爆弾証言発掘 朴槿恵の父がベトナムに送った「芸能人慰問団」
ベトナム戦争中、韓国の「芸能人慰問団」がたびたび現地に派遣されたことは、当時の新聞でも報じられている。しかし、もし彼女たちに与えられた任務が韓国兵の「性欲処理」だったとしたら……?
1965年、本格的なベトナム派兵を開始した朴正煕政権(朴槿恵大統領の父)は、戦場における兵士の「性欲処理」問題に直面していた。派兵直後から韓国兵による強姦事件や性犯罪が相次いだだけでなく、買春中の韓国兵がベトコンに襲撃され捕虜として捕らえられるケースが多発したのである。
こうした事態を重く受け止めた朴大統領は、直ちに軍指導部や国防委員、現地関係者を青瓦台(大統領府)に召集し解決策を協議した。そこで朴大統領が提案したのが、ベトナムでの慰安所設置だった。
だが、この案は当時の駐ベトナム韓国大使らの反対に遭い見送られた。彼らが反対したのは人道的見地からではなく、経済的損失を懸念したためだ。ジャーナリスト盧載鉱氏の『青瓦台秘書室2』(1993年)に詳しい経緯が書かれている。
「慰安所を設置すればコストが嵩むだけではなく、兵士がドルを本国に送金せず慰安所で消費してしまう恐れがある」
大使らはそう進言した上で、「派兵期間は1年間に過ぎず、その程度の期間なら性欲をコントロールできるだろう」と付け加えたという。もっとも、その後ベトナムに「韓国軍慰安所」が設置されたことを考えれば、大使らの見通しは甘かったと言わざるを得ない。そうした中で、朴大統領はある代案を思いつく。女性芸能人による「慰問団」の結成だ。
「(慰安所設置の)代わりに芸能人慰問団を送るので、これを積極的に活用して兵士たちの士気高揚に資するよう、大使館の協力を要請する」
駐ベトナム大使にそう通知した朴大統領は、8年間で延べ1200名近くの女性芸能人をベトナムに送り込んだ。
戦時における芸能人の部隊慰問は決して特殊なことではない。大戦中の日本軍は宝塚歌劇団を動員して慰問公演を行い、朝鮮戦争時の米軍はマリリン・モンローを現地に派遣して兵士を鼓舞した。だが、「朴大統領が慰問団を結成した真意は別のところにあった」と『親日派のための弁明』などの著作がある作家の金完燮氏は証言する。
「私が予備役として訓練を受けていた1990年頃、陸軍中佐としてベトナム戦争に参戦した教官から『芸能人慰問団は部隊に長期間留まり、軍人相手に性的な接待を行っていた。彼女たちは“慰安隊”として戦地に送り込まれていた』と聞かされました。主な相手は将官クラスでしたが、一般の兵士たちにもその順番が回って来ることがあったそうです」
金氏は、芸能人慰安隊結成の背景を次のように解説する。
「軍事政権下の韓国で、大統領府と芸能界は密接な繋がりを持っていました。朴政権は芸能人を政治宣伝に利用し、芸能人側も政権に擦り寄ることで自身のポジションを確保していた。いわば持ちつ持たれつの関係だったのです。
そこに目を付けた朴大統領は、慰安所設置に比べてコストが安上がりな女性芸能人の利用を思いついた。もちろん、彼女たちの多くはベトナム派遣を嫌がりましたが、拒否すれば芸能界追放は免れない。慰安隊結成の裏には大統領府による暗黙の強制があったと見て間違いありません」
当時、19歳でベトナムに派遣されたある人気歌手は、韓国のテレビ局KBSの報道番組でこう証言している。
「政府にベトナム行きを命じられた芸能人は『渡航時に何があっても政府にはいかなる瑕疵もない』との覚書を書かされました。慰問はお金にもならず、誰もが嫌がっていた」
彼女の口から「性接待」について語られることはなかったが、派遣前にステージを放り出して逃げだす者もいたという証言からすると、やはりこの慰問団は特殊な性格を帯びていたことが判る。
半ば強制的にベトナムに派遣された彼女たちもまた、韓国軍の被害者だったのではないか。
※SAPIO2015年6月号
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