さっき劇場版を放送していた。2しか記憶が無かったので1を見て改めて特異なアニメだと感じた。
ただもっと言うと、理想とはそれだけを言っているのではないと思う。
まず貧富の差がほぼ無い。みんなある程度裕福だ。
そして恋愛観。別に相手が異性でも同性でも人じゃ無くても、誰もが自由に好きになる世界を描いている。
例をあげるとキリが無いのだが、主役のさくらと小狼にしろ、国籍が違う相手同士だ。
今ならこれで理想の世界なのだと言われると分かるのだが、子供のころ作品を見ていてそんなことが分かっただろうかとふと疑問に思った。
初恋の相手が好きなのはお兄ちゃんでしたという展開は、子供心に衝撃を与えた。
観月先生が出てきた時点で、きっとお兄ちゃんは観月先生と復縁するのだろうと思い込んでいたのもある。
知世に関しても、年々その達観度合いが素晴らしく思えてくる。
この色んな場所で起きている片思いが、実らないこともよくあり、雪兎の「父と重ねてるでしょ」という桜への突き放し方は心を痛めた。
小狼が力に左右されて、同性愛だと悩むシーンも微妙に含まれている。桜が小狼にとっていた態度を自覚し自らの残酷さを理解する部分も重い。
桜ちゃんが好かれたのって、やっぱり父親に迷惑をかけないようにしたり、兄と一緒に家事を頑張っていたところもあるのではないか。
原作では母親の幻想についていってしまう桜と、桜に寄りそう桃矢が描かれている。シスコンにも理由がある。
アニメ版にもこんな感じで可哀想な子供がオリジナルエピソードで出てくる(脚本は原作者だ)
また、ケロちゃんとユエも大事な人を亡くした悲しさで感情を押し殺すシーンが続く。
理想に見えて、人が死ぬ世界なのだ。苦労している人が居る世界なのだ。
さらに言えば怪我をすれば血も出るし。失った力は戻らない。
桃矢はもう母親に会えなくなったし、通常の寿命しか生きないし、ユエはまた大事な人を失うだろう。
クロウカード篇のラスト部分はアニメで再現されたが、「大切な人と言う概念を奪う」とかどこぞのSFホラーだと…(CLAMPが原作者なのでお察しだが)
この辺の作品世界にある「現実の悲しさ」が、このアニメをより魅力的にしていた気がする。
そんなわけでCCさくら。日常ほのぼの大きなお友達アニメだと思ってる人はこの機会に一度しっかり見てほしい。
ツバサクロニクルでCCさくらちゃんが起こした行動に繋がるのなら、CCさくらちゃんが血みどろの世界を知ってることになるし、また世界観がややこしくなるなぁ…w