超厳重!「AKB総選挙」投票システムの裏側
システム管理者すら投票結果は知らない?
「謹んで今年度の総選挙、第1位を獲得いたしました方を発表させていただきます。指原莉乃!」――。2016年6月、新潟市内で開催された「AKB48 45thシングル選抜総選挙」開票イベント。指原莉乃が総選挙史上初の連覇を達成した瞬間、会場には大きな花火が何発も打ち上がった。
2009年の第1回総選挙から今年で9回目となるAKB総選挙。選挙後に発売されるシングルの参加メンバーをファン投票によって決定する。昨年は参加メンバーの座(80名)を巡って、総勢272名がしのぎを削った。アイドルがうれし涙や悔し涙や流す真剣勝負はもはや毎年の恒例行事だ。
システム管理に弁護士が立ち会い
華やかな総選挙の舞台裏では、アイドルに負けず劣らず、ある企業の真剣な戦いが繰り広げられている。インターネットでのデータ管理事業を営むパイプドHD(ホールディングス)だ。2011年の第3回選挙から第8回選挙まで第三者機関としてAKB総選挙のシステム構築、運営や集計業務を担ってきた(第9回は未公表)。いわばAKB総選挙の“選挙管理委員会”だ。
AKB総選挙では、公式ファンクラブ会員やシングルCD購入者に対して投票権が付与される。CDには投票に必要となるシリアルナンバー(16ケタ)が同封されており、ナンバーを入力することで投票サイトにアクセスできる。あとは投票したいメンバー名を選択すれば投票は完了する。昨年は5月31日から6月17日までの投票期間に、総数325万票が投じられた。
AKB総選挙の投票システムには2つの大きな課題がある。不正投票などへのセキュリティ対策と、膨大なアクセスによってサーバーにかかる過剰な負荷への対応だ。