どんなお仕事ですか?
アーティストが目指す場所へ行く為の手助けをする仕事です。
何が何でも売れたいアーティストもいれば、売れなくてもよいので好きなことだけやって長く活動を続けられればいいと思っているアーティストもいます。
はたまたそこそこ好きなことが出来て、そこそこ売れればいいと思ってる場合もあったり、アーティストが目指す場所は様々です。
そんなアーティスト達の添乗員をやってます。
この仕事をはじめるきっかけは?
学生時代に自分でバンドをやりながら、スターリンやスタークラブといったバンドの手伝いをしていました。
ライブの警備やチラシ撒きのようなただの雑用係です(笑)
その後バンドをやめて、ライブハウスで毎月イベントを企画してたらいつの間にか現在に至ってしまいました(笑)
手がけたお仕事の内容とエピソードを教えていただけますか?
インディーズという言葉がまだ無い時代、ライブハウス界隈はとても物騒でした。
ライブハウスに殴り込みに行ったり来たり、ケンカはしょっちゅう。
毎月月に20本くらい企画をやってると、色々なバンドから理不尽に恨まれて、殺すリストに何度もチャートインしてました(笑)
そんな頃、初めてマネージャーをやったアーティストがウィラードというパンクバンドでした。
当時自分の部屋と電話が事務所代わりだったので、「つぶすぞ」とか「殺す」といった脅迫電話が毎日夜中にかかってきましたが、「最近宝島でよく書いてある『PUNX』の『X』はなんで『X』なんだ!「PUNKS」じゃねーのか」というお怒りの電話までなぜか家にかかってきました(笑)
その後クレプスキュールレーベルのアーティストの招聘などをやっていたイベンターでバイトを始めましたが最初の1ヶ月目しか給料が出ませんでした(笑)
1年位いましたが潰れてしまったので、次は有頂天、筋肉少女帯などがいたPCMというインディーズ企画制作会社でバイトを始めましたが、給料がまた最初の1ヶ月目しかでませんでした(笑)
ウィラードのマネージャーとPCMを辞めた後、この業界が嫌になり堅気の仕事に就きましたが、堅気の仕事はもっと嫌になったのでまたこの世界に出戻りました(笑)
アンジーというバンドのマネージャーになりましたが、レコード会社が法人じゃないと契約出来ないというので仕方なく25歳の時に訳も分からず事務所を立ち上げました。
当時は宝島やイカ天といったメディアが煽ったせいもありバンドブーム全盛でした。
POGO,Bells,フレデリックといったバンドも抱えて円形脱毛になりながら毎日忙しくしていましたが、やがてブームも去り、バンドも解散するなどして事務所の経済状態がうなぎ下がりになり、借金も増えてしまいました。
そんな頃、当時渋谷ラママの店長だった方に「一緒にイエロー・モンキーというバンドの事務所をやりませんか」と誘われたのでやり始めたらあっという間に売れてしまったので借金を返すことが出来ました(笑)
その後ZIGGYの事務所に行ったり、ドミンゴスというバンドを売り出したりしましたが、だんだんルーティンな仕事に飽きてきたし、芸能界という世界を知らないまま来たなぁと気づいてしまったので、事務所を畳んで芸能界に行ってみることにしました。
伝統芸能の三味線弾きのうめ吉、ミュージカル女優の島田歌穂、鼻から牛乳の嘉門達夫、元キャロルのジョニー大倉、レコード会社のプロモーターなどをやりましたが、やはり水が合わないことに気づきまたこの世界に戻ってきました(笑)
アーティストの方達はみんな良い人ばかりで、江戸時代の流行歌を唄ううめ吉をフジロックに出したり、ジ●ニーさんのマネージャーを辞める時は「●すぞ」と言われたり、それなりに刺激はありましたが、アーティストを商品と定義することにどこか違和感を感じてしまいました。
この世界は「良いと思うアーティストを気に入ってくれる人(関係者やユーザー)探し」というお願い的なニュアンスが基本ですが、芸能界は自分側のメリットと相手側のメリットを常に共存させなくてはいけないというビジネス感覚が要求されました。この点は勉強になりました。
現在は性善説のサークルのような事務所で、暗い歌ばかり唄ってるネガティブディーバ柊奈緒のプロモーションと、社長の小学生ばりの下ネタについていけるアーティストのサポートをする毎日です。
あなたにとって「音楽」とは?
昔から音楽の仕事をしていなかったら旅行会社で働きたいと思ってました。しかもずっと(笑)
旅行を計画している方の目的や希望を聞き、限られた予算や日程の中で、最高の思い出と充実感を味わってもらいたいからです。
そういった夢や希望を少しでもかなえてあげたいという作業は、方法論は違っても音楽でも同じだなぁと思います。
ベタですいません(笑)
これからこのお仕事を目指す人へアドバイスをお願いします。
そんなだいそれたことを言えるわけがないので無理です。
みなさん繊細な方やタフな方や色々な人がいると思いますが、たまたまだったり、好きでだったり、どんな形であれこの業界に入った人達は、自然と事前淘汰され、結果的に続けている人が"向いている"だけだと思います。
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