森のキノコが水玉模様なのはベニテングタケ、
カチカチ山のカチカチ鳥というのはジョウビタキ、
かぐや姫が生まれた竹はキンメイモウソウチク…等々。
最近、小説よりもこういうライトな読み物を読みたい傾向にあります。
「桃太郎が鬼退治に出かけたのは、じつはモテるためだった!」「浦島太郎は、竜宮城で身長68メートルの巨人になっていた!」だれもが一度は読んだり、聞いたりしたことがあるおとぎ話や昔話―当たり前のことと思っていた事実を詳細に科学的に検証していくと、意外な真実がわかってきた!生物学・植物学を駆使してその謎に迫る刺激満点のサイエンス読み物(アマゾン・レビューより引用)。 蓮実 香佑(著)『おとぎ話の生物学―森のキノコはなぜ水玉模様なのか?』 |
各話の冒頭、著者が愛娘の「サッちゃん」におとぎ話を読み聞かせるところから始まり、
おとぎ話のなかに散りばめられた謎を考察していくという流れになっています。
生物学というより雑学というか…とにかく堅苦しくなく大層読みやすいです。
タイトルに「生物学」と銘打ってありながら
民俗学とか文化学とかもかなり混じってますけどね…楽しいから全く問題ありません。
現代の目線からおとぎ話を解釈するとこうなりますよ、という印象。
ちなみに内容は以下のような感じ。
1.桃太郎はどうして鬼退治に出かけたのか?
2.ウサギはなぜカメに負けたのか?
3.竜宮城はどこにある?
4.森のキノコはなぜ水玉模様なのか?
5.オオカミなんか怖くない?
6.スズメのお宿はどこにある?
7.タヌキは本当に化けるのか?
8.カチカチ鳥の正体は?
9.本当にキリギリスが悪いのか?
10.ジャックと豆の木は天に届いたのか?
11.世界で一番大きい生き物はなに?
12.カキの種に価値はあるのか?
13.かぐや姫はなぜ竹から生まれたのか?
目次としてはこの13話ですが、
ひとつの話のなかに、別のおとぎ話についても言及しているので
実際は倍以上のおとぎ話が取り上げられています。知らない話も結構あったりして。
そんなおとぎ話に登場する生き物の種類や生態などが
物語成立の背景と絡めて解説されているところが興味深かったです。
本筋とはズレますが、個人的に衝撃だったのは「アリとキリギリス」。
食べ物のなくなった冬にアリが働くことの大切さを説きつつ、
キリギリスに食べ物を分け与えてあげるという結末ですよね。
しかし、これは改変されたもので、元ネタはアリはキリギリスを助けずにキリギリスは餓死し、
それをアリが食べてしまうという
そうかー…、キリギリス死んでしまうん…(´・ω・`)