学友はペッパー君 滋賀・草津の15小中校
ロボットとの会話を学びに生かそうと、本年度から滋賀県草津市の15小中学校に人型ロボット「Pepper(ペッパー)」が登場する。情報通信大手のソフトバンク(東京都)が全国17自治体の公立小中学校に3年間無償提供するプロジェクトの一環で、京都や滋賀では草津市に唯一貸し出される。市教育委員会は「ペッパーをうまく動かすには仲間同士の議論が重要。共同の学びにつなげたい」と期待する。
ペッパーは身長約120センチ、重さ約30キロ。人の感情を読み取って会話するほか、赤外線センサーやタッチセンサーを搭載し、物の高さや距離、触れられたことを検知する。入力した言葉を話せるほか、ラジオ体操などもできる。
草津市では全14小学校と老上中に5~7台ずつ計100台が配備され、小学校では4~6年が総合的な学習の時間で活用する。具体的には、ペッパーと会話することを通して論理的な思考を育んだり、ペッパーを思い通りに動かすための初歩的なプログラミングを学ぶことなどを想定している。
このほど教員向けの研修会があり、ソフトバンク社員からペッパーの扱い方を教わった。ペッパーに簡単な単語をしゃべらせようとしても、漢字や平仮名など入力方法が異なるとイントネーションが変化し、教員たちも正しく発音させるのに一苦労。「課題に対して子どもたちが楽しくアイデアを出し合えそう」と効果を期待する声が聞かれた。
ペッパーの日常会話は人間顔負けで、「今、忙しい」と伝えると、「最近、世の中めまぐるしいよね」などと答えてくれる。研修会に参加した草津小の岡﨑仁志教諭(41)は「会話をするにも、前後のやりとりを整理して組み立てる必要がある。物語などの文章構成を把握する力にも役立ちそう」と話していた。
【 2017年05月06日 23時12分 】