“赤ちゃんポスト” 神戸市での設置を断念

“赤ちゃんポスト” 神戸市での設置を断念
親が育てられない子どもを匿名で受け入れる、いわゆる「赤ちゃんポスト」について、国内で唯一実施されている熊本県の施設に続き、神戸市に設置しようと活動してきた団体が、赤ちゃんの受け入れを断念したことが関係者への取材でわかりました。
赤ちゃんポストは、親が育てられない子どもを匿名で預かり施設や里親などに託す取り組みで、国内では唯一、熊本市の慈恵病院が10年前に設け、これまでに120人以上を受け入れています。

これについて、関西の医師や助産師などが中心となって作るNPO「こうのとりのゆりかごin関西」が、ことし2月、神戸市・北区の助産院に国内で2番目の赤ちゃんポストを設置する方針を決め、公表していました。

団体では神戸市と設置に向けた協議を進めていましたが、このほど、赤ちゃんの受け入れを断念することを決め、8日、理事らが神戸市に伝えたことが関係者への取材でわかりました。

団体では、医師がいない助産院で子どもを匿名で受け入れることは、医療法や医師法に触れると神戸市から指摘され、医師の確保を目指してきましたが、めどが立たなかったことなどから、赤ちゃんポストの設置は難しいと判断したということです。

今後は育児の悩みをもつ親などからの相談に取り組むということで、市や児童相談所などと連携し、スタッフなどの体制を整えた上で、24時間の相談業務を始めることにしています。