毎日新聞のアンケートによれば、現在要介護3以上が入所要件となっている特別養護老人ホームで、要介護3の高齢者の入所を見合わせている施設が2割あることがわかりました。
特養入所は要介護3以上のはず
次の認定で要介護2になることを危惧
高齢者の数が年々増加しており、内閣府によると現在の高齢者人口(65歳以上)は3,392万人。総人口の26.7%に上ります。(平成27年10月1日現在)
自宅での介護負担も重くのしかかってきていますが、高齢者の施設入所については、平成27年4月の介護保険法の改正により、要介護3以上の人のみという要件が設けられました。
実際には、要介護1、2の人でもやむ負えない諸事情があれば入所できることになっています。
しかし、実際の現場ではどうなのでしょうか?
施設側の思惑とは?
要介護4.5以上と要介護3
介護報酬の高い要介護4.5を受け入れたい施設側。
介護報酬の加算や要介護認定の不確かさを理由に施設側が受け入れを敬遠したため、約2割以上の施設に空きがあるとみられています。
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2018年の介護報酬改定は、2025年への通過点に過ぎません。日本は2025年に団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、これまで経験したことがない時代を迎えます。生産人口は減少により、医療と介護を中心に社会保障の破綻は目前。そうした状況を鑑みて、介護報酬改定の影響を予想しました。
・介護報酬・医療報酬はダウンする
報酬がアップできる要素が見当たらない。報酬を減らして加算を創設するかも知れないが、どこも人手不足で加算の対象にならず、実質的に減収になる事業所が増加する。
・介護事業所の倒産が増加する
すでに過剰供給気味であるにもかかわらず利用者が限定され、多くの介護事業所が倒産。急速に事業展開している事業所は、資金繰りや職員教育が追い付かず危険性が高い。医療機関も倒産するところが出てくるだろう。
国は、過去半年~1年の新規入所者に占める要介護4、5を7割以上にすれば介護報酬で高い加算をつけるとしていますが、今の現状では、3割程度が「算定できなくなると厳しい」と回答しています。
つまり、介護度の高い入所者は報酬額も高いが、そうでない、または介護度が下がる見込みのありそうな利用者(要介護3)は、初めから入所を控える傾向にあると考えられます。
ますます、高齢化の進む日本。
国は、住み慣れた地域での在宅生活(自宅やサービス付き高齢者住宅も含む)を推奨し、地域包括ケアを目指していますが、それには高齢者の経済的負担も大きいということを、もっとしっかり認識してほしいものです。
出典 http://cdn-ak.f.st-hatena.com
特別養護老人ホームの入所に制限が出て、原則介護3以上になっています(*_*)
— イデア@介護支援専門員 (@takeda_idea) January 12, 2017
介護1、2の認知症の人の行き場が本当に狭くなっています(*_*)
今更ながら、ヒシヒシと感じております(*_*)
私の地域は、グループホームは埋まってます。特養はガラガラ(*_*)
介護はビジネス。採算性が悪いことはできない。財源範囲内で特養入所規制を緩和すべし。
— 石川和男(政策アナリスト) (@kazuo_ishikawa) May 5, 2017
『介護離職ゼロ化』を目指す施策に特化するなど、介護保険事業範囲を限定的にせざるを得ないだろう…
〜<特養>要介護3、受け入れ敬遠 2割以上に空き https://t.co/AR4QDXmCab