LINE広告事例/怒濤の女子力編 】LINEのタイムライン広告事例、36人から集めた243枚を業種別に一気見せ! <前編>

 
【記事要約】
プロモーションでLINE広告(LINE Ads Platform)を検討するから事例を調べておくようにと指示されたので、成功事例や運用事例を探していたのですが、意外に・・・少ない。じゃあ自分たちで調べてみようということで集めた広告スクショの総数242枚。見れば見るほど面白いLINE広告の世界。今回は前後編に分けてご紹介します。
 
 
 
目次:

 
 
 
先日MRCでは、マーケティング担当者のみなさんを対象に「SNS広告に関する実態調査」をしました。よく使っているSNS広告の種類や満足度、今後注目するデジタルマーケティング手法などなどについて興味深い結果が出ています。
 
参考調査:SNS広告に関する実態調査(2017.03.16)
 
なかでも注目したいのが、企業が「今後最も注力していきたいSNS広告は?」の答え。堂々の1位は「LINEのインフィード広告」。
 
fa_report-marksns-20170316.pdf-000040
 
LINEのインフィード広告って、つまり「LINE Ads Platform」。2016年6月から本格運用が始まった、まだ新しい広告メディアなのに、やっぱり注目されているんですね。でも、ネットで探しても、公開されている事例が意外と少なくて・・・。
 
それなら自分たちで、ということで、社内の10代~50代の男女36名に協力してもらって、タイムラインに流れてくる広告のスクショを243枚集めました!で、さらに業種ごとに分類して自分たちなりに分析してみました。
 
その結果は・・・
 
の前に、まずは、LINE広告がどれだけ、どんなふうにマーケティング担当の注目をあつめているか、おさらいしときます。もうちょっとお待ちください!待てない!という方はこちらまで


 
 
 
 

マーケティング担当はLINE広告をどう見ている?

 

さっき紹介したマーケター向けSNS広告出稿実態調査は、BtoB(企業向け事業)、BtoC(消費者向け事業)といった、ビジネスタイプ別にもデータを集計しています。デジタルマーケティングでも、ほかの広告と同じように、ターゲットによって効果が高い手法が変わりますので、そのあたりにも注目しながら見ていきましょう。
 
 

現在利用中の手法/消費者向けはインフィード広告の利用率高し

 
まず、どんな手法を実際に使っているか。バナー広告とSEO対策が全般的に強いですが、BtoBとBtoC、CtoCで違いも出ています。
 
fa_report-marksns-20170316.pdf-000005
 
その違いとは、「消費者向けはインフィード広告のニーズが高い」ということです。インフィード広告とは、SNSのタイムラインに差し込まれる広告のことで、その利用率はBtoBでは16.2%なのに、BtoCでは21.9%、CtoCでは31.4%と高くなっています。SNSは個人で見るプライベート色が強いものなので、消費者向けビジネスでの需要が高くなっているようです。
 
 

利用中のインフィード広告/断然Facebookが1位

 
では次に、どのSNSにインフィード広告を出しているのか。
 
fa_report-marksns-20170316.pdf-000009
 
1位はFacebookで、2位がTwitter、3位がLINE、4位がInstagramの順です。どのビジネスタイプでも、Facebookが強いですね。インフィード広告の解禁から日が浅いLINEも健闘してますね。
 
 

インフィード広告の目的/「動画」が増加中

 
なぜインフィード広告を出しているのか、という目的にもなんとなく最近のトレンドが反映されています。
 
fa_report-marksns-20170316.pdf-000011
 
それは、「動画の視聴」を目的としたインフィード広告が多いこと。「アプリインストール」とほぼ同等。。ただ、やはり多いのは、「ブランディングや認知向上」や「Web流入」ですね。
 
 

LINE広告で気を配ること/クリエイティブそのもの

 
では、今回のテーマであるLINE広告ではどうかというとーー。
 
fa_report-marksns-20170316.pdf-000032
 
「広告の単価設定」よりも、「広告の内容(クリエイティブ)そのもの」という回答が多い結果に。クリックしてもらえるクリエイティブでないと、単価以前に意味がないということで、企業もクリエイティブには気を遣っていることがわかります
 
参考調査(上記すべて):SNS広告に関する実態調査(2017.03.16)
 
 

ではそのクリエイティブ、どんな感じになってるのか、実際にタイムラインに流れてきた広告事例で見てみましょう。ちなみに広告のビジュアル部分の右下に音量のレベルゲージみたいなのがある広告は「動画広告」です。


 
 
 

LINE広告243枚のスクショを15の業種に分類してみた<前編>

 

今回、LINE広告の事例集めを依頼したのは、MRC編集部周辺の36人。年齢は10代~50代。女性21人、男性15人。未婚25人、既婚11人。けっこうバラバラになりました。で、LINEのタイムラインの広告スクショを撮ってもらって、ダブりを省いて243種類セレクト、15業種に分けました!
 
その集大成がこの記事。やや長くなってしまったで、前後編に分けて紹介します。前編の今回は「怒濤の女子力編」。どちらかというと女性がターゲットの広告事例を一気にお見せします。
 
さぁ、どんなクリエイティブが飛び出してくるでしょうか?

※比較調査のために、弊社で撮影したスクリーンショットの画像を引用しています。
※クリック(タップ)して大きい画像が見られます。

 
 

美容:51件(動画:28件)

 
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今回集めた事例で一番多かったのは美容系です。なかでもエステティックTBCのエステは9件。勝手な想像ですが、プライベート空間であるLINEとエステは相性良さそうです。「スーパー&ライト脱毛500円」は、静止画と動画で少なくても3種類の広告が用意されています。ABテストされてるんでしょうね。私の好みは左から3つめの静止画バージョンです。お得感があります。
 
 
 
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どれもお試し価格は500円ですね。個人的にはせめて1000円はしないと、怪しい感じがしてしまいますが、そこはこの値段が一番効果ありと判明しているんでしょうね。部位に関係なく500円なのか。安すぎないかなぁ。
 
 
 
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と思ってたら、男性向けのヒゲ脱毛は1000円。なるほど、女性には500円、男性には1000円なんでしょうか
 
それから、DHCのディズニーコスメも。男性目線だとコスメにディズニーなんか必要あるか??と思いますが、人気でしょうか。「毎日使う化粧品が可愛かったら毎日楽しく生活ができますよね(byいろんな広告の定番フレーズ)」ということらしいです。割引率勝負と品揃え勝負の2種類あり。個人的には割引率の横の↓の代わりにコスメの見本を入れてディズニー感を上げたいところ。
 
 
 
4
 
C-CHANNELはクイズを入れたりで工夫の跡が伺えます。電車のまど上(網棚)広告では、日能研の受験クイズが有名ですが、個人的にはクイズはけっこう惹きがある気がします。
 
右のハーパーのコスメは同じ商品で、片や「1年分」、もうひとつは「2年分」。ターゲット年齢によって変えているのでしょうか。4本で1年分、6本で2年分というのも謎です。
 
 
 
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草花木果のスキンケアセット3種類。値段だけのものと写真入りと、効果がどう違うのか気になります。個人的には値段のみは、かなり知名度が高くないとスルーされてしまう可能性が高そうに感じます。ワタシの読みでは、真ん中の広告が一番効果高いはずです。写真下のキャプションが効く気がします。送料無料&商品説明が目に入るので。
 
 
 
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ファンケルさんも同じ商品でもクリエイティブを微妙に変えてます。アプリは個人的に小さな画面で見られることも多い(iPhoneではまだ4インチも多い)ので、小さな文字や手書き文字は読みにくい気がします。右のふたつ、どちらの背景色が人気だったのか、知りたいところ。
 
 
 
7
 
ヤーマンの写真2種類もシミ、毛穴の2種類。SNSの広告でカメラ目線なのはどうなのでしょう。自宅にいる時に見られている感じがしないものでしょうか。その広告のほうが「いいね」の数が多いから、OKってことでしょうか、気になります。
 
山田養蜂場は商品のアップと引きの2パターン。引きの方は背景がお花畑で、ハチミツ間を出しています。
 
 
 
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お得をアピールする広告は本当に多いですね。「LINE専用クーポン」「初回限定ポーチ付」「お試し500円・送料無料」「100円モニター」と各社様々に引きをつくってます。あぁ、どのぐらい効果が違うのか知りたい!! 予想では、100円モニター>500円お試し>クーポン>ポーチかな。
 
 
 
9
 
アスタリフトの美白ケア、お試しセットの広告が2種類ありますが、どちらも商品の量は同じなのに、右側はパッケージと手も写っているので、どんな形でどんなボリューム感で届くのかがわかりやすく、好印象です
 
それから、ライスフォースの小原正子さんの写真は、化粧中より、化粧後のシャキッとした写真を見たかった気がします。
 
 
 
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ヒューマンアカデミーのネイリスト講座、「ママ、学生割引で」とありますが、これはターゲット外の人に送ると逆効果になりそうなので、注意が必要ですね。ちなみにLINEのターゲティングは、「LINE上でどんなスタンプをダウンロードしているか、どんな広告にアクセスしているかといった、アクセス解析から属性を判断する「みなし属性」らしいです。
 
参考記事:【 検証 】LINEのタイムラインの広告はちゃんと属性を捉えているか、5人がかりで試してみた!
 
右の2点、マキアレイベルの広告の右側、効果を時系列で見せるのは、最初は「間違い探しできそうな小さなシミで見てもらえるかな」と思ってたんですが、今、原稿を見直しながら見ていて、意外に印象に残っているのに気付きました。リアリティのある効果を見せるって大事ですね。1本とられました。ターゲット外のワタシを惹き付けるのはスゴい!
 
 
 
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ほかにも、美容系は年齢によって悩みが違うことから、年齢ターゲティングを意識した広告が目立ちます。ブランディング的なイメージ広告というよりは、割引、お試しなどのお得情報がメインなのも特徴です。
 
気になったのは、真ん中ほどのJコンテンツの動画広告。完全にデザインをワイドショー風につくっていて、「テレビで人気の!」風になっています。
 
 
 

健康・ダイエット:28件(動画:18件)

 
 
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健康も、美容と同様に年齢によって響くポイントが違う業種。4つとも、ていねい通販の「すっぽん小町」という同じ商品の広告ですが、クリエイティブは違っています。左から右へ、ターゲット年齢が上がっている気がします。色遣いなど露骨とさえ言えます。
 
 
 
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今回集めてもらったメンバーには、若手女子が多かったので、もっとスポーツクラブ的な広告も多いかと思っていましたが、運動系はヨガぐらいでした。
 
 
 
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同じ商品でクリエイティブを変えたパターンをさらにいくつか紹介。Web系広告は複数のクリエイティブを試しやすいので、必勝パターンがある程度固まるまでは、いろいろと試してみるといいでしょう。ちょうどGoogleから、複数広告の効果を検証できる「A/Bテスト」のツール「Google オプティマイズ」が無料公開されましたので、使ってみるのもアリですね。
 
参考リンク:Googleアナリティクス日本語版公式ブログ「Google オプティマイズがどなたでも無料でご利用可能に」(2017.03.31)
 
 
 
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健康・ダイエットは、最後のリンククロス シルがアプリインストールなのを除けば、Webサイト誘導の広告。「無料モニター」「お試し」「初回限定価格」といったお得系広告が多いですね。ビジュアルは商品写真がほとんど。ここをもっと凝ってみると、差別化しやすそうだと感じました。
 
 
 

ファッション:12件(動画:5件)

 
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完全に折込チラシのような広告たち。たぶん細かくぜんぶ見せようとはしていないんでしょう。でも、「安くて流行りめアイテムが揃うよ」オーラは出てます
ちなみに下側のショップリストはアプリインストール広告です。ここまで作り込むなら、ショップスタッフがタイムセールをしているような動画広告にしても面白そうです。
 
 
 
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そのほかの広告は、イメージ寄りのクリエイティブ。上のチラシを見た後だと、スペースがもったいない気がしてしまうのは不思議です。お得にはチカラがあるということですかね。この形のイメージ広告は感性に合うかどうかなので、ファッション雑誌のように、ある程度読者の好みがわかりやすいメディアだと出稿しやすいですが、LINEのようにユーザー層が幅広いと難しそう。
 
 
 

エンタメ:10件(動画:0件)

 
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マンガや映像系の広告制作ってある意味ラクです。作品のビジュアルが使えますからね。それなりにアピールする力があるから作品になってるわけですし。それもあって動画は使われていないんでしょうかね。スカパー!なんか、映像のプロなのに静止画ですから。
ちなみにLINEマンガはボタンが「アプリを利用」になっていますが、アプリを端末に入れているかどうかを識別しているか、インストール履歴のある人にリターゲティング広告をしているようです。
 
 
 
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happilyフォトスタジオは半額撮影プラン。子どもが成長するまでは定期的に撮影需要があるだろうから、とりあえず試してもらって、というところでしょうか。ポイント制や成人式までの定額制サブスクリプションモデルなんかも良さそうです。
 
さくさくぱんだの「LINEスタンププレゼント」はLINEならでは。スタンプ好きにはアピールできそうですね。スタンプ好きな人はスタンプを買うポイント稼ぐために動画を見たりする人も多く、広告をクリックすることに抵抗感が低い人も多いかもしれません。
 
 
 

食品・調理:9件(動画:5件)

 
 
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食品や調理系の広告は、ビジュアルが華やかですね。最近はレシピ動画の競争が激しいので、レシピ動画アプリのDELISH KITCHENのインストール広告が多いですね。どれも美味しそうで目を惹きます。
 
プレゼントが多いのも特徴でしょうか。一度試して気に入ってもらえれば、買い続けてもらえる可能性が比較的高いという理由だと思います。
 
サントリーの広告にある「LINE限定」。これは個人的に「だから?」と冷めた目で見てしまうので、その先を説明する必要があるのかなと思ってます。「だから当選率が高い」とか「LINE限定プレゼントを用意」とかですね。そうでないと、言葉だけの調子良いコピーに見えてしまいます。
 
 

ベビー:8件(動画:8件)

 
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テアトルアカデミー1社ですが、8種類のクリエイティブはスゴいです。しかもすべて動画! 赤ちゃんの年齢を入れたり、締め切り間近をうたったり、いろんな引き出しがあります。自分の家の子はかわいいものなので、赤ちゃんのいる家庭に届けば効果は高そうです。そのためのメディアとして幅広い年齢層にアピールできるLINEは正解だと思います。
 
 

日用品:7件(動画:4件)

 
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日用品の広告は難しいものです。商品、イメージ、ビフォーアフター、お得、商品メリット、生活の中に商品などなど、さまざまな切り口があります。上のベビーや不動産などと比べると、広告ごとにクリエイティブの方向性が様々なことがわかってもらえると思います。
 
上の中では個人的にはFULLERY BOTANICALの「ボタニカル柔軟剤」に惹かれるんですが、クリエイティブとしては、どんなボタニカル(植物)からつくられているのかがビジュアルで見えると、もっと惹かれたと思います。動画を活用するのもいいですね。
 
La Sana(ラサーナ)のLINEメッセージ風のクリエイティブも好きですね。大喜利的なオチがあるともっといいんでしょうね。


 
 
 

セグメントとプレミアム感が前面に出たLINE広告

 

これだけ一気にLINE広告を見る機会もなかなかないと思うのですが、いかがでしょうか。ターゲットとなる年代を入れたり、エリアを入れたり、セグメントをクリエイティブに活かしている例が多く見られました。LINE限定などのプレミアム感をアピールしている広告も多かったですね。
 
セグメントに関しては上にも書きましたが、「みなし属性」なので、Facebookなんかと比べると甘そうに思いますが、そもそも利用者の数が違います。
 
「みなし属性」について調べた記事はこちら。
参考記事:【 検証 】LINEのタイムラインの広告はちゃんと属性を捉えているか、5人がかりで試してみた!
 
MRCの調査でも、ダントツの1位です。
 
fa_report-snsusing-20170302.pdf-000005
 
そして、ほぼすべての層に使われているというパワーがあります。当たり前ですが、数はチカラです。下のグラフはLINEのユーザー属性で、緑の部分は「LINEを毎日利用する」人です。1日に3回歯磨きしている人の数でももっと少なそうです。
 
LINE_user

引用:LINE AD CENTER「LINE 2017年4月-2017年9月媒体資料」
 
このリーチ力で網掛けして、セグメント広告で一本釣りということですね。
 
ということで、LINEタイムライン広告一気見せ!の前編はここまでです。後編の「クールなビジネス編」もお楽しみに。

 
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。今回紹介した「SNS利用実態調査」は、下記からダウンロードできます。記事に共感いただけましたらシェアやFacebookページのいいね!もぜひぜひ。

 
 

調査記事をダウンロード:
マーケティング担当に聞いた!『SNS広告に関する実態調査』

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