5月4日の浦和レッズvs.鹿島アントラーズ戦に関して、森脇良太選手がレオ・シルバ選手に人種差別発言をしたのでは無いかと話題になっています。この一件に関して、鹿島の小笠原満男選手は「森脇選手がレオ・シルバ選手に対して『くせえな、お前』という言葉を発した。これまでの対戦でも、カイオやダヴィに対して同じようなことを繰り返していました。」、レオ・シルバ選手は「彼はいつも僕に対してそういうことを言う。僕としては非常に悲しいこと。」と証言しているのに対して、森脇良太選手はそのような事実は無いと真っ向から反論しています。(3者のコメント全文はこちら)
森脇選手の発言をスローVTRと照らしあわせて、真実を検証してみましょう。
森脇良太選手の証言1.
試合で興梠選手が鹿島の選手といざこざになった時に、興梠選手を守ろうという思いで、その輪に止めに入ろうとしたんです。その時、最初に小笠原選手が『お前だけは入ってくるんじゃねえ、ボケ』という感じで言われたので、僕はそれに対して『うるせえ、ボケ』という感じの口調で返しました。
ビデオ1.
画面左側から走り込んできたのが森脇良太選手。森脇選手のコメントでは、最初に言い争いをしたのは小笠原満男選手のはずですが、ビデオを見ると実際にはレオ・シルバ選手のところに絡みに行っているのが分かります。この段階では、そもそも小笠原満男選手は主審の方を向いており、森脇選手に何かを言うことは不可能です。
ビデオ2.
続いて、森脇良太選手がレオ・シルバ選手に何かを言い、レオ・シルバ選手が激昂して森脇選手に肩をぶつけにいきました。森脇選手のレオ・シルバ選手への発言があった際に、小笠原満男選手が状況に気づいて森脇選手の方を向きました。小笠原選手がレオ・シルバ選手をかばい、那須大亮選手と西川周作選手が森脇選手を小笠原選手とレオ・シルバ選手から遠ざけようとしていることが分かります。
真実1.最初に小笠原満男選手と揉めたのは嘘。実際にはレオ・シルバ選手に森脇良太選手が何かを言ったところで騒動がスタートしています。
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森脇良太選手の証言2.
何人かの選手が僕に詰め寄ってきて、たくさんのつばがかかったので、子どもの喧嘩みたいで恥ずかしいけど、『口が臭いんだよ』と言いました。
ビデオ3.
森脇良太選手の周りに人が集まってきたのは、このシーン。レオ・シルバ選手に何かを言った直後です。森脇選手によると、「鹿島の何人かの選手に囲まれてつばをかけられた。」そうですが、実際には那須大亮選手がすぐに森脇選手を遠ざけているので、鹿島の多数の選手が多量のつばをかけたということはありえません。また、小笠原選手と森脇選手が直面したタイミングはなく、レオ・シルバ選手か那須選手のどちらかが間に入っています。
ビデオ4.
中でも決定的なのがこちらのシーン。森脇良太選手がレオ・シルバ選手に対して鼻をつまむ仕草をして、那須選手が必死に押しとどめています。
真実2.森脇良太選手が鹿島選手に取り囲まれてつばをかけられたというのは嘘。実際には那須選手が間に入っています。さらに、レオ・シルバ選手に対して鼻をつまむ仕草を見せています。
森脇良太選手の証言3.
僕はチームメイトに止められて、その場を後にしました。
ビデオ5.
味方選手に止められて、その場を離れたと語る森脇良太選手。しかし、実際には止めに入る那須選手の手を何度も振り払い、再度その場に戻ってきています。
結論3.味方に注意されてその場を離れたのは嘘。実際には強引に那須選手を振り払ってまで、その場に戻りました。
森脇良太選手の証言4.
もっとレオ・シルバ選手が僕に対してむき出しになって怒ってくると思うんです。でも、レオ・シルバ選手のその後の対応を見たら、そうは思わなかったですね。
レオ・シルバ選手は自分に怒っていないと証言した森脇良太選手。しかし、先程のビデオ2を見ると、レオ・シルバ選手は怒りのあまり森脇選手に肩をぶつけています。また、
ビデオ6.
その後もレオ・シルバ選手は森脇選手に対して何度も詰め寄って抗議をしていますが、那須選手や西川選手がそれを止めています。
真実4.レオ・シルバ選手が怒っていないというのは嘘。森脇選手もそれは自覚しているはずです。
以上のように、ビデオと照合すると、森脇良太選手の発言は徹頭徹尾嘘であることが判明しました。
しかし悲しいことに、浦和レッズは「浦和のスタッフは森脇とそのもみあいの中で近くにいた選手に確認を取り、森脇が話した以上のことはなかった。」と発表しました。上述したように森脇良太選手の発言は実際の映像とは全く整合性が取れていないのに、それをかばうことにしたわけです。
もともと浦和レッズは過去にも数多くの人種差別問題を起こしてきました。
2010年5月
複数の浦和サポーターが、試合終了後にベガルタ仙台のチームバスに乗り込んだリャン・ヨンギ選手に対して人種差別発言を行った。浦和には制裁金500万円の処分が科された。
2014年3月
浦和サポーターが「JAPANESE ONLY(日本人以外お断り/日本人に限る/日本人専用)」と書かれた横断幕を掲示。他の複数のサポーターから「差別にあたる」と指摘を受けたが、試合終了まで撤去されなかった。過去にも人種差別問題がありながらの再発であったため、無観客試合が科され、「今後こうした行為が改善されなければ、勝ち点の減免やJ2以下への強制降格など」も視野に入れると発表された。
2015年11月
浦和サポーターがtwitterで、ガンバ大阪所属のパトリックに対して、「黒人死ね」と発言。処分はなかった。
2016年6月
浦和サポーターがtwitterで、鹿島アントラーズ所属のカイオに対して、やはり「黒人死ね」と発言。処分はなかった。カイオの父親は号泣し、翌月に一家は国外へと移籍した。
先程も述べましたが、森脇良太選手の発言が事実と一致しないことはビデオを見れば明らかです。しかし、浦和は次に人種差別問題を起こせば「勝ち点の減免やJ2以下への強制降格」が科せられることになっています。
騒動の周囲にいた浦和の選手たちは森脇良太選手の発言が嘘と知りながら、人種差別発言を隠す道を選択しました。サッカー選手として、人としてそのような行為が許されるのか、よく考えるべきではないでしょうか。