投資はギャンブルではない
結論から言おう。投資はギャンブルではない。
しかし、「投資はギャンブルである」派からは主に2つの反論をもらうことが多い。
1つ目は「投資でとても損をした人の話を実際に聞いたことがある」「投資をして何千万円も損をしたことのある人の話をネットで見たことがある」という反論。実際に投資でギャンブルのように損をしたことのある人のことを見たり聞いたりしたことがあるからギャンブルと同じなのではないか、という論理だ。
2つ目は「元手から増えるのか減るのか分からないならギャンブルと一緒じゃないか」「損するリスクを背負うのであればギャンブルと同じじゃないか」という反論。確実に増やせる確証がないならギャンブルと同じなのではないか、という論理だ。
どちらもきちんと論破しようと思うとなかなか難しい強敵だが、論争決着に向けて完膚なきまでに論破したいと思う。
【論破①】帰納法的思考はあっぱれ。しかし例外には弱い。
まず1つ目の論理を論破したい。1つ目の論理は「実際に投資でギャンブルのように損をしたことのある人のことを見たり聞いたりしたことがあるからギャンブルと同じなのではないか」、という論理だ。
その帰納法的思考はあっぱれである。世の中の一般的な事象から普遍的な法則を見つけ出そうとする姿勢は賞賛に値する。
しかし、帰納法的論理は脆い。なぜなら例外を出された瞬間にジェンガのように音を立てて崩れ去っていくからだ。そう、実際に投資で得をした人、お金を増やした人の例を出したら論破されてしまう。
有名なのはウォーレン・バフェットだろう。
彼はギャンブルで巨万の富を築き上げたのだろうか?
否、彼は投資によって巨万の富を築き上げ、世界に名を轟かせるほどの資産家になったのである。
【論破②】リスクを背負うのは同じ。だが期待値が違う。
2つ目の論理を論破したい。2つ目の論理は「確実に増やせる確証がないならギャンブルと同じなのではないか」、という論理だ。う〜む、ごもっともな反論である。
確かに「お金を減らすリスク」を背負うという点では投資もギャンブルも共通している。「投資をしたら必ずお金を増やすことができる!」とは、私も断言できない。
しかし、実は投資に独特なお金の増え方がギャンブルに見えているだけなのだ。投資はお金の増え方が貯金のように一次関数的に増えていくわけではない。
例を使って説明しよう。
まずギャンブルのお金の増え方。分かりやすいように単純なギャンブルを例にする。20万円でサイコロを振れる。1が出たら100万円、2~6が出たら0円というルールだ。
この時、お金を支払って時点でその人の所持金はマイナス20万円である。そして、サイコロの目が1だった場合はプラス80万円、2~6だった場合はマイナス20万円となる。
期待値は100万円×1/6+0×5/6=17万円となるため、このギャンブルを永遠に続けると17万円を獲得できる計算になる。6回に1回は100万円を獲得できるというわけだ。しかし、20万円を支払っているため17万円を獲得しても3万円損している。
このように、ギャンブルはお金を減らすリスクは同じだが、永遠に続けると絶対に損するようにできている。違う言い方をするとギャンブルを主催している側が確実に儲かるようにできている。(ちなみに宝くじも同じやり方で儲けを出している。)
一方、投資のお金の増え方。確かに「お金を減らすリスク」を背負うが、期待値はプラスになる。(ただし、前提として時間とともにお金に関する知識とスキルを身に付けていけばの話。投資をしていれば期待値が単純にプラスになるというわけではない。)
私の例を話そう。初めての株式投資で運が良いことに30万円を元手に6万円を儲けた。しかし、その後36万円を元手に10万円を損した。悔しさから投資の知識とスキルを身につけたことで、その後26万円を元手に15万円を儲けた。
このように投資は一時的に損をすることはあるが、自分自身の知識とスキルを身に付けることで期待値を上げていくことができる。投資はお金を減らすリスクは同じだが、永遠に続けると自分次第でお金を儲け続けることができる。
まとめ
⚫️投資でお金を損している人もいれば儲けている人もいる。投資で大損している人の話を聞いたからといって投資がギャンブルであるとはならない。
⚫️ギャンブルと投資はお金を減らすリスクは同じ。だが期待値が異なる。
⚫️ギャンブルは期待値が必ず損するように設定されるため、儲かるかどうかは運に任せるしかない。確実に儲けているのは主催者側。
⚫️投資は期待値を上げられるかどうかは自分次第。知識とスキルを身につけなければギャンブルと同じ。だがきちんと知識とスキルを身につければ期待値を上げることができる。
以上より、「投資はギャンブルであるVSではない」論争は「投資はギャンブルではない」の勝ちとする。(今「お前が勝ち負け決めるのかい」というツッコミをしてくれた人は、とても優しいね。ここまで読んでくれてありがとう。)
完膚なきまでに叩きのめしてやった。反論のある人はコメントしてね。
以上!