ゆるーい雑談から、ためになる深い話まで盛りだくさん“ゲームクリエイタートークライブ”リポート【マチ★アソビvol.18】

2017年5月5日~7日、徳島県で開催された“マチ★アソビvol.18”。2017年5月6日(土)、両国橋西公園ではゲームクリエイターたちが集う”ゲームクリエイタートークライブ”が披露された。

●ゲームクリエイターが徳島に集結!

 2017年5月5日~7日、徳島県で開催された“マチ★アソビvol.18”。2017年5月6日(土)、両国橋西公園ではゲームクリエイターたちが集う”ゲームクリエイタートークライブ”が行われた。アメリカザリガニ・平井善之の軽妙な司会進行のもとで、サイバーコネクトツーの松山洋氏、日本一ソフトウェアの新川宗平氏や同社の菅沼元氏、バンダイナムコエンターテインメントの坂上陽三氏らが登壇し、ゲームメーカーの垣根を超えたトークをくり広げた。


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▲インタビューなどでは見えてこないゲームクリエイターの素顔に迫るイベントということで、会場には多数の観客が訪れていた。写真は左から、アメリカザリガニ・平井、菅沼氏、新川氏、坂上氏、松山氏。

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▲日本一ソフトウェアの新川氏、菅沼氏と、バンダイナムコエンターテインメントの坂上氏は本イベントが初対面とのこと。壇上で名刺交換を行い、会場の雰囲気を和ませていた。

 イベントは、用意された質問に対して、登壇者たちがつぎつぎに応えていく形で進行。“日々の生活の中で、仕事のために心掛けていることは?”という質問に対しては、新川氏が「とりあえず、思ったことはやってみる」という近年の日本一ソフトウェアの多彩な作品とシンクロするようなスタンスを語り、会場を大いに盛り上げた。今年も、新しいゲームの投入や、岐阜で開催される“全国エンタメまつり”への参加など、ゲーム業界を活性化するための動きに積極的に参加していくことを表明した。


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日本一ソフトウェアの新川氏は、同社のマスコットキャラクターであるプリニーのキャスケットに、“マチ★アソビ”で販売されているサイバーコネクトツーのグッズを合わせたお祭りならではのコーディネートを披露し、会場を盛り上げていた。

 また、この質問に対し、『アイドルマスター』シリーズを手掛ける坂上氏は“時代性”というキーワードを挙げ、「制作物を作る際には、時代の流れを意識する」と語っていた。年をとると、時代の感覚とズレていくことも当然あり、そのズレが起こりうるものとして受け入れ、若い人の意見にも耳を傾けていくという坂上氏のスタンスは、登壇者たちにとってもクリエイティブのひとつのヒントになったようだ。


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▲坂上氏は“時代性”というテーマについて、『アイドルマスター』制作現場の空気を紹介しつつ語ってくれた。

 松山氏は、人気マンガ『喧嘩稼業』から引用する形で、“無極”というキーワードを紹介した。作中では、闘いのための強力な自己暗示術として描写される“無極”だが、松山氏はこれにヒントを得て、「0秒で気持ちを切り換える」という生きかたを心掛けているのだそうだ。ゲームという、おもしろさをユーザーのもとに運ぶクリエイティブに取り組むうえでは、こうした気持ちの切り換えが求められることも多いのだそう。ユニークなイラストとともにくり広げられる熱い松山節に、会場では笑いが起こる場面も見られた。


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▲イラストで“無極”の解説を進める松山氏。氏の即興のイラストは、会場の観客にも大好評。

 “ここ最近で、驚いたこと、印象に残っていることは?”という質問に対しては、菅沼氏と坂上氏が2017年3月に発売された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』と答えた。菅沼氏は本作の、ユーザーがやりたくなることに丁寧に応える部分に驚かされたそうだ。坂上氏も、本作の深みのある世界観や物語に惹き付けられ、スパイスのように見え隠れするちょっとした遊び心にも感銘を受けたと答えていた。


 1時間に及ぶトークは非常に盛り上がり、イベント終了時には登壇者へ大きな拍手が送られた。ゲームクリエイターの生の声を聞ける貴重なトークライブは、次回の“マチ★アソビ”でも開催を予定しているとのこと。興味のある方は、次回イベントの告知をお見逃しなく!


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▲『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を遊んだとき、クリエイターとしてこんなにおもしろい作品が存在することに「悔しい」と感じてしまったと菅沼氏は述べていた。