「緊急停車」◆◇◆衆議院議員加藤公一ジャーナル第208号◆◇◆
発行日:3/1
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>> 2008/2/29
>> 衆議院議員加藤公一ジャーナル
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=====緊急停車=====
あなたが大事な取引先に向かっているとします。あなたの乗った
特急電車は、順調に動いており、このままならば定刻に先方の最寄
り駅に着きそうでした。ところが、ついうっかりして、目的の駅に
着いていたことに気づかず、電車は発車してしまいました。特急な
ので次の停車駅は、50キロ先です。あなたならどうしますか。
今年1月、現実の世界で、同じように電車を乗り過ごした人がい
ました。この人は、検察官でした。長野県松本での裁判ため特急に
乗ったが、松本駅で乗り過ごしてしまいました。この検察官、何を
思ったか、乗務員に頼み込んで、特急を停め、そこで降りてタクシー
に乗って、裁判所に向かいました。結局、裁判には間に合ったよう
です。
日本の電車の運行は、世界一正確だといわれています。当然、お
客さんの勝手な都合で、本来通過するはずの駅に停車してあげるなん
てしません。一人一人のわがままに付き合っていたら、皆が電車を
緊急停車しろと言い出して収拾がつかなくなります(件の検察官も
本来なら次の停車駅で降りて引き返さなければならないところでし
た)。
もっとも、本当に緊急の場合には、当たり前のことですが、緊急
停車は認められます。たとえば、急病人が出たなど、人の生命・身
体に影響が及ぶような場合がそうです。病人の場合以外ですと、受
験シーズンに不慣れな受験生が電車を間違ったり、乗過ごして電車
が緊急停車したニュースを耳にした方も多いのではないでしょうか。
どのような緊急停車を認めるべきかについては、具体的な基準は
ないようですが、世間的には受験生のケースでは同情的なようです。
将来がかかっているので、子供には大目に見てあげているというこ
とでしょう。その一方で、昔、参議院議員が新幹線を乗り過ごし通
過駅に緊急停車させた時には、世の中の非難が集中しました。
今回の検察官の件はどうでしょうか。まず、裁判に遅れると、裁
判官や被告人を待たせることになります。また、審理時間が短くなっ
てしまいます。もっと遅れると、別の期日を取らなければならない
という問題もあります(被告人が身柄を拘束されている期間もその
分長くなる)。このように、検察官の遅刻は社会的には迷惑なもの
です。
しかし、だからといって電車を停めてもよいのでしょうか。良い
大人なのだから時間管理は自己責任ですし、緊急停車すれば、今度
は他のお客さんが迷惑します(それが原因で重要な案件に遅れるか
もしれない)。民間人であれば、「大事な取引先との予定に遅刻し
そうだから特急を止めてくれ」などというのは通用しないと思いま
す。
先日、鳩山法務大臣は、「裁判で有罪にならないかぎり冤罪じゃ
ないというのが検察の考えだ」という趣旨の爆弾発言をしました。
考えたくもありませんが、こんな非常識な世界で仕事をしていると、
「自分は大事な仕事をしているのだから電車ぐらい止めるのは当り
前」なんて思ってしまうのかもしれません。皆様、どう思いますか。
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編集・発行:衆議院 加藤公一議員室
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-
考えさせられます。考えさせられる投げかけをありがとうございます。
2008/3/3
-
利益を目的とする民間企業と、公益を目的とする公務員を比較するのはナンセンスだと思います。
2008/3/3
-
普段でも停車をしない駅で列車を停車させるなど、とんでもない事で、降車するかは、乗車の前に確認を怠るなど、責任を取るべきである。評価する。
2008/3/1
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