三谷G1初制覇 日本選手権 【京王閣】

第71回日本選手権を制し、賞金ボードを掲げる三谷竜生
第71回日本選手権を制し、賞金ボードを掲げる三谷竜生
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決勝でゴールする1着の三谷竜生(2)、2着の桑原大志(8)、3着の浅井康太(9)
決勝でゴールする1着の三谷竜生(2)、2着の桑原大志(8)、3着の浅井康太(9)
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 京王閣競輪(東京都調布市)で6日間にわたって戦われたG1「第71回日本選手権」(ダービー)は7日、最終11Rで決勝戦が行われ、三谷竜生(奈良・101期)が、100期以降で初のG1ウイナーとなった。三谷マークの桑原大志(山口・80期)が、初のG1決勝で2着。3着は先行した深谷知広をマークした浅井康太(三重・90期)。3連単(2)(8)(9)で、8万7810円(237番人気)だった。三谷は優勝賞金6500万円を獲得するとともに、KEIRINグランプリ2017(GP、12月30日=平塚)の出場権を得た。6日間の売上額は約146億円で、目標額(155億円)に届かなかった。

■ヒーロー 3度目の挑戦で頂点

 ついに100期台のタイトルホルダーが誕生した。次世代の近畿の大砲として期待されていた三谷竜生(29)=奈良・101期・S1=が、3度目の挑戦となったG1決勝戦で1着ゴール。第71代のダービー王に輝いた。

 打鐘すぎの好判断が最高の結果につながった。「深谷君が強いので、番手か3番手を考えていました」。打鐘では九州ラインの後ろで3番手。8番手からカマしてきた深谷の後位に飛び付けない位置だったが、イエローライン付近まで上昇した山田-園田の内を一瞬にしてすくい、理想のポジションをゲットした。「内が空いたところで体が勝手に反応してくれた。深谷君が掛かっていて行けるか分からなかったけど、しっかりと踏み込んだ」。3番手から早めの追い込み勝負をかけると車は想像以上に伸びた。ラインの桑原を2着に引き込んだだけでなく、3着の浅井に1車身以上の差をつける圧勝だった。

 大学までラグビーをしていたが、父(典正=引退)と2人の兄(政史=93期、将太=92期)を追って競輪界に飛び込んだ。2013年のヤンググランプリで1番人気(3着)に推されたほどの好素材が、順調に成長を続けている。「選手になって良かった。父にやっとほめてもらえるかな。自分の中では(G1優勝まで)早かった気がしないけど、100期以降で最初なのはうれしいですね」

 今後は目標とされ、追われる立場にもなるが、「タイトルが取れたことを誇りに一戦一戦、また頑張っていく」と力こぶ。近畿だけでなく輪界全体を引っ張るニューヒーローとして、これからもバンクを疾走する。 (森川和也)

 ◆三谷 竜生(みたに・りゅうき)1987年9月5日生まれ、滋賀県大津市出身、29歳、101期。2012年7月デビュー。身長168センチ、体重77キロ、B型、師匠は三谷典正(49期=引退)。【通算成績】405走135勝、優勝22回(G1(1))。通算取得賞金1億9076万9211円。

■決勝戦VTR

 前受けは深谷-浅井。続いて平原-武田、守沢、三谷-桑原、山田-園田で周回。赤板を前に山田-園田が誘導を切る。三谷ラインはその後位。打鐘前に8番手から深谷がカマして先頭へ。山田は飛び付きを狙ったが、中部2車の後位は鐘4角で内をしゃくった三谷ラインが取り切った。HSで5番手山田の外まで踏み上げた平原は、山田のブロックに遭って2角捲り不発。4角先頭は深谷だったが3番手から三谷が直線で抜け出した。深谷を抜いた浅井と三谷追走の桑原がG前接戦となり、桑原が2着。

■戦い終わって

 桑原大(2着)最高です。何も言うことはない。自分のできる範囲で一生懸命に走った。最後は三谷君を思いっきり抜きにいって、気持ちは前に進んでいたが、脚はカックンカックン…。一歩前進できたと思う。

 浅井康(3着)残念…。深谷君が掛かっていたし、2人で決まったはずだったけど。後ろをけん制したし、もう三谷君はこれないと思っていた。三谷君が強かったね。

 武田豊(4着)平原君に全て任せていたので…。これが勝負。悔しいけれど、勝った三谷君が強かった。

 深谷知(5着)三谷君とは一緒に練習して、強いのは分かっていたし納得。脚のある選手が3番手できつかった。

 平原康(6着)HSでそのまま行ってしまえば良かった。捲れる感じがしたのに、休んでしまったから(山田に)ブロックを2発もらってしまった。悔しい。

 守沢太(7着)前受け以外なら深谷君の3番手と思っていた。でもやっぱり、終わってみれば(前受けでも)その位置に行った方が良かったですね。

 園田匠(8着)持ち味を出すところまでいかなかった。悔しいですね。決勝に乗れたので、次こそ。

 山田英(9着)平原君より前で勝負したかった。終2角で車体故障。一番いい場所から決勝戦を見ていました。

 2017/05/08付 西日本スポーツ

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