数日前からTVニュースなどで「黄砂」の予報が飛び交っていますね。
今日の黄砂状況はひどいらしく、ツイッターでは黄砂のつぶやきや、黄色く霞んだ町の写真などがどんどんアップされています。
黄砂が多くやってきているこの時期、あなたは「鼻がムズムズする」「くしゃみや咳が出る」いった症状がありませんか?
「あれ、花粉症になってしまったのかな?」
と疑う前に、症状を軽くするためにも「黄砂アレルギー」について理解し、対策をとってみましょう。
目次
1.「黄砂アレルギー」の原因と症状
「黄砂アレルギー」ということばは、ここ数年で多く使われるようになりました。そもそも「黄砂」って何なのか。よく聞く「PM2.5」とは何なのか。花粉症との違いはあるのか。
そのあたりをまとめてみました。
(1) 黄砂とは
黄砂とは、中国内陸部にある砂漠の砂が、いろいろな気象条件によって上空に巻き上げられ、中国大陸から日本の方へ吹く偏西風という風によって運ばれてくる粉塵です。
ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などの乾燥地帯の砂が風で舞い上げられ、3月から5月にかけて日本にまで飛来してくる自然現象です。
ちなみに、偏西風も黄砂も一年中日本にやってきていますが、春の時期は特に偏西風が強くなるため、黄砂の量が多くなるというわけです。
天気がよくて晴れているのに、空が黄色く霞んで見えたり、砂のようなものが車などにつもっていたりすることがありますよね。それが黄砂です。
大気中を移動する際に、大気汚染物質や微生物を取り込んで、それを運んでいることがわかっています。
黄砂についてよく分かる動画があったので紹介します。
(2) 黄砂アレルギーとは
黄砂アレルギーとは、黄砂によって引き起こされるアレルギー性の疾患のことです。花粉症と同じように、目や鼻、気管支、皮膚などに症状が現われます。
といっても、実は、「黄砂」自体はアレルギーの原因物質ではありません。
黄砂は岩石の主成分である二酸化ケイ素(SiO2)という物質でできており、この二酸化ケイ素がアレルギーを悪化させる原因と考えられています。
また、黄砂に含まれるカビやダニ、ほこりなどが原因となってアレルギー性疾患、アトピー性皮膚炎などを発症させたり、すでに発症しているアレルギー症状、喘息や気管支炎を悪化させたりすることもあるようです。
加えて、近年の中国の産業発展などにともなって、自動車の排気ガスや工場などから排出される有害物質、PM2.5のような人工的な物質も原因の一つと考えられています。
(3) 黄砂アレルギーの症状は
黄砂によって引き起こされる健康被害としては、以下のものがあります。
- 目の不快感やかゆみ
- アレルギー性結膜炎
- 鼻水
- くしゃみ
- アレルギー性鼻炎
- ぜんそく
- 気管支炎 など
他にも、鼻づまりが慢性化して副鼻腔炎や頭痛の症状を併発したり、喉のかゆみや咳が出たり、皮膚のかゆみや湿疹が出たりすることもあるようです。
女性だと化粧のりが悪くなったと感じる方も多いとか。
また、「花粉症かも?」と間違えてしまいそうですが、
- 「花粉症」は、花粉がアレルギーの原因となって症状を引き起こすもの
- 「黄砂アレルギー」は、アレルギーを悪化させるもの
と考えるとわかりやすいと思います。
すでに花粉症の場合は、黄砂が多い日と少ない日で症状が変わってくることになりますね。
2.黄砂アレルギーの対策
次に、黄砂アレルギーへの対策をまとめてみました。
(1) 黄砂と花粉の大きさ違い
粒の平均の大きさは、以下の通り。
- スギ花粉 30μm (0.03mm)
- 黄砂 4μm (0.004mm)
- PM2.5 2.5μm
- DEP 0.5μm
※ DEP(ディーゼルエンジンの排気に含まれる微粒子成分)
「μm」は、「マイクロメートル」と読み、1mmの1000分の1の大きさです。
花粉と黄砂では10倍も差があることがわかります。黄砂よりPM2.5はさらに小さいですね。
(2) 黄砂の対策
黄砂への対策を挙げてみます。
- マスクやメガネを着用して体内への侵入を防ぐ
- 室内では空気清浄器を使用する
- なるべく外に出ないようにする
- 洗濯物を屋外に干さない
- 室内に入る前に衣服についた黄砂をはらう
いろいろ考えられますが、花粉と同じように「いかにして体内へ取り込まないようにするか」に尽きると思います。
そのためにも黄砂の予報や情報をチェックして、多い日にはPM2.5対応の目の細かいマスクやめがねなどを着用して、体内への侵入を防ぐようにしましょう。
花粉症などのアレルギーをもっている人は特に気を付けたいものです。
3.黄砂情報を知るには
黄砂情報の実況図をみるには、気象庁のサイト!
⇒ 気象庁
手軽に見られるようにするにはこのアプリを!
他にもいろいろなサイトがあって、市町村のピンポイントで知ることもできます。
また、ツイッターなどのSNSで情報が拡散している場合もありますので、「黄砂」とあなたの「居場所」とで検索してみるといいかもしれません。
まとめ
黄砂アレルギーは、アレルギーの原因そのものではないようですが、すでにあるアレルギー症状を悪化させたり、新たな症状を発症させたくありませんよね。
なので、最も大事なことは、花粉と同じように、
- 体内に取り込まないようにする
- 体内への侵入を許さないようにする
という対策が必要です。目の細かいマスクなどの着用のほかに、洗濯物を干すときや帰宅時も注意しなければいけませんね。
花粉情報をチェックし、積極的に利用していきましょう。