アクセルとブレーキの踏み間違え事故防止装置は低コストで実現可能

最も優れた性能を持つマツダの自動ブレーキでも飛び出し事故は100%防止出来ない

大分県で病院に軽自動車が飛び込むという事故が起きた。ブレーキ痕が無く原因はアクセルとブレーキの踏み間違えだろう。TVなどの報道を見ると「暴走事故防止のため自動ブレーキの標準装備化を急ぐ」と言われているけれど、残念ながら今のシステムではアクセル全開による飛び出し事故の全てを防ぐことなど出来ない。

車両の直前に他の車両や歩行者、壁などあればアクセル全開にしてもパワーが出ないようになっているものの、障害物まで10m以上の距離あれば自動ブレーキ機能は稼働しないからだ。というのも、壁のない場所でアクセル全開にしてパワーが出なければ高速道路などで合流出来ないからである。大分県の事故も防止出来なかったと思う。

ではアクセルとブレーキの踏み間違い事故の防止は難しいかといえば、そんなことない。このタイプの事故を分析すると、ブレーキだと思っているため皆さん力一杯アクセルを踏み込んでいる。「思い切りブレーキを踏んでください」という試験を行うと、成人男性だと30kg以上。女性ですら20kg程度の力でブレーキペダルを踏み込む。

踏み間違え事故の大半がこの程度の力でアクセルを踏んでいると思う。一方、加速しようとして踏むアクセルは、気合いの入っているときで10kg。一般的に数kgである。だったらアクセルペダルに圧力センサーを付けておき、10kg~15kg以上の力で踏み込まれたら「踏み間違い」と判定し、アクセルが空かないようにすれば良い。

現在販売しているクルマの99%は「アクセルにワイヤーが付いていてエンジンのスロットルを機械的に動かすシステム」を使っていない。電子スロットル(アクセルを踏んだ量をセンサーで感知しエンジンに付いているモーターでスロットルを開けるシステム)なので、暴走防止機能を付け加えことは難しくない。

アクセル部分に数百円の圧力センサーを加えるだけで大半の踏み間違いを防ぐことが出来るということ。すでに販売されているクルマに追加装備することだって出来るだろう。誰でも起こす可能性のあるアクセルとブレーキの踏み間違えによる痛ましい事故を防ぐため、可及的速やかに標準装備化して欲しいと思う。