2017-05-07
『選挙時、非民主国家がハッキングでの情報を暴露し民主国家の投票結果を左右する」という手法、これから構造的にずっと続くんじゃないだろうか?
時期的にも直前すぎて、今回に限っては結果を覆すまでには至らないだろうけど
マクロン氏陣営「サイバー攻撃受けた」 大量の文書流出 仏大統領選 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News http://www.afpbb.com/articles/-/3127339
この手法は民主主義国家と非民主主義国家が対峙したとき、どうしようもない非対称として今後も存在していくんじゃないか?が不安。これらがロシアの仕業だとして、この手法がロシアにとどまる訳がないと思う。 / “マクロン氏陣営「サイバー攻…” https://t.co/QdX8QshZAa
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年5月6日
昨年のアメリカ大統領選で、ヒラリー陣営のスキャンダル流出にロシアがかかわっていたという報道の時に、この件は強く思ったが書く機会がなかったので、いまあらためて書こう。
箇条書きにすると、うーむと自分が脅威に感じてるのがわかりやすいかな。
・ぶっちゃけ「選挙」というのはどこまでいっても綺麗ごとでない闘争。「頭をたたき割る代わりに頭数を数える」制度であり、合法・非合法も含めて、各陣営とも裏に回れば一般人は「ひく」ようなことは色々あるだろう
・そして、国家組織ならそれなりに防諜やサイバー侵入阻止の対策もかっちりしてるだろう。しかし選挙は、個々の政党・候補者といった「非・官」同士の争いであり、またすごく多数の人々がかかわる。サイバー警戒、防諜に関して国家機関同士が争うより甘くなることは確実。情報とコミュニケーションも通常の何倍も飛び交う。
・これらの暴露合戦は、その国の陣営同士では「うちもやってるしな、それがばれたら…」「お互い様」「ブーメランになっちゃう」という意識が相互に抑制する効果をもたらすだろう。
・だが、よその国から、国家的情報機関が総力を挙げて、どこかの国でターゲットとした「陣営」に侵入工作したら?
・国のほうは、自分にとって目障りな陣営の醜聞「だけ」を選んでリークできる、選択権の強みがある
・どんな汚い手段で得た情報でも、それが事実だったら、報道機関がそれに乗っかるのもある意味正しいジャーナリズムだ(※「この醜聞はどこかの国の思惑があるだろうから、事実だろうけど報じません」が正しいあり方ともいえない)
・これを封じるための手段である「それならうちもやり返すぞ、いいんだな?」という力の均衡は、「ざーんねんでした、うちは民主国家じゃないから、選挙の時にスキャンダル暴露されることを心配する必要はありせませんでーす」とかえってくる。
・この不均衡は、構造的なもの。
・いまはロシアが注目されているけど、こんな効果的な手法、サイバー攻撃を国家的に行える力のある非民主国家には今後拡散しまくるんじゃないか? 中国、北朝鮮・・・・・・・・・・・。
と、いうお話。
ある意味でいえば、テレパスが選挙に関わるとSF的に考えてもらってもいい。
「えっ、この候補、援助交際大好きで、中学生を・・・・・・・・・これ、ひくわー」
とか、秘密をいくらでも発見できるテレパスがいて、「ふっ、どいつもこいつも信用できないさ」と中二的ニヒリズムになったり、「全員許せない!! 候補者全員のスキャンダルを平等に暴いてやる!」と中二的正義感を暴走させるならまだいいわ。
この超能力者が、カネか、あるいは自分の利害やイデオロギーに基づいて
落としたい候補のスキャンダルだけをメディアにリークする・・・・・・
そんなことが可能になったら?
相当に選挙結果を、そのテレパスが左右できることになるのではなかろうか。
今後の日本の選挙だって、そんな力が本格的に介入することはあり得るだろう、と思うのです。
また、それが逆に作用して、どんなスキャンダルが表面化しても「これはXXX国の情報機関が選挙を左右しようとリークした情報だ!わが党は毅然とこの卑劣な工作をするXXX国に立ち向かう!」とか醜聞が明るみになった政党や候補者が言い出し「いやそれはそれとして事実なんかよコレ」という話が、おいてけぼりにされる…とかね。
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