このお話は、以前に子を持つ親からお叱りを受けた記事の再投稿です。
親の期待が子供を駄目にする。昔からよく聞く言葉ですが、子供に期待する気持ちが親を駄目にすることもあります。
今、その時のことを思い出すと、親としてのあるべき姿を見失っていた自分に腹が立ちます。今回はそんな私が反省の意味を込めて書いた記事になります。
実はこの記事は以前にサイバーエージェント社のSpotlightのライターをしているときにも投稿をさせて頂いたことがある内容です。
しかし、反響が大きくあり、もう一つの私のアメブロのブログにお叱りのメッセージが数件届きました。
これは2年以上ライターをしてきた中でとても珍しいことで、Spotlightの中ではコメントを残せないため、どうしても許せない記事や、大きく心を動かされた記事の時だけ、そのライターさんのブログにメッセージが来る時があるんです。
わけあってその記事は削除しましたが、もう一度ここで書きたいと思います。反省の意味も込めて。
幼稚園の娘に言った言葉
「どうして〇〇ちゃんは出来ているのに出来ないの?」
「そんなことじゃ〇〇ちゃんに勝てないよ」
娘に言った言葉です。この言葉は娘が可愛くて仕方がないから言った言葉です。
娘が心配で仕方がないから言った言葉です。
しかしその言葉がどれだけ親の気持ちと逆の結果をもたらすかを私は知りませんでした。
娘が幼稚園の時、幼稚園の工作の展示会に嫁と娘と私の3人で見に行きました。
見に行き驚きました。
所狭しと展示されている作品がみんな生き生きとしたもので、絵も必死に描いたのが伝わってくる。紙ねんどの作品もとてもリアルに作られている。素晴らしい。
入口から年長さんの作品、年中さんの作品。年小さんの作品と順番に並んでいました。年長、年中、年小と比べると明らかな差があり、子供の成長というものを目で感じられました。
我慢できなくなりました。
うちの娘は年中でした。「パパ、探してみて」と娘に言われ、必死で娘の作品を探すと見つかりました。リンゴの絵でした。正直期待したレベルの絵ではありませんでした。
他の子の絵がとっても良く見えてきました。我慢できなくなり、「○○ちゃん(よその子)は、いっぱい色を使ってるし、上手いなあ~」「それに年小さんでもこんなに上手い絵を描く子がいるよ」と言いました。
次に紙ねんどの作品を見ました。娘は怪獣という名の作品を作っていました。横の作品を見ると娘と仲の良いA子ちゃんの白クマという名の作品がありました。白クマの作品がとても素晴らしいものに見えました。
我慢できなくなりました。「ほら見て、白クマ、とっても似てるね」「こんな感じで作ってみたらいいのに」と言いました。娘は無言でした。
嫁さんが「もう帰ろう」と言いました。
「え?もう帰るの?」私は思いましたが仕方なく3人で帰ることにしました。帰り道、娘は無言でした。
その様子を私は見て「パパがあんなことを言ったのは頑張ってほしいからなんだよ」「やれば出来るんだから言ってるんだよ」「心配だから言ってるんだよ」と娘を思う気持ちから出た言葉だと言うことを説明しました。
「もう見に来ないで」と宣告されました。
嫁さんは「そんな事言って可哀想じゃないの」と怒りました。そして娘に「もうパパには見に来てほしくないよね?」と言いました。娘はその言葉にコクリとうなづきました。
落ち込みました。
何で?娘が好きだから、娘が心配だから、娘に頑張ってほしいからなのに、どうして?後になり、ゆっくりと自分は何が悪かったのか考えました。展示会という場にはふさわしくない言葉であることに気付きました。
娘の心を大きく傷つけたと反省しました。
展示会で私に大きく自分の作品を自慢したかったのだと思います。そのために一生懸命描いたのだと思います。一生懸命作ったのだと思います。それなのに、その頑張りを認めることなく批判ばかりしました。
嫁さんにお願いしました。
「反省してる。良かれと思って言った言葉があの子を傷つけたことについて。これからは気をつける。だから、今度も展示会があれば一緒に行きたい。」と嫁さんに言いました。
そして娘の頑張る姿には出来るだけ褒めてあげるようにしました。そして次の展示会は一緒に行くことができました。
最後に
このままじゃ駄目だ。周りの子たちと比べて自分がどの位置にいるのか知って頑張ってほしい。その親の焦りが子供にとって大きなストレスになることを知りました。
人と比べられて「何くそ~」と思えるのは、それまでの自信の積み重ねがあってこそ思えるのです。その積み重ねがない状態で比べられたら最初から出鼻をくじかれたようなものです、
他の子と比べる前に、自分の子は一生懸命頑張っているのじゃないか?前よりもずいぶん成長したんじゃないか?ともっと認めてあげることに重きを置いた方がいいと思いました。
子供が可愛いからこそ、周りと比べてしまう。ついつい競争をあおるような言葉を言ってしまう。わざとではないのですが知らず知らずに子供を傷つけることもある。
自分が逆の立場で親から出鼻をくじかれたらどんな気持ちになるのか?そんなことも想像できないのは親として失格だったと反省しています。
何年も前のことですが、私のアメブロのブログへのお叱りのメッセージでも・・・
「あなたのしたことは最低です」
「同じようbな年頃の子を持つ親として許せません」
「あなたがもし、逆の立場で受験に失敗して親から非難されたらどう思いますか?それと同じです」
と言った内容でした。
正直言って、今思えば何という馬鹿な親なんだと自分で思います。完全に競争心に目がくらみ、親としてあるべき姿を見失っていたのでしょう。
どの親にとっても子供のことが心配で可愛い存在だと思います。しかし、親としての考えが未熟だとこのようなことを悪気なくしてしまうのでしょう。
ほとんどの方は、「親の過度な期待は子供を苦しめる」と知っているとは思いますが、中には私のように競争心に目がくらむ方もいると思うんです。
そんな方の少しでも反面教師になれればと思いこの記事を作成しました。