◆ブレア・ウィッチ 鑑賞◆
(原題:Blair Witch)2016年公開
上映時間:90分
オススメ:★★★★★
・監督:アダム・ウィンガード
代表作:「サプライズ」(2011年)
「ザ・ゲスト」(2014年)
・脚本:サイモン・バレット
★出演者★
ヴァロリー・カリー(「ザ・フォロイング」2013年~)
ジェームズ・アレン・マキューン(「オーバードライブ」2013年/「ウォーキング・デッド/シーズン2」2011年)
ウェス・ロビンソン(「ディテクディヴ」(2006年)) 他
◆summary◆
寝かせれば寝かせるだけ味わい深くなるものがある。
ワイン、ウィスキー、古酒、女房に理論爆弾に陰謀ってオイっ。
寝ている時間が20年、30年ともなるともはやそれは世代を飛び越えて
伝えられる過去からの贈り物(Gift)だ。
つい先日起きた大きな出来事でも、数年後には「あの時の出来事」になり、
四半世紀も経てばアーカイブされた「記録上の出来事」になり、
その中のほんの一握りが幸運にも「歴史上の出来事」としてアイコンになる。
伝えられる方法はいくつもあり、どんなものでもデジタルアーカイブできる現代ではなくむしろ過去の方がその種類も手法も豊富に思える。
それ故、カタチも変わりやすい。
よく解らないものは忌み嫌われ、疎まれ、囲い込まれて、追いやられる。
まるで森の中にでも隠してしまうように。
解らないから怪しく感じるし、それが長じて助長されるのは恐怖だ。
その原始的な感覚が事実を覆い隠してしまって、感情的なものばかりを未来へ置いていく。禁忌とは何世代もの間に多くの人達の中を駆け抜けた「思念」でもあるのだ。
触ってはいけないものって、この世の中には確かにあると思う。
ただし触ってはいけないものの中には「解明できるもの」と「そうでないもの」がある。
質が悪いことに禁忌とは人間の心を引きつけてやまない甘美さを含んでいる。
『怖いもの見たさ』という好奇心を。
◆comment◆
面白かったです!
理解するのに2回観ました!
いやぁ、爆発的に亜種を産み出したエポックメイキングなこの映画。
1999年の前作から、17年の時を経て「ちゃんとした続編」が公開です。
心霊モノの原則と言いますか、こういう物語の教訓は改めて言うまでもないですが
「死者に限らず得体の知れないものとは興味本位で関わってはいけない」
というものだと思います。
根底は夜道は危ないから明るくて人通りの多い所を行きなさい、ってものと同じ。
自分の身を守るための例え話という側面が強かったのでしょう。
それは取りも直さず関わってしまう人が後を絶えないからで、まさに絶えないからこそ、こうした物語が成立するのですよねぇ。
スプラッターホラーではなく、顔を覆っても指の隙間から見ちゃうような恐怖。
それが程が良い(笑)というか、好奇心をくすぐるのはこのラインの恐怖なんだと思います。故に感じる怖さもちょうどいい。
それに99年の当時も、現代も「誰かが代わりに探ってくれたものを見る」っていうのは観る側からすると想像力を膨らませることができる貴重なソース(情報源)ですね。
ブレア・ウィッチ・プロジェクトって、まさにプロジェクトであって情報途絶下の人間はどうなっていくのか?という「視覚的に感じる恐怖」と、観客が散りばめられた副次情報を自分で調べて「補完していくことでより感じる恐怖」のふたつを意図して創られた一大エンタテイメントだと考えています。
(ま、このやり方はクローバーフィールドでより深まったけど)
今作はどうかというと、、、謎をあんまし深く事前に情報拡散していないところが良かった。
※注意※本作は是非、前作をご覧になってからお楽しみください。
一見さんお断りな頑固親父のラーメン屋的雰囲気があり、好きです♫
物語はあの惨劇から時が経った現代。
前作の主人公ヘザーの弟ジェームズがyoutubeで偶然見かけたある動画が見つけたところから始まります。
キテるよ、うん、この動画の雰囲気、よろしい。
前作の最大の謎であるあの「ファッキン・ダンジョンハウスin the hell」じゃないっすか。
今作は「ブレアウィッチ」を探しに行くのではなく、「失踪した姉ヘザー」を探すためにパーティが組まれます。
もちろん当時よりも進化した装備がデーンと出て来る様には、さぞかし前作よりも素晴らしい旅になること請負なし!と期待に胸が膨らみます。
ドローン、アクションカメラ(一人一台)、GPS、無線、コンパクトデジカメ。
ジェームズの友人2名とカメラマンの女性。そしてあと2人が加わる大所帯。
あぁ、じゃあ今回は楽勝だって空気がプンプンです。
でも、ちょっと待て・・・・
冒頭で流れたテロップを思い出せ。
そして、後は察せよ。
そうか、そうか。
この世ならざるものが、フェイクであるかも?って不安を煽ったり、
現代装備がどこまで事態に対処できるのかってのもキーポイントだったりと芸が細かい。
これはブレアウィッチなんだと観る側に(森に踏み入った彼らに)視覚的に教えてくれるのはありがたい(冷静に考えると、現実だったら粗相するぐらい怖い)
それに「見えすぎない」ところも画面から目を離せなくするのに効果的。
今作は堰を切ったように異常事態の強襲作戦が始まる分、途中だらけ気味だった(でも状況理解のためには必要だった)前作に比べると「寄せてきてる」感はありました。
踏み入っては行けない場所って、あるんだよ。
知らないほうが良いこともあるんだよ。
でも、もはや魔女伝説じゃなくなってますやん。。。
暗い森って、どうしてこんなにも人の恐怖を掻き立てるのか。
夜中カーテンを閉め切り照明を落とした部屋の中で、是非ヘッドフォンを着けてお楽しみください。
この映画はこれでいいのだけど、アレ出しちゃいけないんじゃないかなぁと少しだけ残念なものをワタクシは観ました(汗)
特にラスト3分―
え!?アンタ誰!??白パ○×△!?!??!?!?!?
アンタRECから来たの!?!?!録画してるだけに!?!?
って、ロケラン撃つんだー!!!!!!
え、3時間クリアしてない!?!?!
「本当にごめん」じゃねぇよ!?!?!
あ、あべし!!!
(inspired by いろんな名作)
発端となったyoutubeの動画も無駄になっていない。
ワタクシもちゃんと拾いましたよ。
鑑賞後にはきっとgoogle先生が活躍するでしょう。
禁忌に触れた彼ら6人が一体どんな体験をするのかを是非見届けてもらいたいです。
あれだな、
次回作は第75レンジャー連隊(フォースリーコン)でもこの森に投入するべきですな。もしくはジェイソン・ボーンを呼んで来なさい!今すぐに!キャプテン・アメリカでもいい!
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