20170322 VOL 5005 きょうの聖教新聞

〈小説「新・人間革命」〉 大山 六十七 2017年3月22日
 法悟空 内田健一郎 画 (6027)
 山本伸一が峯子と共に、車で創価大学を出発したのは午後五時半であった。彼は
学会本部へは戻らず、横浜の神奈川文化会館へ向かった。世界につながる横浜の海
から、新しい世界広宣流布の戦いを、真の師弟の戦いを起こそうと、心に決めてい
たのである。
 横浜に到着したのは午後七時であり、既に夜の帳に包まれていた。神奈川文化会
館の一室から海を眺めた。眼下に、係留・保存されている貨客船の氷川丸が見えた。
竣工は一九三〇年(昭和五年)、学会創立の年である。
 学会は、以来、「七つの鐘」を打ち鳴らし、今また、大航海を開始するのだ。
 伸一は、ようやく一息つけた気がした。
 側近の幹部が、「今朝の新聞に先生のお名前が出ておりました」と教えてくれた。
 それは、「読売新聞」がアメリカのギャラップ世論調査所と提携して実施した日
米両国の生活意識調査の結果で、日本国民が選んだ「最も尊敬する有名な日本人」
の上位二十人の第六位に、伸一の名が挙がっていた。吉田茂、野口英世、二宮尊徳、
福沢諭吉、そして昭和天皇に続いて山本伸一となっている。
 「現存する民間人では第一位ですし、宗教界ではただ一人です」という。伸一は、
この劇的な一日を振り返ると、不思議な気がした。さらに同志の大きな期待と懸命
な応援のようにも感じた。
 三週間前、故・周恩来の夫人である鄧穎超に、会長辞任の意向を伝えた時、彼女
が「人民の支持がある限り、辞めてはいけません」と語っていたことが思い返され
た。“人びとの期待に報いよ! 信義に報いよ! 戦い続けよ!”との励ましであっ
たにちがいない。
 “いかなる立場になろうが、私は戦い続ける! いよいよわが本門の戦いが始ま
る!”
 彼は、ここでも筆を執り、「共戦」と認めた。
 そして、“弟子よ。われと共に起て!”と心で叫びながら、脇書に、こう記した。
 「五十四年 五月三日夜 生涯にわたり われ広布を 不動の心にて 決意あり
 真実の同志あるを 信じつつ 合掌」




わが友に贈る
2017年3月22日

生涯求道の賢者たる
太陽会・敢闘会の皆様
いつもありがとう!
いよいよの心意気で
黄金の自分史を共に!




〈名字の言〉 2017年3月22日
 街や駅構内など、至る所で見かける“黄色い道しるべ”。この点字ブロック第1号
が岡山市に敷設されてから、今月で50周年を迎えた
▼考案者は同市の実業家で、発明家としても活動していた三宅精一氏。きっかけは
路上で遭遇した、ある出来事だった。道路を横断する一人の視覚障がい者。そのす
ぐ横を、自動車が勢いよく走り去った。一歩間違えれば大惨事だ。視覚障がい者が
街を安全に歩くためにはどうすればいいか――氏は真剣に考え始めた
▼ヒントは、目が不自由な友人の“コケと土の境は、靴を通して分かる”との一言だ
ったという。ここから、地面に突起物を配置し、足元から危険を知らせることを発
案する。当事者の意見を丹念に聞き、形状・配列・寸法などを工夫。試行錯誤の末、
完成にこぎ着けた。その後、全国で需要が拡大。点字ブロックは現在、世界の多く
の国々でも活用される
▼かつて戸田先生は「その人のためにどうしてあげたらいいか。その慈悲から、一
つ一つ具体的な智慧が生まれる」と教えた。人生の万般に通じる視点であろう
▼「目の前の一人を救いたい」との深い祈りから、無限の知恵が湧く。人生の岐路
で道に迷い、悩む友がいるならば、その足元を励ましの光で照らし、共に一歩を踏
み出したい。(値)




【2017.03.21(火)聖教一面見出し】
▼旭日のインドで3・16記念「南アジア青年部幹部会」SGI派遣団・南アジア4カ国の訪問
団が出席、インド国内185会場に同時中継、池田先生がメッセージ「青年拡大の大源流と勝
ち進め」、東洋広布誓願式典(記念植樹も)
▼全国で春季彼岸法要、池田先生は総本部・原田会長は東京北区で
▼鼓笛隊に新リーダー、櫻井部長・田中書記長
【主な内容】
■<生老病死を見つめて>使命に生きる
■<信仰体験>98歳のもったいない話
■<女子部>誓春の劇を楽しく賑やかに




〈社説〉 人種差別撤廃デーに思う 2017年3月22日
他者尊ぶ思想で多様性輝く社会を
 1966年、国連総会で3月21日が「国際人種差別撤廃デー」と制定された。
毎年、この日を中心に、世界各地で人権意識の啓発活動が行われている。
 政府は、2020年の東京五輪を控え、「人権大国」の構築を方針として打ち出
している。また、外国人観光客や留学生の倍増を掲げ、在日外国人も増加の一途を
たどる。一方で、人種差別を扇動する言動への法規制は、国際社会に比べ不十分で
あり、人権意識の向上が課題だ。
 かつてマーチン・ルーサー・キング博士は、人種問題を解決するには「二つの道」
が必要だと論じた。教育で“内面的な態度”を変革し、立法で“外面的な慣習”を規制
することだ。
 キング博士の盟友ビンセント・ハーディング博士と池田先生の対談集『希望の教
育 平和の行進』は、キング博士の理想の本質に迫る優良書として反響を呼んでい
る。同書で両者は、キング博士が進めた「公民権運動」は、法的権利の実現だけを
目指したものではなく、人々の思想を変える「民主主義を拡大するための運動」だ
と強調。また、この運動はキング博士が“始めた”のではなく、民衆が率先して運動
を起こす中で、博士がスポークスマン(代弁者)として“招かれた”という点に着目
する。さらに、人種差別をなくすには「教育」が鍵であり、「我々は何者か」とい
う普遍的なアイデンティティーの探究が不可欠であると結論する。
 「我々は何者か」という問いに、日蓮仏法は「地涌の菩薩」という答えを持つ。
誰もが、人々の幸福のために尽くす使命を持って生まれた尊い存在なのである。そ
の大前提には、自己も尊厳であり、同じく他者も尊厳であるという生命尊厳と万人
尊敬の人間観がある。
 昨年、本紙でシカゴの友の活動の様子が特集された。人種間の対立の激しかった
時代から、メンバーは地域をくまなく回り、白人も黒人も関係なく、仏法対話を重
ねた。そして、多種多様な人々の心が通い合う、信頼と友情の連帯を築いてきた。
 日本国内でも、妙法を持った数多くの外国人メンバーが活躍している。祖国の言
語の勉強会を開いたり、日本の青少年を文化交流会に招いたりして、差異を認め、
お互いを尊ぶ心を育もうと奮闘している。
 学会の躍進は、多様性が輝く社会を築く基盤であり、模範となる。その誇りを胸
に、きょうも“万人に等しく具わる仏性”に呼び掛ける対話に走りたい。




〈寸鉄〉 2017年3月22日
 生命力と逞しき智慧なく
 して幸福は得られぬ―戸
 田先生。信心で引き出せ
      ◇
 関西男子部の日。常勝魂
 を継ぐ若武者よ!全同志
 の模範たる拡大劇を綴れ
      ◇
 小事に喜びを感じる人は
 大事を成し遂げる―文豪
 一度の対話・激励に全力
      ◇
 米国が過去の核実験映像
 を公開。凄まじい破壊力。
 廃絶こそ恒久平和への道
      ◇
 世界の気温、3年連続で
 最高を更新。地球環境に
 目を向け足元から行動を





〈きょうの発心〉13639 “十連十勝”で幸福の連帯を築
く2017年3月22日
御 文
 悦しきかな汝蘭室の友に交りて麻畝の性と成る(立正安国論、31ペー
ジ・編169ページ)

通 解
 悦ばしいことに、あなたが蘭室の友(蘭の香りのように人徳の薫り高い人)に
交わって感化を受け、蓬のように曲がっていた邪信が、麻のように素直な正信になるこ
とができた。
 妙法の信仰者が蘭室の友になっていくよう、人間性の大切さを教えられています。
 高校1年の時、中学時代の親友に誘われ、女子部の会合に参加しました。「自分
らしく生きることができる仏法です」との確信の言葉に感銘を受け、入会を決意。
しかし、両親の反対もあって、すぐに入会には至りませんでした。
 その後、同志の温かい励ましを受け、唱題根本に活躍する女子部の先輩の姿に触
れ、“広宣流布の祈りは、かなう”との希望を胸に、1979年(昭和54年)に晴
れて入会しました。
 女子部で多くの薫陶を受けた後に結婚。実家が経済的に苦しくなった時も、夫婦
で祈り、広布拡大に全力で取り組む中で乗り越えることができました。池田先生と
同志の激励があって、今日があります。報恩感謝の心で、師弟不二の道を夫と共に
貫く決意です。
 91年、北海道を訪れた先生は十勝の同志に、“十連十勝”との指針を示してくだ
さいました。“青年拡大の年”の本年、大好きな十勝県の同志と共に、幸福の連帯を
築いてまいります。

北海道・十勝県婦人部長 佐々木智子




〈御書と歩む--池田先生が贈る指針〉57 2017年3月22日
学会活動が最高の回向に
御 文
 今日蓮等の類い聖霊を訪う時法華経を読誦し南無妙法蓮華経と唱え奉る
時・題目の光無間に至りて即身成仏せしむ、廻向の文此れより事起るなり
 (御義口伝、712ページ)

通 解
 今、日蓮およびその門下が、故人を追善する時、法華経を読誦し、南無妙法蓮
華経と唱えたならば、題目の光が無間地獄に至って、即身成仏させることができる。回
向の文はこのことから事起こるのである。
同志への指針
 題目の大功力は亡くなった方々の生命にも厳然と届く。悲しい別れであったとし
ても、妙法の光明で赫々と照らし、必ず成仏の境涯へ導いていける。
 なかんずく自行化他の題目を唱え、広布に邁進しゆく学会活動には、「生も歓喜、
死も歓喜」という永遠の生命の凱歌が轟く。この偉大な功徳を故人に回らし向ける
のだ。ここに回向の本義がある。




〈池田先生と共に 新時代を進む〉6 2017年3月16日
未来部は宝 青年こそ希望



 「3・16」のこの日を、全世界の青年部・未来部のはつらつたる前進の息吹で
迎え、うれしい限りだ。
 先日の日曜日(12日)、東京・新宿区の大久保会館と若松会館を視察した。朝
から男女青年部がそれぞれに元気に集い合い、未来部の卒業部員会も、ご家族や担
当者の方々の見守る中、楽しく行われていた。
 厳護する牙城会の友も、凜々しく頼もしかった。
 未来部は宝だ。
 青年こそ希望だ。
 わが学会の庭で、躍動する地涌の若人たちの晴れ姿を見てくれ給え!と、私は胸
を張って叫びたい。
 ― ◇ ― 
 日蓮大聖人は、青年・南条時光に仰せになられた。
 「願くは我が弟子等・大願ををこせ」(御書1561ページ)
 広宣流布とは、仏が抱く究極の大願である。ゆえに、この大願を起こす時、青年
の生命は仏に等しく、最も気高く、最も雄渾になる。昇りゆく旭日のように、鮮烈
な光を放ち始めるのだ。
 1958年(昭和33年)のきょう、恩師・戸田先生はご自身が命を賭して貫か
れた広布の大願を、「いざ!」と馳せ参じた6000人の青年部代表に託された。
 皆、無名無冠なれど、心は師弟の誓いに燃えていた。
 ただ師と共に! 広布のために! この戦う心で、我ら創価の青年は道なき道を
勝ち開いてきた。
 ― ◇ ― 
 戸田先生は宣言された。「創価学会は、宗教界の王者として、社会のあらゆる分
野に、真に優れた人物を送り出していくのだ」と。この先生の願いの通り、今、社
会貢献の人材が、日本中、世界中で乱舞している。
 イタリアの同志が各界から、これほど深い信頼を寄せられているのは、なぜか。
 36年前、私と出会いを結んだ尊き求道の青年たちが先頭に立って、「信心即生
活」「仏法即社会」の模範を誠実に示してくれた。いかなる苦難も団結して乗り越
え、後輩を大切に育てながら、一人一人が偉大な人間革命の勝利の実証を重ねてく
れたからに他ならない。
 世界広布の原動力は、永遠に青年だ。
 いよいよ全国各地で創価青年大会も始まる。
 壁を破り、決然と一人立つ青年が一切を変える。試練を越えて、永遠の土台がで
きる。全ては仏になる修行であり、訓練なのだ。
 何より、我らには「法華経の兵法」がある。
 「題目」で進もう!
 「励まし」で開こう!
 そして、「団結」で勝とうではないか!

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