「「にぎにぎ」今昔」◆◇◆衆議院議員加藤公一ジャーナル第203号◆◇◆
発行日:10/26
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>> 2007/10/26
>> 衆議院議員加藤公一ジャーナル
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=====「にぎにぎ」今昔=====
「役人の 子はにぎにぎを よく覚え」
これは、有名な江戸時代の川柳です。赤ちゃんが手を結んで開い
てすることを「にぎにぎ」と呼んだりしますが、それと賄賂の隠語
であるにぎにぎとをかけたもので、江戸の昔から、役人が頻繁に賄
賂を受け取っていると庶民に思われていたことを物語っています。
今も昔も利権のあるところに汚職があります。そして、典型的な
汚職のひとつとして真っ先にあげられるのは、賄賂でしょう。行政
当局が何らかの取締りをやっているときに、担当する役人がお目こ
ぼしをして、そのかわりにお金を受け取るというのが、わかりやす
い例でしょうか。幸いにして現在の日本では、露骨な贈収賄は減っ
ているようですが、その穴を埋めるようにさかんに行われるように
なったのが、天下りです。
戦後の日本では行政需要が爆発的に増大しました。その結果、公
共事業の発注、補助金の交付など、様々な形で民間への利益誘導が
可能になりました。そんな状況の中で、役所は、職員を早期に退職
させ利益供与先の企業なり団体なりに再就職させ、その団体からの
報酬という形で合法的にお金を受け取る、いわゆる天下りという巧
妙な方法を編み出しました。
賄賂にしても天下りにしても、公務員が権限を利用して相手に利
益を供与し、そしてなんらかの見返りを手にするという共通の構造
を持っています。ただ、利益の受け渡し方が、露骨な金品の提供と
いう形ではなく、天下り先での報酬や退職金という一見合法的な形
に変わったに過ぎません。その意味で、天下りは、古典的賄賂の現
代的発展形なのです。
そもそも、なぜ賄賂や天下りは悪いのでしょうか。それは、行政
のゆがみを生み出し、税金のムダ遣いを生み出すからです。お金を
もらったから取締りに手心を加えるのでは、国として公正な監督な
どできませんし、天下り先ができるからプロジェクトを企画すると
か、天下り先だから公の業務を委託するという考え方では、本当に
必要な行政サービスを提供するのは不可能でしょう。
さらに、天下りには、賄賂にない悪質さがあります。現在のとこ
ろ、若干の規制を除き、天下りはほとんど野放しの状態であり、合
法的に行われます。そのため、天下りにかかわっている公務員自身
に罪の意識がないのです。それどころか、天下り先を開拓した者が
評価されるという、とんでもない文化があるとも聞きます。このよ
うに、志のある公務員の方のやる気と能力をムダにし、その上、組
織ぐるみで税金のムダづかいが行われるということになってしまう
のです。
その上、天下りはシステム化されているため、放っておいても税
金のムダづかいが反復継続されるという問題もあります。「天下り
(A)」を中心として、「ひも付き補助金(H)」、「特別会計(T)」、
「官製談合(K)」、「随意契約(Z)」などという装置を組み込んだ、
巨大なムダ遣いシステム(HAT−KZシステム)が稼動し続ける
結果、半自動的に無駄な行政事務が次々と生み出され、恒久的に税
金が垂れ流されることになるのです。
天下りは、脱法的な収賄であると言っても過言ではないでしょう。
そして何より明らかにムダづかいの温床です。安い税金で充実した
行政サービスを提供するためには、なんとしてもこれを根絶しなけ
ればなりません。私は、これからも「税金のムダづかい一掃本部」
の一員として、現政権には決してできない天下り根絶に全力をあげ
てまいります。
衆議院議員加藤公一
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編集・発行:衆議院 加藤公一議員室
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数ですが件名欄に 「停止」 と書いて、このメールをそのまま返信
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内容は興味深いのですが、
カードローンなどの広告がいっしょについてくるため、印象が著しく悪いです。
メールマガジンのシステムを別のものに変えることをおすすめします。2007/10/26
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収賄のことについてたいへん明確で勉強になりました。加藤公一さんは、「社会のあれ?どうなっているの?でもよくわからない」という社会の問題を、実にわかりやすく記述してくださいます。助かります。
2007/10/26
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