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自ら立ち上げた投資運用会社レオス・キャピタルワークスで取締役最高投資責任者を務める藤野社長。運用を手掛ける「ひふみ投信」は、格付投資情報センター(R&I)が選定する「R&I ファンド大賞 2017」のNISA/国内株式部門で、最優秀ファンド賞を受賞するなど、高い評価を得ている。一方、苦瓜シニア・ファンドマネジャーは、年間800件以上の会社面談など膨大な調査を通じて、「大和住銀 日本小型株ファンド」、「JーStockアクティブ・オープン」など運用するファンドで実績を残している。
ーー藤野さんと苦瓜さんは、ともに中小型銘柄を投資対象にファンドの運用に携わってこられました。お互いにどのような印象を持っていますか?
藤野英人氏(以下、藤野):苦瓜さんのファンドマネジャーとしてのすごさは、「変わらない」こと。変わらずに好奇心を持ち、多くの会社面談、調査、工場見学などを積み重ねてきている。アナリストを含めて、会社との面談の数でも傑出した存在ではないかと思う。圧倒的な企業取材の量が、高い質の運用を生んでいる。
保有している銘柄は「渋い」。グロース(成長)株もないことはないが、バリュー(割安)銘柄が中心。その根底にあるのはマーケットに対する信頼だと思う。この業界ではよく、カタリスト(株価変動のきっかけになる材料)がある銘柄に投資するといいという。しかし、それは「カタリストがなければ株価は上昇しない」と、マーケットを見くびっているとも言える。
苦瓜さんは投資家から見過ごされているような会社であっても、きちんとした経営をして業績がともなえば、カタリストの有無にかかわらず、マーケットが必ず発見するという揺るぎのない自信を持っている。
このような信念を持った投資姿勢が、結果的に高いパフォーマンスを生んでいるといえるだろう。マーケットの状況によっては短期的にパフォーマンスが落ちてしまうことはあるとはいえ、それでも揺るがないことが数年のスパンでみればいい結果を生んでいる。これが私なりの「苦瓜論」だ(笑)
苦瓜達郎氏(以下、苦瓜):結局、マーケットへの信頼しか拠り所がないということだろう。もちろん、マーケットそのものは、短期的には間違えることもある。いわば、「横暴な上司」のようなものだと思っている。
言っていることは間違いばかりだし、下品なところもあったりする。でも、普段は知らないふりをしているくせに、私の知らないことを山ほど経験していて、ここぞというときに教えてくれる。お給料をくれる人でもあって、「最後にはこの人についていけば間違いはない」と思わせてくれる。普段は近くには寄りたくないけど(笑)
藤野:理不尽だしね。突然抱きしめてくれたと思えば、ビンタされたりする(笑)
苦瓜:マーケットに抱きしめられた後は、だいたい距離をとったほうがいい(笑)。藤野さんに対する私の印象としては、まず、こういった形で独立系の資産運用会社を作られたことに敬意を持っている。また、個人の方に納得していただいて投資信託を買っていただくためには、ファンドマネジャーとしての考え方を外に向けて発信していく必要もある。その点で藤野さんは人間的な魅力もあって、個人を売るということをやってこられている。グロース型ファンドとして哲学をもった運用をされて実績も残している。